わてひさん、今回の作文についての講評をさせていただきます。
まず、他者の内面に
焦点を当てたテーマの
選択が非常に興味深いです。
あなたの文章からは、他者との共感や想像力の重要性が際立っており、
哲学的な問いかけによって読者を
引き込む力が感じられます。
また、現代社会の問題点を具体的な例(心の教育の
欠如、使い捨て文化など)を挙げて説明し、それがどのように心の感受性や想像力に
影響を
与えているのかを
解析している点も見事です。
特に、「人間とは、単体ではなく、集団なのだ」という名言を引用することで、個人と社会との関連性を効果的に示しています。
これは、社会全体の意識や文化が個々人の感情や行動にどれだけ
影響を
与えているかを考えさせる良い例です。
さらに、情報化の進展が個人の感情に
与える影響についても
触れており、SNSを通じての感情の共有や、その限界についても考察している点は、非常に時代を反映した重要な視点です。
このような深い
洞察と論理的な展開は、読者に多くの思考のきっかけを提供しており、高度な理解を示しています。
項目評価:
-原因がよく書けています。
-社会問題の主題がよく書けています。
-名言がよく書けています。
森リン評価 想像力とは nnga 05月3週 わてひ字数/基準字数: 1389字/600字 思考点:74点 知識点:92点 表現点:85点 経験点:85点 総合点:88点 均衡点:4点
| ●語彙学年表
| 小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 | 高1 | 高2 | 高3 | |
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思考点 | | | | | | | | | | | | | | 知識点 | | | | | | | | | | | | | | 表現点 | | | | | | | | | | | | | | 経験点 | | | | | | | | | | | | | | 総合点 | | | | | | | | | | | | | |
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1200字換算: 思考点:点 知識点:点 表現点:点 経験点:点 総合点:点 均衡点:4点
| ●換算語彙学年表
| 小1 | 小2 | 小3 | 小4 | 小5 | 小6 | 中1 | 中2 | 中3 | 高1 | 高2 | 高3 | |
---|
思考点 | | | | | | | | | | | | | | 知識点 | | | | | | | | | | | | | | 表現点 | | | | | | | | | | | | | | 経験点 | | | | | | | | | | | | | | 総合点 | | | | | | | | | | | | | |
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●語彙の説明語彙 | 種類 | 個数 | 種類率 | 点数 | 説明 |
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思考語彙 | 19種 | 25個 | 76% | 74点 | 考える言葉です。 理由、方法、原因などの説明の語彙。 多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
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知識語彙 | 79種 | 122個 | 65% | 92点 | 難しい言葉です。 社会的な例や調べた例の語彙。 多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
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表現語彙 | 125種 | 226個 | 55% | 85点 | 豊かな言葉です。 話題の幅が広い語彙。 多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
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経験語彙 | 44種 | 64個 | 69% | 85点 | 詳しい言葉です。 身近な例や経験した例の語彙。 多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
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種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。 |
1389字
 | | 74点
 | | 92点
 | | 85点
 | | 85点
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字数 | | 思考語彙 | | 知識語彙 | | 表現語彙 | | 経験語彙 |
■思考語彙 19種 25個 (種類率76%) 74点
確か, 第,、なぜ,、第,。しかし,。つまり,。むしろ,せざる,それゆえ,たろう,だろう,つまり,でこそ,なければ,を考える,力こそ,想像によって,言えば,進展により,
■知識語彙 79種 122個 (種類率65%) 92点
了解,事項,交換,人間,他者,以前,伝統,余裕,価値,個人,共感,共有,共通,内面,効率,動物,単体,即座,名言,問題,回復,土壌,地域,基本,基盤,大事,大切,存在,学校,実現,客観,家庭,必要,情報,想像,意味,感情,感覚,成果,戦争,排除,教育,文化,日常,昔話,映像,時間,本当,極限,機会,欠如,消費,災害,状況,現代,現場,理由,環境,疲弊,相手,社会,簡単,習慣,背景,自分,自然,要因,言葉,証言,軽視,近年,退治,逆説,進展,重視,関係,集団,風潮,麻痺,
■表現語彙 125種 226個 (種類率55%) 85点
確か,がち,こと,さ,そこ,そのもの,それ,それゆえ,たち,もの,もも,わけ,ノイズ,一,一つ,中,了解,事項,二,交換,人,人々,人間,今,他者,以前,伝統,何,余裕,使い捨て,価値,個人,共感,共有,共通,内面,力,効率,動物,化,単体,即座,名言,問題,喜び,営み,回復,土壌,地域,基本,基盤,声,多く,大事,大切,奪い合い,存在,学校,実現,客観,家庭,広がり,心,必要,悲しみ,情報,想像,意味,感情,感覚,成果,戦争,排除,教育,文化,日常,昔話,映像,時間,本当,極限,機会,欠如,気持ち,消費,災害,物,状況,現代,現場,理由,環境,疲弊,痛み,的,目,相手,社会,私,簡単,習慣,考え方,背景,自分,自然,苦しみ,要因,観,言葉,証言,誰,豊か,軽視,近年,退治,逆説,進展,重視,量,関わり,関係,集団,風潮,鬼,麻痺,
■経験語彙 44種 64個 (種類率69%) 85点
かかる,こめる,しまう,すぎる,せる,つながる,できる,られる,れる,を考える,分かれる,助け合う,動かす,化す,受け取る,向かう,問う,培う,壊れる,失う,奪い合う,学ぶ,届く,属する,得る,忘れる,思いやる,感じる,扱う,挙げる,捨てる,欠ける,現れる,生じる,直す,築く,育つ,育てる,衰える,見える,触れる,語り継ぐ,通う,通じる,
■総合点 88点
■均衡点 4点
想像力とは
高2 わてひ(watehi)
2025年5月3日
心や意識の有無は生理的な構造や外的な反応では判定できず、むしろ「他者の内面を想像する力」によって成立する。他人の痛みを直接感じることは不可能であり、私たちは「彼の立場に立った私」を通してしか理解できない。それにもかかわらず、私たちはその想像を基に「彼が痛がっている」と判断し、共感する。この想像力が、人間同士を「仲間」としてつなぎ、心ある存在として認識させる根本的な力である。つまり、心とは客観的に存在するものではなく、他者との関わりと想像によって生じるものなのだ。この考え方は、災害や戦争といった極限状況において社会が「助け合い」か「奪い合い」かに分かれる理由にも通じる。奪い合う社会には、他者の内面に対する想像力が欠けている。では、なぜ今の私たちにはその想像力が失われつつあるのだろうか。
第一の要因として、私たちが「心の教育」の伝統を忘れてしまったことが挙げられる。かつては家庭や地域、学校の中で、他者の気持ちを考えること、思いやることを自然に学ぶ文化があった。しかし近年、効率や成果を重視する風潮の中で、そうした教育が軽視されがちである。心を育てる営みは時間がかかり、目に見える成果として現れにくいからだ。だが、他者の苦しみを自分のものとして想像する力こそが、助け合う社会を築く基盤である。心の教育を回復しなければ、私たちはますます他者を「人」として感じられなくなってしまうだろう。
また、第二の要因として想像力の欠如の背景には、豊かな社会における「使い捨て文化」の広がりがあるのではないか。物を大事にせず、壊れたらすぐに捨てるという習慣は、物だけでなく人との関係や心までも「消費」する感覚につながっている。かつて語り継がれた昔話『ももたろう』では、きびだんご一つで動物たちが心を通わせ、共に鬼退治へ向かう。そこには物や言葉にこめられた「気持ち」を受け取り、大切にする文化があった。しかし現代では、物も人も簡単に交換・排除できるものとして扱われがちである。そうした環境では、他者の気持ちや存在を想像する力が育ちにくい。物を大切にし、関係を育てる中でこそ「心を想像する力」は培われる。使い捨て文化がその土壌を失わせている今、私たちは改めて「もったいない」という感覚の意味を問い直す必要があるだろう。
確かに、何を大事にするかという心の問題は、基本的には個人の価値観に属することだ。「人間とは、単体ではなく、集団なのだ」という名言がある。しかし、社会には共通の了解事項となっている文化がある。また、相手の心に対する想像力が、現代社会で本当に欠けてきているのだろうか。むしろ、情報化の進展により、私たちは以前より多くの人々の声や感情に触れる機会を得ている。SNSでは誰かの悲しみや喜びが即座に共有され、戦争や災害の現場から届く映像や証言に心を動かされることも多い。つまり、想像力そのものが衰えたわけではない。しかし逆説的に言えば、あまりに多くの「他者の心」に触れすぎて、私たちは一つ一つに深く共感する余裕を失っているのではないか。他者の痛みが「日常的なノイズ」と化してしまい、心が麻痺しているのである。想像力の欠如ではなく、想像力の「疲弊」が今の問題であり、それゆえ本当の共感や助け合いを実現するには、情報の量ではなく、想像の深さが問われているのだ。