あうそなさん、貴重なご意見ありがとうございます。ご提出いただいた小論文を拝読し、多くの洞察(どうさつ)に富んだ点が見受けられました。

まず、社会問題としての「子供の問題」を深く掘り下げ(ほりさげ)て考察されており、その原因を明確に述べています。社会構造や専門知識の適用がもたらす非対称(ひたいしょう)な関係について、具体的な事例を交えながら説明されている点は非常に印象的です。特に、ご自身の妹さんの体験を取り入れることで、論点に説得力と生々しさを加えています。

また、「子供を本来の姿で捉える(とらえる)ことの重要性」という主題に関して、日本社会の既成(きせい)概念(がいねん)触れ(ふれ)、その問題点を指摘(してき)している部分は、深い洞察(どうさつ)に基づいていると感じました。専門知識がもつ利点と限界をバランスよく評価し、子供たちの個性や創造性を大切にするべきだというメッセージは、教育における新たな視点を提供しています。

この小論文は、社会問題の主題がよく書けており、体験実例がよく書けています。さらに、原因がよく書けている点も評価できます。あうそなさんの深い洞察(どうさつ)と、具体的な事例に基づいた論議は、読者に大きな影響(えいきょう)与える(あたえる)ことでしょう。次回作も楽しみにしています。
 

森リン評価 レッテル剥がし nnga 04月3週 あうそな
字数/基準字数:
1213字/600字
思考点:85点
知識点:111点
表現点:97点
経験点:79点
総合点:90点
均衡点:-2点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:点
知識点:点
表現点:点
経験点:点
総合点:点
均衡点:-2点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙23種25個92%85点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙105種163個64%111点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙152種244個62%97点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙40種61個66%79点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1213字
 85点
 111点
 97点
 79点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 23種 25個 (種類率92%) 85点
 確か,、単に,。しかし,。つまり,いるため,かかわらざる,せざる,それに対し,だろう,で一方,なければ,にこそ,の場合,は第,れるべき,分類可能,学ぶべき,寄り添おう,当てはめよう,彼女らしい,構造によって,繋げるため,限らざる,

■知識語彙 105種 163個 (種類率64%) 111点
一定,不安,事実,事情,企業,会社,個人,個性,偏見,傾向,充実,全国,共生,共通,分析,分野,分類,分類可能,制度,創造,効率,勉強,勝手,十分,危険,原因,問題,大人,子供,存在,学校,完成,対応,対等,対象,専門,尊重,弱者,強制,強者,形式,影響,彼女,応用,感受性,感情,成立,把握,指示,推測,提示,提起,支援,支配,教師,教育,既成,日本,日本人,有無,未熟,本来,柔軟,概念,構造,模索,欠如,欧米,比較,沈黙,流通,無視,状態,現在,現場,現状,理解,生活,用語,発想,発達,登校,知識,社会,積極,管理,背景,自主,自分,葛藤,行動,解釈,言葉,認識,課題,貢献,通学,進路,過度,適切,関係,障害,非対称,頻繁,駆使,

■表現語彙 152種 244個 (種類率62%) 97点
 確か,あり方,いるため,おおらか,こと,これ,さ,それ,たち,の場合,ひと,ひとつ,よう,アクセス,レッテル,一,一定,不安,中,事実,事情,人,企業,会社,個々,個人,個性,偏見,傾向,充実,全国,共生,共通,分析,分野,分類,分類可能,制度,創造,効率,勉強,勝手,十分,危険,原因,口,問題,場,多く,大人,妹,姿,子ども,子供,存在,学校,完成,家,対応,対等,対象,専門,尊重,弱者,強制,強者,形,形式,影響,彼女,心,応用,思いやり,性,感,感受性,感情,成立,把握,担い手,指示,推測,提示,提起,支援,支配,教師,教育,方,既成,日本,日本人,昔,時,有無,未熟,本来,枠,枠組み,柔軟,概念,構造,模索,欠如,欧米,比較,気持ち,沈黙,流通,無視,状態,現在,現場,現状,理解,生,生活,用語,発想,発達,登校,的,真,知識,社会,私,積極,管理,繋げるため,考え,者,背景,自主,自分,葛藤,行動,解釈,言葉,認識,課題,貢献,通学,進路,過度,達,違い,適切,関係,障害,非対称,頻繁,駆使,

■経験語彙 40種 61個 (種類率66%) 79点
かかわる,かける,くくる,こもる,しまう,せる,つくりだす,つながる,できる,られる,れる,わかる,使う,備える,及ぶ,含める,学ぶ,寄り添う,導く,当てはめる,怠ける,感じる,押す,持つ,捉える,欠く,殺す,気づく,生きる,生む,繋げる,育つ,表れる,見える,見受ける,覚える,貼る,躊躇う,過ごせる,限る,

■総合点 90点

■均衡点 -2点
 

レッテル剥がし
   高2 あうそな(ausona)  2025年4月3日

  現在、子供の問題が多く提起される背景には、子供がわからない、見えないという不安感がある。それに対し専門家による知識が提示されるが、それは見えない制度として強制され、知識の強者と弱者としての非対称な関係を生む。知識の流通が支配する社会では、知識にアクセスできない者が沈黙させられていく。子供の問題とは、こうした構造によってつくりだされる問題でもある。子供を本来の姿で捉えられない社会のあり方に問題がある。

 その原因は第1に、大人があらゆる分野の専門知識を駆使し、子供を分類可能な対象として見ているためだ。効率的に人を管理する社会の影響は、会社や企業だけでなく子供達の教育の場にも及んでいる。学校現場でも、発達障害や問題行動などといった専門用語が頻繁に使われ、子供たちはすぐにカテゴライズされてしまう。私の妹は現在不登校だが、彼女なりに彼女らしい生活や進路を模索しながらも充実して過ごせているようだ。それにもかかわらず、「学校には来てほしい」と形式的な言葉をかける教師や、感情のこもらない対応をする大人もいる。そうした大人たちは妹の気持ちや葛藤に寄り添おうとせず、単に通学という枠に当てはめようとしているように感じる。これは妹に限らず全国の不登校生にも共通する課題だろう。不登校という事実だけで、子供達の気持ちや個々の事情勉強をしていない、怠けだといった偏見やレッテルを貼られ、ひとくくりにされてしまう。つまり、専門知識の過度な応用は、時に大人の勝手で一方的な解釈へつながってしまうことがある。そしてそれは子供一人一人の背景や感情を無視し、思いやりの欠如という形で表れている。

 もうひとつの原因は、日本社会における、子供は未熟で導かれるべき存在という昔からの既成概念だ。子供を対等に見ていない、日本は欧米と比較しても尚更、その傾向は見受けられるだろう。日本では多くの場合、大人に指示されることの方が正しいとされ、その中で育った子どもたちは、自分の考えを口にすることに躊躇いを覚える。それが日本人と欧米人の大きな違いである個人の自主性や積極性の有無にもつながっていると推測する。また子供が備え持っている創造性や個性を押し殺してしまうことさえあるだろう。子供の未完成さの中にこそ、大人が学ぶべきである柔軟な発想や感受性、そしておおらかな心があるのではないか。大人がその事実に気づき、子どもを共に生きる存在だと認識した時初めて、教育が成立する。

 確かに、専門知識は現状をつぶさに分析し、状態の把握に大いに貢献している。特に子供の発達や行動を理解し、適切な支援に繋げるためには欠かせない。しかし、その専門知識は子供を一定の枠組みに当てはめてしまい、本来の姿が見えなくなる危険性があることを十分に理解しなければならない。私はこれから、自分を含めた一人一人の個性を理解尊重し、真の共生社会の担い手の一人になりたい。