<<え2011/45み>>
体験実例、社会実例とも具体的で説得力がある。
総合化の主題も、結びの光る表現も模範的な作文。
好きな先生につけたあだ名の話は面白い。
すみひなさんの作文は、住空間の快適さと言語の使い方について深く考察されていますね。
特に、物の少ない生活がもたらす快適さと、それが言語の簡素さとどのように関連しているかの分析は興味深く、理解しやすいです。
また、日本語と大陸言語の違いを具体的な例を挙げて説明しており、文化的背景と言語の関係についての理解が深まります。
さらに、自分の体験を取り入れたエピソードは、読者にとって親近感を感じさせ、文章にリアリティを与えています。
名言「思いやりのある言葉は、国境も心の壁もやわらかくする」を引用し、それを自身の課題として再設定する部分は、非常に印象的です。
これにより、言葉を通じた人と人とのつながりの大切さを再認識させる効果があります。
全体を通して、論旨に一貫性があり、多角的な視点から問題を捉えており、中学2年生の作文としては高いレベルにあります。
項目評価:
-複数の意見がよく書けています。
-名言がよく書けています。
-体験実例がよく書けています。
内容★ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1304字/600字
思考点:82点
知識点:80点
表現点:81点
総合点:86点
(新しい森リンで仮の点数を出しています)
■思考語彙 22種 28個 (種類率79%) 82点
たしかに,。しかし,あるかも,あると,あるので,いると,からこそ,が可能,しっかり考える,しまうから,すると,それに対し,それに対して,だから,だろう,とどまらざる,と思う,に思う,の場合,は思う,みると,使うので,
■知識語彙 61種 109個 (種類率56%) 80点
丁寧,不要,世界,交渉,京都,仲間,企業,価値,先生,全国,共通,冗語,前提,単語,友達,合意,同士,名言,否定,善処,国境,地方,場面,多様,大切,大陸,家具,島国,後日,必要,思考,意味,意思,意識,文化,文法,日常,日本,日本語,曖昧,検討,様式,海外,特徴,疎通,白紙,相手,真面目,肯定,自分,表現,言葉,言語,誤解,豪華,返事,通人,適当,配慮,雑然,雰囲気,
■表現語彙 117種 194個 (種類率60%) 81点
あいまい,あだ名,お互い,が可能,こと,さ,せい,そう,それ,それぞれ,それら,つもり,とき,ところ,の場合,ほう,もの,ゆえ,よう,ケース,ソファー,タイミング,テレビ,ビジネス,ベトナム,ヨーロッパ,ヶ国,一つ,丁寧,不要,世界,中,交渉,京都,今,仲,仲間,企業,使い分け,使い方,価値,先生,全国,共通,内,冗語,分,前向き,前提,勘違い,単語,友達,合意,同士,名言,否定,善処,国境,地方,場面,壁,多様,大切,大陸,好き,家具,島国,後日,心,必要,思いやり,思考,性,意味,意思,意識,文化,文法,日常,日本,日本語,曖昧,案,検討,様々,様式,気,気持ち,海外,濁り,特徴,疎通,白紙,的,相手,真面目,私,紙,肯定,自分,表現,観,言い方,言葉,言語,語,誤解,豪華,込,返事,通人,違い,遠回し,適当,配慮,雑然,雰囲気,
■経験語彙 37種 52個 (種類率71%) 74点
あげる,かねる,くれる,しっかり考える,しまう,しれる,つける,とどまる,と思う,に思う,は思う,もつ,られる,れる,与える,付ける,会える,伝える,伝わる,使いこなす,使う,学ぶ,帰る,応じる,持つ,挙げる,断る,比べる,生む,発する,至る,行き届く,表れる,話す,通じる,通る,適す,
■総合点 86点
■均衡点 7点
日本語の誤解
中2 すみひな(sumihina)
2025年5月1日
住空間を快適に保つには、物を減らし、簡素に暮らすことが大切である。日本人は戦後の快適さを「所有」などの物を持つことに求めた。しかし、本来の快適さとはどれだけ物を少なく保つかにあると思う。欧州やアメリカの住居は日本と比べ、テレビやソファーなどの家具は大きく、ものは多くていかにも雑然とした雰囲気だ。しかし、どんなに豪華なものでも不要なものは日常に濁りを与えてしまう。また言語の違いを挙げてみると、日本語は島国的な「通人」の言語であり、冗語性が少なくても意思疎通が可能だ。島国言語は相手に対する思いやりが行き届いていることが特徴だが、それに対しヨーロッパなどの大陸言語は文法や使い方がはっきりしている。しかしその分、冗語性をあまり少なくすると、相手に誤解を与えかねないことがあるので丁寧な表現をしなくてはならない。
日本語は相手に対する、思いやりや配慮が言葉に表れることが多い。それが前提となっているゆえに、短い言葉でもお互いに通じ会えるという良さがある。私も、友達同士で共通した好きな先生にあだ名を付け、仲間内だけで話したことがあった。そのせいか、その友達とは今でも仲がいい。また、日本語は難しいとも言われる。一つの言葉が多様な意味で使われ、誤解を生んでしまうからだ。その一つとして「適当」などがある。「適当なタイミング」はちょうどよい、という肯定的な意味で使われているが、「適当な返事」の場合は不真面目などの否定的な意味を持つ。しかし、難しくても島国言語だからこそ、学ぶ意味があると私は思う。
それに対して、大陸言語は文法などを使うので、正しい意思疎通をするのには大陸言語のほうが適していると私は思う。日本では京都などが遠回しな言い方をする地方としてあげられる。しかし、日本全国にあるあいまいな表現として「前向きに善処します」や「検討します」などがある。日本では「やんわりと断っている」つもりなのだが、海外でのビジネスでは「しっかり考えてくれる」「この案が通る」と勘違いされてしまうことが多い。実際にIT企業が、ベトナムの企業との交渉で「検討します」という返事をしてしまい、合意に至ったと思っていたところ、後日白紙になった紙が帰ってきたというケースがあったそうだ。私も、このような曖昧な表現を使うときには気をつけるようにしたい。
たしかに、島国言語にも大陸言語にもそれぞれの良さがあり、特徴があり、場面に応じて使い分けすることが必要だと思う。また、世界の中には様々な言語があり、それらを使いこなしていくことは極めて難しい。たった3ヶ国語でも単語や文法の違いにとどまらず、文化・思考様式・価値観の違いが多々あるのだ。誤解を与えてしまうこともあるかもしれない。しかし、いちばん大切なことは「思いやりのある言葉は、国境も心の壁もやわらかくする」という名言があるように、少しでも相手を大切に思う気持ちが自分の発する言葉に込もっているかではないだろうか。私はこれから、相手にきつい言い方をしていないか、しっかり伝えたいことが伝わっているかを意識しながら話してみたい。