マニュアル道理にしなくても
   高1 あおそふ(aosohu)  2025年5月1日

 ひとは、三分の二の四分の三を計算用紙の上でするのが適切だと判断すればそうするし、折り紙の上で折ってしまうほうがきれいで速いとおもえば計算しないですませる。こういう、場への適応能力が人間の有能さの本質ではないだろうか。

私は、その場の状況に応じることのできる、適応能力を身につけていくべきだとおもう。

そのための、第一の方法は詰め込んだ知識と身の回りの物事を分離しないことだ。

私の母はいつも、鉄製のフライパンを使ってお弁当を作ってくれる。鉄製のものは、他のフライパンに比べ熱が伝わりやすく、かつ、なにかと不足しがちな鉄分を摂取することができる。しかし、完全無欠なものはこの世に存在しないため、もちろん鉄のフライパンにも欠点がある。それは、使用済みの鉄製のフライパンにこびりついた頑固な汚れを食器用洗剤で洗えないことだ。鉄製のフライパンは、酸化を防ぐため油膜で覆われている状態を維持しなければいけない。とこらが食器用洗剤は、その油膜をあらいおとしてしまうのである。そこで、母は重曹を使って汚れを落とすのである。フライパンに、お水と重曹を入れて火にかけると、重曹によってでてきた気泡で頑固な汚れを浮かすことができるのである。また、重曹は油膜を洗い落とさないためフライパンを酸化から防いでくれる。まさに、一石二鳥である。学校の授業では、重曹は炭酸水素ナトリウムといい二酸化炭素を発生させるための実験で使用したりしたと思う。その知識を土台とし、身の回りの物事で活用することが適応能力を身につける一つの歯車だと思う。

また、第二の方法は創造性を育みやすい環境をつくることだ。

企業や大学では、しばらく前から「評価制度」というのを導入している。中間計画や年度計画というのをあらかじめたて、そのうえで計画をどの程度達成することが出来たかを自己評価し、さらに外部評価を受けたあと報告書として上層に提出し、組織として正式な評価を受けるという制度のことである。この制度を導入するにあたっての大きな利点は、漫然と業務をこなすのではなく、組織がつねに自己点検を行い、無駄なく、前向きに進むことができるとこころである。この制度にたいして、哲学者であり評論家でもある鷲田清一さんの意見に適応力との関係性を私は感じた。その意見というのは、この制度における欠点である。この制度は、計画するときに視野にあったものを一つ一つ達成できたかどうかを評価するだけで、仕事や学ぶうえで当初視野になかった仕事や学びを行うといった発展的な行動はまったく評価されないことがあることである。評価されないとなると発展的な分野に飛ぶことにおっくうになってしまわないだろうか。発展的な仕事や学びはマニュアルがないため自分自身で考えなくてはならなく創造性が必要になってくる。創造性は、臨機応変に物事を対処するときに必然的に必要になってくる能力であると思っている。だから、創造性を育みやすい環境を整えることが大切なのだ。

確かに、自分でたてた計画をしっかりと達成するというのは、仕事だけに問わず人から信頼を受けることに繋がるとおもう。しかし、物事は計画道理にはすすまないことがつねである。身につけた適応能力でどのようにして計画を成し遂げることがキーワードである。