らたよさん、作文を拝読しました。

まず、社会問題の主題が明確に述べられており、読み手に対して問題の重要性をしっかりと伝えることができています。特に、「他人の痛みに無関心な人々が増えている」という現象を取り上げ、その社会的影響(えいきょう)詳細(しょうさい)分析(ぶんせき)している点が印象的です。原因の分析(ぶんせき)においても、デジタル技術の影響(えいきょう)や想像力の欠如(けつじょ)といった複数の観点からアプローチしており、それぞれの原因がどのようにして問題に寄与(きよ)しているのかがよく書けています。

また、解決策についても具体的で実践(じっせん)的な提案がなされており、読者に対して行動を促す(うながす)力を持っています。医療(いりょう)現場や教育の現場での具体的な改善策を提案することで、ただ問題を指摘(してき)するだけでなく、その解決に向けて具体的な一歩を踏み出す(ふみだす)ための道筋を示しています。

全体を通して、社会問題に対する深い洞察(どうさつ)と共感を呼ぶ表現が見られ、読む者に対して強い印象を与える(あたえる)作文となっています。
また、名言「共感とは、知識ではなく、想像力である」という表現は、テーマを深く掘り下げる(ほりさげる)助けとなっており、この部分も非常に効果的です。

項目(こうもく)評価:
-社会問題の主題がよく書けています。
-原因がよく書けています。
-◎名言がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題○ 表記◎

字数/基準字数:1111字/600字
思考点:74点
知識点:91点
表現点:84点
総合点:83点
(新しい森リンで仮の点数を出しています)

 


■思考語彙 19種 21個 (種類率90%) 74点
 確か, 第,。しかし,。たとえば,。例えば,あるから,するため,それこそ,ないから,なければ,は第,不幸に対して,問題に対して,子どもに対し,生活により,痛みに対して,発展により,目指すべき,育むため,

■知識語彙 77種 124個 (種類率62%) 91点
不可欠,不安,不幸,主観,交流,人間,今後,他人,他者,余裕,優先,共感,冷淡,医療,原因,反応,問題,土壌,地域,境界,姿勢,学校,対話,対面,希薄,従事,必要,患者,情報,想像,意識,感情,感覚,技術,改善,救急,教育,文学,方向,日常,本質,根本,機会,無関心,状況,現代,現場,現実,現象,理解,生活,発展,直接的,相手,知識,社会,移入,空間,立場,精神,経験,自他,自分,芸術,表情,視線,言葉,課程,負担,近年,連帯,過剰,過多,重大,重視,関係,養成,

■表現語彙 124種 215個 (種類率58%) 84点
 確か,あいまい,こと,さ,するため,それ,たち,もの,やりとり,よう,わがまま,オンライン,ケア,コメント,スピード,デジタル技術,ロボット,一,一人ひとり,上,不可欠,不安,不幸,中,主観,二,交流,人,人々,人間,今後,他人,他者,何,余裕,優先,共感,冷淡,前,力,医療,原因,反応,問い,問題,土壌,地域,型,境界,声,姿勢,子ども,学校,対話,対面,希薄,当たり前,従事,心,必要,患者,情報,想像,意識,感情,感覚,技術,改善,救急,教育,文学,方向,日常,本質,根本,機会,無関心,状況,現代,現場,現実,現象,理解,生活,痛み,発展,的,目,直接的,相手,真,知識,社会,私,移入,空間,立場,精神,経験,置き去り,者,耳,育むため,自他,自分,芸術,表情,視線,言葉,証,誰か,課程,負担,近年,連帯,過剰,過多,重大,重視,関わり,関係,震え,顔,養成,

■経験語彙 36種 49個 (種類率73%) 73点
かねる,しまう,すぎる,せる,できる,られる,れる,伴う,傾ける,働く,取り戻す,合わせる,増える,失う,寄り添う,感じる,感じ取る,感じ取れる,揺るがす,求める,決めつける,泣く,注ぐ,減る,生きる,生む,目指す,立ち返る,置き換える,育てる,育む,苦しむ,行き交う,通う,飛び交う,養う,

■総合点 83点

■均衡点 3点
 

共感することの大事さ
   社 らたよ(ratayo)  2025年5月3日

 近年、他人の痛みに無関心な人々が増えているという現象が社会問題となっている。救急の現場で苦しむ患者に冷淡な視線が注がれたり、SNSでは他人の不幸に対して心ないコメントが飛び交ったりする。かつては当たり前とされていた痛みへの共感が、現代では希薄になりつつあるのである。このような状況の中で、私たちは痛みとは何かや共感とは何かという根本的な問いに立ち返る必要がある。他人の痛みを感じ取れない人間が増えていることは、社会の連帯や医療の本質を揺るがす重大な問題である。

 その原因は第一に、直接的な人間関係が希薄になっていることにある。デジタル技術の発展により、他者と顔を合わせて対話する機会が減り、共感を育むための土壌が失われつつある。例えば、オンライン上でのやりとりでは、相手の表情や声の震えといった痛みを感じ取ることはできない。まるでロボットのように、感情を伴わない言葉だけが行き交う空間では、他者の痛みを現実として感じることが難しくなる。この問題に対しては、学校や地域での対面型の交流や、医療現場における患者との直接的な関わりを重視する教育が必要である。共感は、知識ではなく経験を通して育まれるものであるからだ。

 第二の原因は、他人の痛みに対して想像力が働かなくなっていることにある。痛みは主観的な感覚であり、誰かが痛いと言っても、それを他人がそのまま感じ取ることはできない。ゆえに、私たちは他人の立場に自分を置き換え、もし自分だったらと想像することでしか痛みを理解できない。しかし、現代社会では情報過多やスピード優先の生活により、想像力が置き去りにされている。たとえば、目の前で泣いている子どもに対し、わがままだと決めつけてしまうのは、子どもの心の痛みに寄り添う余裕がないからである。この状況を改善するためには、文学や芸術を通じて感情移入の力を養う教育が不可欠である。また、医療従事者の養成課程においても、技術だけでなく人の痛みを想像する力を育てることが求められる。

 確かに、他人の痛みに過剰に反応しすぎることは、自他の境界をあいまいにし、精神的な負担にもなりかねない。しかし、共感とは、知識ではなく、想像力である、というように、他者と心を通わせることは、人間らしさの証である。このように、他人の痛みを感じられない人間が増えているという現代の問題に対して、私たちは意識的に共に生きる感覚を取り戻していかなければならない。医療現場においても、患者一人ひとりの痛みや不安に耳を傾ける姿勢が、真のケアを生む。共感と想像力を再び日常の中に取り戻すこと、それこそが、今後の医療と社会が目指すべき方向である。