少年のころの桜は/感
中2 あけみお(akemio)
2025年5月2日
枝を離れた花びらを見て、これが地面に達するまでのあいだの状態を、ぴたりと表す言葉がないのに気がついた。また、からまつのこまやかな葉が、同じように自分の重みだけで枝を離れ、金色の光をひるがえしながら、音もなく地表に降り積む光景を見ても表す言葉がないことにも気がついた。桜の花びらと、からまつの葉は、自然はついに言語の及びえないものなのであろうか。もし日本語に表す言葉がなければ、それは日本語の語彙の貧弱を意味する。
私は、吹奏楽部に所属している。先月、一年生が入部してきた。吹奏楽部の基本である「ロングトーン」を一年生に教えるときに、頭ではなんとなくわかっているけれど、いざ言葉に表して説明するとなると言葉が出てこなくてとまどってしまった。そのとき、ちょうど三年生の先輩が忘れ物を教室に取りに行っていたのでがんばって教えた。結局、
「ロングトーンとは、八拍伸ばして四拍休むものだよ。」
としか伝えられなかった。先輩が帰ってきたので「ロングトーン」とは何か聞いてみたら、まともな答えが返ってきた。それは、
「最初の入りは『アタック』と言って爆発して入ってもだめだし、ぬるく入ってもだめ。音を伸ばす部分を『コア』と言って音が揺れたらだめ。最後の音が切れる部分を『リリース』と言ってブツッと切ったらだめだから、きれいに音がだんだんなくなることを意味するものだよ。」
そう言っていてとてもよくわかった。今度は聞かれたときにビシッとかっこつけてもいいくらい言えるようにしたい。話がそれてしまったが、私はこの経験でわからなくても自分なりの言葉で表すことが良いことがわかった。
もう一つ言葉に表すことができなかったエピソードがある。吹奏楽で曲などを吹くときに、音程が低くなってしまうことや、音が汚くなってしまうことがある。その理由は、頭ではなんとなくわかっているけれど、言葉に表すことができなかった。なぜそうなってしまうのかがわからなかったら改善もできないから結局先輩や先生に聞くことになってしまう。自分で考えなければ力にならないと思うので、言葉を探して上手く考えていきたい。
「帯に短し、たすきに長し」ということわざがあるようにぴったりの言葉を見つけることが難しい場面は多い。人間にとって言葉とは、万能なものではないのだ。しかし、言葉があるからこそ、上手くコミュニケーションがとれて、今も生活が充実しているのだと思う。これから私は、言葉をもっと知り、上手く活用していきたい。私が一番初めに覚えた言葉は「まま」だったと母が言っていた。それからたくさんの言葉を覚えてきた。もっと覚えることはできるからたくさん覚えて有効に使っていきたい。また、自分で言葉を探して考える力もつけていきたい。