お手伝い
小3 あけいと(akeito)
2025年5月1日
お手伝いって一体何なんだろう。まだ日本に住んでいた頃、旬のお母さんに、
「敬斗、ママのお手伝いしてあげなよ!!」
と言われていた。旬のお母さんは近所に住む友達旬のお母さんで、父が先にフィリピンに行き、母と兄弟だけで暮らしていた頃から事ある毎に僕たちの世話を焼いてくれた人だ。
母は僕ら兄弟にお手伝いをほとんど要求しない。だから僕はお手伝いについて考えた事がなかった。そこで僕は母と一緒にお手伝いとは何なのかを考えてみた。
「僕ってお手伝いしているかな?」
「うーん。本棚を組み立ててくれたり、ホットケーキを使ってくれたり?」
僕は母の返答に少しホッとした。なぜなら、お手伝いをしているつもりはなかったけれど、ちゃんとお手伝いが出来ていたからだ。ところが、
「ん?でもこれって敬斗がやりたくてやってたダカの事だから、お手伝いじゃないか!!」
突然の母の言葉で僕は雷に打たれたような気持ちになった。
「ママは小学生の頃お手伝いしていたよ。洗濯物畳みとかお風呂掃除とか…。」
「そんなの僕だってやった事あるよ!!」
僕は思わず叫んでいた。
「敬斗がやったのは遊びの延長でしょ。逆にママが敬斗の片付けのお手伝いしてるよね。」
母がニカニカ笑った。僕は母のお手伝いを有難迷惑だと思った。なぜなら、僕はおもちゃを一日中、いや、一年中出しっ放しにしておきたいからだ。
お手伝いとは実に難しいものだ。自分は手伝ったつもりでも、相手が喜ばないと有難迷惑になり、自分は手伝ったつもりでなくても、相手がやってもらって有難いと感じれば、お手伝いしたことにもなる。僕は一歳の頃、よく弟にミルクをあげていたそうだ。それを母は覚えていて、未だに僕に小さかったのによくお手伝いしてくれたと嬉しそうに言う。当然当時の僕にそんなつもりはなかったはずだ。でも、こんなに母が喜んで覚えてくれているのなら、たまにはお手伝いするのも悪くないかもと思った。