文化と言語の関係を深く見つめ、クラスの経験を生かした展開がとても良かったです。
<<え2021/62jみ>>
【総評】
全体的に丁寧な構成で、四段落構成が明確に守られています。「島国言語」の特徴を文化背景と絡めて説明しながら、自分の実体験も上手に交えて論を進めています。言葉と文化の関係性に対する鋭い洞察が光る、完成度の高い意見文です。
【段落ごとの講評】
■第1段落:
指導項目「要約・状況説明」
「島国言語」「大陸言語」という対比を導入し、それぞれの特徴を明確に記述しています。抽象的な語句が多く使われていますが、論旨ははっきりしています。
■第2段落:「複数の意見A・実例」
自分のクラスでの言葉の使われ方という具体例を通して、仲間意識や特別感がどのように生まれるかを説明しています。先生のダジャレの話がユーモアとしても効いており、読者を引き込みます。
■第3段落:「複数の意見B・実例」
島国言語の難しさを、外国人の視点や自分の体験を通して語っており、具体例が効果的です。「空気を読む文化」や「曖昧さ」の指摘は、文化の深い理解につながっていて非常に良い考察でした。
■第4段落:「総合化の主題・名言の引用」
最後の段落では、「思いやる心こそが大切」というメッセージにまとめられており、前段までの議論を高い視点で統合しています。読後感もすっきりしていて、説得力のある結びになっています。
【特に優れていた点】
・四段落構成を明確に守り、論理の流れが整理されていた点。
・具体的なクラスのエピソードを用いたことにより、読者に共感を持たせた点。
・「空気を読む」「曖昧さ」といった日本語の文化的特性にまで言及し、言語の深層を捉えた点。
【考えを深めるための質問】
あなたが外国人に日本語を教える立場になったとしたら、「空気を読む文化」をどうやって伝えますか? そのとき、あなたの経験がどのように生かせるでしょうか?
■思考語彙 19種 23個 (種類率83%) 74点
n確か,。だからこそ,。つまり,あらためて思う,あるから,いると,ことによって,しよう,すると,そのため,たちらしい,だと,だろう,とおもい,と思う,なければ,もいえ,互いに思う,思うば,
■知識語彙 67種 124個 (種類率54%) 84点
一員,一番,丁寧,主語,以上,仲間,会話,価値,個性,先生,円滑,冗語,努力,原因,友達,同音,外国,多様,大切,大陸,家族,対人,島国,強化,影響,必要,性格,情報,意味,意識,感覚,所属,担任,敬語,文化,日常,日本,日本語,曖昧,活動,漢字,特別,特徴,独自,理解,異義,発達,相手,省略,瞬間,社会,空気,立場,組織,背景,自分,表現,複雑,要点,視点,言葉,言語,誤解,通人,関係,雰囲気,魅力,
■表現語彙 114種 211個 (種類率54%) 80点
n確か,こと,ことば,これ,さ,さまざま,そのため,それ,それぞれ,たち,ひと,みんな,もの,よう,わたし,カタカナ,クラス,グループ,コミュニケーション,コミュニティー,ダジャレ,ノリ,ロス,一つ,一員,一番,丁寧,三つ,中,主語,二つ,人,以上,仲,仲間,会話,余り,価値,個性,先生,円滑,冗語,前,努力,原因,友達,同音,外,外国,多様,大切,大陸,家族,対人,島国,強化,影響,必要,性,性格,情報,意味,意識,感,感覚,所属,担任,敬語,数,文,文化,日常,日本,日本語,曖昧,気持ち,活動,漢字,特別,特徴,独自,理解,異義,発達,的,相手,省略,瞬間,社会,私,空気,立場,組織,絆,背景,自分,表現,裏,複雑,要点,視点,観,言葉,言葉づかい,言語,話,語,誤解,通じ,通人,間,関係,雰囲気,魅力,
■経験語彙 43種 61個 (種類率70%) 83点
あらためて思う,おさえる,かみ合う,かんじる,がる,たいする,たく,つかう,つながる,できる,でる,とおもい,とる,と思う,ひる,もいえ,れる,わかる,互いに思う,伝える,使い分ける,使う,分かる,加える,受ける,心掛ける,思いやる,感じる,慕う,持つ,深める,生む,略す,立つ,聞く,育む,表す,話す,読み取る,読む,違う,関わる,高める,
■総合点 86点
■均衡点 6点
相手を思いやる気持ち
中2 あえさみ(aesami)
2025年5月1日
島国言語の特色のひとつは、相手に対する思いやりが行き届いていることである。日本語の人称を表す語は多様であり、日常的に使っているものでも、二つや三つは使い分けている。それは、対人関係の感覚が発達しているのだともいえる。もう一つは話の通じがよいということである。省略の多い、要点のみをおさえた通人としての言語活動をしている。家族の会話というものは、大陸言語の性格が強くても通人的、島国言語的なものである。言語は必要以上の情報を持っている。冗語性というが、ロスが多いと思えばそれを高めるし、家族間の会話などでは少なくする。大陸言語の社会では冗語性を余り少なくすると、相手に誤解されることもあるから、丁寧な表現をしなければならない。
島国言語は互いに思いあってコミュニケーションをとることができる。言葉を省略したり、仲間にしか分からない言葉をつかうことによって仲間意識の強化につながる。つまり、「同じグループの一員だ」という感覚を生み、絆を深めることができるとかんじている。私のクラスは仲がとてもよく、先生のことをみんな慕っている。前、担任の先生がダジャレを言い、クラスメイトや私はそれを略してよく言うようになった。「自分のクラスにしか分からない言葉ってあるよね」とクラスメイトと話した。自分が所属している組織にしか分からない言葉には特別感があると感じた。雰囲気やノリ、言葉づかい、価値観などさまざまな個性や特徴が島国言語にはでる。自分たちらしさは大切だとあらためて思うことができた。
しかし、島国言語は理解するには難しいことがある。大陸言語は話している人の数が多い理解も島国言語よりはしやすいだろう。日本語はひらがな、カタカナ、漢字に加えて敬語が複雑だったり、主語が省略されたり、同音異義語が多かったりと文を理解するのが難しい言語と言われている。これに自分たちしか分からない言葉が会話中にはいると「難しい」と感じる外国人は多いと思う。友達と話していて自分が言っていることと友達の話していることがかみ合わない瞬間がある。その原因はやはり島国文化にあるのだと思った。私は島国である日本は、外からの影響を受けにくく、独自の文化や価値観が育まれてきた。そのため、言葉づかいにも「空気を読む」ことや「曖昧さをたいせつにする」特徴がある。そのような言葉の裏にある意味を読み取るのが難しい。日本語を話す中で、ことばだけではなく文化の背景も理解することが、円滑なコミュニティーには大切なことがある。
確かに島国言語にも大陸言語にもそれぞれ違った魅力があるが、一番大切なことは相手が言いたいことを理解しようとする気持ちなのだと思う。人と人とのコミュニケーションは思いやることが大切なのだとおもう。だからこそ、わたしはこれからも相手の立場に立って話を聞くことを心掛けたい。そして、自分の気持ちもできるだけわかりやすく伝える努力をしていきたい。より広い視点でひとと関わることがたいせつだとおもった。