とても本質的なテーマに取り組みましたね。「人間にとって学習とは何か?」という深い問いに、身近な例から生物学的な知識まで幅広く(はばひろく)使って考えていたことが素晴らしいです。

<<え2014/140jみ>>

【総評】
 学習の大切さを、生物の進化や生き残りという観点からとらえた視点がとてもユニークで、大人顔負けの切り口です。また、日常的な学びの意味にも触れ(ふれ)、実際の生活や興味に結びつけて説明できていたところもよかったです。後半では学習の本質に迫る(せまる)意見も展開され、よく考え抜か(かんがえぬか)れた意見文でした。

【段落ごとの講評】
■第1段落(要約・状況(じょうきょう)説明)
 人間の進化的特徴(とくちょう)と学習能力について、生物の中での位置づけを含め(ふくめ)ながら客観的に説明できていました。「人は生まれつきの行動の仕組みが少ない」という観点から「だから学習が必要」という主張につながる流れが論理的でした。

■第2段落(理由1)
 学習が「生きるために必要」という主張を、歩き方や食べ方の例で説得力を持って説明していました。(だれ)にでもわかりやすい例が使われていて、読む人が納得しやすい構成でした。「他人との会話も学習の一部である」という視点の広がりもよかったです。

■第3段落(理由2)
 マリモや植物の話から、「楽しいことを知るためにも学習が必要」という考えを展開していて、知識の喜びを伝えようとしていた姿勢が伝わりました。阿寒湖の話題を取り上げたところも興味深く、内容にオリジナリティがありました。

■第4段落(主題の総合化・名言の引用)
 「辞書を使いこなせる人になる」という言葉を引用して、知識の使い方が学習の目的であることをまとめに持ってきた構成が見事です。「暗記=学習ではない」という気づきは大切な視点です。

【特に優れていた点】

生物学的知識と日常生活をつなげた発想力

「学習とは何か?」という問いを哲学(てつがく)的に深めた点

名言を使った主題のまとめが説得力をもっていた点

【考えを深めるための質問】
 あなたが今までに「学んでよかった」と思った経験にはどんなことがありますか? その学びは、どんなふうに自分の役に立ちましたか?
 


■思考語彙 25種 36個 (種類率69%) 90点
 確か, 第,。しかし,。例えば,あるため,いくため,いるから,いるため,いるので,からこそ,ことによって,このため,しまうかも,たから,ただ単に,だから,できざる,と思う,ないから,ないと,なければ,などにより,のため,楽しむため,知るため,

■知識語彙 57種 87個 (種類率66%) 77点
一番,二酸化炭素,人生,人間,人類,他人,仲間,伐採,会話,光合成,内容,勉強,危機,反映,吸収,場所,変化,変換,大事,学習,必要,意味,放出,日常,暗記,条件,条件下,森林,植物,水深,水草,特徴,球状,理由,環境,生息,生活,発達,目的,知識,移動,筋肉,経験,絶対,絶滅,繁殖,自分,行動,言葉,身体,辞書,適応,酸素,阿寒湖,雑食,類人猿,養分,

■表現語彙 104種 194個 (種類率54%) 75点
 確か,あと,あるため,いくため,いるため,いろいろ,おなか,こと,このため,これ,そこ,それ,たくさん,だめ,ところ,どこ,どれ,のため,ほか,もの,やり方,よう,サル,チンパンジー,マリモ,一,一番,上,事,二酸化炭素,人,人生,人間,人類,今,仕組み,他,他人,仲間,伐採,会話,体,何,光合成,内容,勉強,化,危機,反映,吸収,場所,変化,変換,大事,好き,妨げ,学習,必要,意味,放出,方,日常,暗記,条件,条件下,森林,植物,楽しむため,様々,気,水深,水草,活,爪,特徴,球状,理由,環境,生まれつき,生息,生活,発達,的,目的,知るため,知識,移動,筋肉,経験,絶対,絶滅,繁殖,自分,行動,言葉,身体,辞書,適応,酸素,阿寒湖,雑食,類人猿,風向き,養分,

■経験語彙 35種 66個 (種類率53%) 71点
いける,うる,しまう,しれる,すく,できる,とどまる,と思う,もらう,やる,られる,れる,わかる,ズレる,使う,使える,備える,出来る,含む,学ぶ,役立てる,教える,楽しむ,歩く,比べる,流れ出る,生きる,生き残る,知る,至る,行う,詰め込む,通る,重なり合う,食べる,

■総合点 81点

■均衡点 3点
 

生物界の中で人という種を(感)
   中1 あかそよ(akasoyo)  2025年5月2日

 生物界の中で人という種を特徴づけると優れた学習能力がほぼ一生にわたり維持されるという事だ。例えばクジラやライオンなどの大型哺乳類は水中で生活しやすいように体が変化したり、筋肉が発達し鋭い爪などを備えているためある条件下では反映しうる。しかし、サルの仲間においてはこういった身体的特徴がない。生まれつきの行動の仕組みが比較的少なく雑食であるため様々な環境に適応しうる。サルの仲間では経験からどれだけ学ぶかが大事となってくる。このような特徴は人はより一層濃く見られる。人はほかのチンパンジーなどの類人猿と比べても生まれつきの行動の仕組みが少ない。このため人間はいろいろなことを学習しないといけないのである。

 第一の理由は生きていくために必要だからである。まず、学習をしなければ歩き方を知らないから歩くことができない。食べ方を知らないから食べることができないという事になってしまう。まず歩くことができなければどこにも移動することができずにその場所にいとどまることになる。そうするとやりたいと思う事も他の事も何もできなくなってしまう。また、何も食べることができないとおなかがすいて生きることができなくなってしまうかもしれない。生きていくために絶対に必要な内容の学習をすることによって弱い人類が生き残ることができるのである。また、それを自分だけで行うのではなく他人との会話でも生きていくために必要なものを教えてもらう事も含まれる。

 第2の理由は、学ばなければ楽しいことや好きなことができないからだ。例えば植物が二酸化炭素を吸収して酸素に変換して放出するというような植物のいいところは学習することによってわかることだ。また、マリモが球状化するのは阿寒湖の上を通る風向きやマリモの生息できる水深の場所が多くあるなどの条件がたくさん重なり合っているからである。だが、今これが森林の伐採などにより養分がたくさん流れ出てマリモの光合成の妨げになるシオグサなどの水草が大繁殖し絶滅の危機に至ってしまっている。これにしてもやはり、学習をしたからこそ知ることが出来たことだ。このようにいろいろと学習することによって自分の好きなことや楽しいこと、だめなことなどのことを知るために学習が必要なのである。

 確かに今の学習のやり方は暗記をするだけであとは何もしなくてもいいというようになってしまっているので、ズレているような気もするが、やはり、人生を楽しむために学習する事は必要である。辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的であるという言葉もあるようにいろいろなことを無理やり暗記することが学習ではなく、その知識をどう使うかが一番大事なところとなってくる。知識を詰め込んだだけでそれを日常生活の何にも役立てることが出来なかったらそれはただ単に意味のないことをやったというだけである。そこで知ったことを自分がやりたいことに役立てないといけない。自分のために学習が必要なのである。