あおやゆさん、作文のご提出ありがとうございます。今回の作文では、日本語の「花便り」や季節の変化を巧み(たくみ)に表現する言葉選びに焦点(しょうてん)を当てた内容が印象的でした。特に、自然の美しさを表現する際の言葉の選び方について深く掘り下げ(ほりさげ)ており、読者にとって考えさせられる部分が多かったです。

文章の構成においても、自分自身の経験と向田邦子(くにこ)さんや三浦綾子さんの文章スタイルを引用し、比較(ひかく)する形で自分の考えを展開(てんかい)している点が素晴らしいと思います。これにより、ただの意見表明ではなく、具体的な例をもって支えられた説得力のある文章になっています。

また、言葉に対する感受性の深さが随所(ずいしょ)に見られ、特に「言葉の森は深い森だ」という表現は、言葉を通じて常に新しい発見があることを象徴(しょうちょう)的に示しており、非常に印象的でした。

次に、一般(いっぱん)化の主題についても適切に取り入れられており、「言葉とは人間にとって人に自分の感情を伝えるものだ」という部分では、言葉の本質的な役割(やくわり)についても考察が深まっています。

これからも、日々の学びを作文に活かしていただき、さらに多角的な視点(してん)から物事を捉える(とらえる)力を伸ばし(のばし)ていってください。

###項目(こうもく)評価
-たとえがうまく使われています。
-一般(いっぱん)化の主題がよく書けています。
-書き出しの結びがよく書けています。
 

森リン評価 言葉の森 ha 05月2週 あおやゆ
字数/基準字数:
1019字/600字
思考点:69点
知識点:68点
表現点:72点
経験点:86点
総合点:76点
均衡点:3点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:78点
知識点:77点
表現点:82点
経験点:95点
総合点:83点
均衡点:3点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙17種19個89%69点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙44種83個53%68点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙97種164個59%72点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙45種63個71%86点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1019字
 69点
 68点
 72点
 86点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 17種 19個 (種類率89%) 69点
、むしろ,。例えば,あるかも,すると,すれば,たい思う,だから,だろう,と思う,ならば,なんとも言える,に思える,を考える,人間にとって,女性らしい,書こう,見つからざる,

■知識語彙 44種 83個 (種類率53%) 68点
三浦,世界,人間,今年,余地,個人,優美,向田,味気,地面,女性,季節,学校,宿題,微小,情景,意味,感情,感覚,文章,新緑,日本人,日本語,日記,様子,毎年,状態,率直,筆者,紅葉,素直,結局,綺麗,綾子,繊細,自分,落花,表現,言葉,語彙,読者,貧弱,邦子,風情,

■表現語彙 97種 164個 (種類率59%) 72点
あいだ,こと,これ,ころ,さ,さん,それ,つぼみ,ところ,どちら,はるか,ほう,まさ,もの,ら,メートル,三浦,世界,中,二,人,人間,今年,余地,使,個人,優美,八,冬,分,初め,前,十,向田,味気,咲き,地面,場,夏,女性,好き,季節,学校,家,宿題,幅,年,庭,微小,情景,意味,感情,感覚,文章,新緑,日,日本人,日本語,日記,昔,木,果て,枝,森,様,様々,様子,毎年,気,状態,率直,的,盛ん,私,筆者,紅葉,素直,結局,綺麗,綾子,緑,繊細,自分,色合い,花,花びら,花便り,落花,葉,葉っぱ,表現,言葉,語彙,読者,貧弱,邦子,風情,

■経験語彙 45種 63個 (種類率71%) 86点
くれる,させる,しまう,しれる,すぎる,たい思う,つく,できる,と思う,なんとも言える,に思える,ふくらむ,ゆく,られる,れる,わかる,を考える,並べる,伝える,作り出す,使いこなせる,使う,分ける,富む,感じる,散る,映し出す,書く,植える,止める,気付く,深まる,知る,移り変わる,終える,育てる,落ちる,表す,覆う,見つかる,超える,達する,選ぶ,離れる,魅せる,

■総合点 76点

■均衡点 3点
 

言葉の森
   小6 あおやゆ(aoyayu)  2025年5月2日

昔からある「花使り」のほうが、はるかに風情に富むのである。「つぼみふくらむ」

らほら咲き」「八分咲き」「散り初め」「落花盛ん」「散り果て」。花便りの言葉も、微小感覚を表し分けて、まさ風情に富んでいる。ところが、散り初めのころのある日、枝を離れた花びらを見ていて、これが地面に達するあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた。花便りの様々な言葉を作り出し、育てて日本語だから、私のまだ知らないところに、あの美しさを表す言葉があるかもしれない。もし日本語にそれがないならば、それは日本語の語彙の貧弱を意味すると、二十年前と同じことを考えさせられた。日本語になくてはならない言葉の様に思えるのだが。言葉の世界は奥深くて、まだまだ知らない言葉があることに気付いた。

私の家の庭には紅葉が植えてある。今年には10メートルを優に超える様な木で紅葉と新緑、どちらも毎年魅せてくれる。若々しく少し柔らかい色合いの新緑から夏が深まり緑で覆われる季節、そして紅葉へと移り変わってゆく。紅葉の葉っぱが落ちていく様子はなんとも言えない優美さがある。この葉が落ちていく様子をどの様に表現すれば良いのだろうか。私も筆者と同じ様に学校の宿題である日記に書こうと思ったが結局のところ「すごい」「美しい」などを並べただけの味気ない日記になってしまった。美しいだけではないし、綺麗と言っても物足りない。私の知っている言葉の中では「これだ!」と言うものは見つからずとうとう紅葉の季節を終えて冬になってしまった。

私は向田邦子さんや三浦綾子さんの文章だと繊細な日本語を使っていて、読者も言葉の幅がより広くなりしかもその場の情景が細かく映し出されている様に感じる。特に、向田邦子さんは女性らしい表現や自分の感情を率直に伝える素直な言葉がとても好きだ。例えば「美しい」だけで止めないでわざと「言葉が見つからないほど美しかった」と素直に言う。難しい言葉を使いすぎるよりはよっぽどわかりやすい表現で個人的には素晴らしいと思う。

言葉とは人間にとって人に自分の感情を伝えるものだ。私はただ「すごい」や「とても」ばかり使うのではなく奥深い日本語を使いこなせる日本人になりたい思う。繊細で美しく言葉を選ぶことができる日本語は言葉が見つからないことは悪いことではなく、むしろその言葉の森の奥深さを知ることができる余地があると言うことだろう。言葉の森は深い森だ。