柔らかくも深い思索が感じられる意見文です。実例や海外の教育事情も交え、説得力ある展開になっています。
<<え2015/812pみ>>
【総評】
主題を明確に提示し、多角的に論を展開しています。自身の体験やフィンランドの教育制度を引用することで説得力を高めており、中学生として非常に高い完成度です。結論部分も「父親の役割は一つではない」という柔軟な視点でまとめられ、読後感のある意見文になっています。
【段落ごとの講評】
■第1段落:
社会的視点からの主張(父親像の変化)と、自身の家庭事情を丁寧に結びつけており、導入として非常に優れています。「テレビの画面上でしかほとんど会えない」という表現も、現代らしいリアリティがあります。
■第2段落:
自身の水泳のエピソードを取り上げ、「厳しさの価値」に論を展開。経験を振り返りながら自己分析をしている点が素晴らしいです。「能力ではなく努力」という言葉も、読者に強く訴える力があります。
■第3段落:
フィンランドの教育制度の紹介は効果的です。「失敗を許す文化」やPISA成績などのデータも含めて、客観的根拠のある主張になっています。日本の教育の変遷にまで話題を広げており、広い視野を感じさせます。
■第4段落:
「家族全員が納得する父親像」というまとめが実に秀逸です。「尊重」の名言を用いた締めも知的で、意見文に深みを持たせています。
【特に優れていた点】
自身の体験を的確に分析し、主張に繋げている(体験実例の効果的使用)
海外の教育制度を引用し、意見の客観性を高めている(国際実例)
多面的な視点から父親像を考察し、バランスの取れた主張に仕上げている(総合化の主題)
【考えを深めるための質問】
あなたにとって「尊重される父親」とは、どのような人だと思いますか? また、父親だけでなく母親にも求められる役割があるとすれば、それはどのようなものでしょうか?
■思考語彙 22種 28個 (種類率79%) 82点
しかし, 確か,。しかし,。例えば,。確か,あるため,いるため,おらざる,だろう,て考える,できれば,と思う,なければ,のかも,の可能,みると,れるため,抑えるため,日本にとって,父に対して,甘やかさざる,言うべき,
■知識語彙 77種 125個 (種類率62%) 91点
一昔,上下,不足,中学校,些細,人間,他人,以前,会話,低下,全員,出来事,制度,前提,副作用,努力,効果,北欧,単身,印象,友達,国際,場所,大切,失敗,子供,存在,学力,安心,家族,尊重,小学校,当時,役割,必要,忍耐,意識,成果,成績,授業,教師,教育,文化,方法,日本,日頃,最中,水泳,決断,海外,父親,現在,理念,生徒,画面,直前,納得,統合,絶大,維持,羨望,能力,自分,自立,要望,規律,言葉,課題,調査,質問,赴任,過去,重要,重視,関係,雰囲気,頑固,
■表現語彙 126種 207個 (種類率61%) 85点
確か,。確か,あるため,いるため,うわべ,お手本,こと,さ,それ,たち,どちら,の可能,ゆとり,よう,れるため,スクール,スムーズ,テレビ,バランス,フィンランド,フラット,フレンドリー,ポイント,ミス,一人ひとり,一昔,上,上下,不足,中学校,些細,人,人間,今,他人,以前,会話,低下,像,全員,出来事,分,制度,前,前提,副作用,努力,効果,北欧,単身,印象,友達,国際,場所,大切,失敗,子供,存在,学力,安心,家族,尊重,小学校,平泳ぎ,当時,役割,必要,忍耐,性,悩み,意識,成果,成績,抑えるため,授業,教師,教育,文化,新た,方法,日本,日頃,最中,様々,母,水泳,決断,海外,父,父親,現在,理念,生徒,画面,的,直前,眼差し,知り合い,私,納得,統合,絶大,維持,羨望,習い事,能力,自分,自立,要望,規律,言葉,話,課題,調査,質問,赴任,過去,達,重要,重視,関係,際,雰囲気,頃,頑固,m,
■経験語彙 40種 59個 (種類率68%) 79点
おる,くれる,しまう,しれる,て考える,できる,とる,と思う,やめる,れる,上がる,会う,促す,出来る,分ける,切り開く,受け入れる,始める,惑わす,愛する,抑える,振る舞う,捨てる,掲げる,果たす,残る,泳ぐ,泳げる,甘やかす,示す,続ける,習う,薄れる,行う,許す,話す,送る,通う,間違う,離れる,
■総合点 90点
■均衡点 6点
理想の父親
中2 あきかは(akikaha)
2025年5月3日
近年の父親は、家族を統合し、理念を掲げ、文化や社会のルールを伝えるという、父親としての役割を果たしていない。そのような父の典型が、「友達のような父親」であり、上下関係を意識的に捨ててしまっている。父の役割を果たすことのできなくなった父と言うべきである。私の父は、海外へ単身赴任の最中で、離れた場所からテレビの画面上でしかほとんど会うことができない。しかしその分、私は父に対して、日頃の悩みや、印象に残った出来事など、些細なことでも話すようになった。
確かに、頑固で厳しい父親は良い。私は小学校に上がって少しした頃まで、水泳を習っていた。この習い事をやめる直前には、平泳ぎを25m泳げるようにまでなっていた。しかし、私が通っていたスクールには話ができる知り合いがおらず、次第に楽しさが薄れていった。そしていつしか、水泳をやめたいと思い始めた。そして、当時の父と母は、私の要望を受け入れてくれた。だが、今になって考えてみると、その決断は間違っていた。小学校、中学校で水泳の授業がある際は、スムーズに泳いでいる人をみて、羨望の眼差しを送るばかりである。できれば、その能力を分けてほしいと思ってしまう。しかし実際は、それは能力などではなく、自分を甘やかさずに努力し続けた成果なのだ。自分を甘やかさずに努力を促してくれる存在が、人間には必要なのである。
しかし、友達のような父親も良い。北欧のフィンランドの教育制度が、それを示している。フィンランドの教師と生徒は、友達のようなフラットな関係性で、生徒との会話を重視する。そんな温かい雰囲気であるため、生徒は安心して質問やミスをすることができるという、失敗を許す文化が存在している。この教育方法は、うわべ上だけでなく、国際学力調査(PISA)でも高い成績を維持できているため、効果は絶大である。また、日本でも、様々な教育方法がとられてきた。例えば、「ゆとり教育」は、それ以前に行われていた、規律や忍耐を重視する教育の副作用を抑えるために行われた。しかし、生徒の学力低下や自立不足が新たな課題となり、現在はバランスを重視した教育が行われている。そんな日本にとってフィンランドは、まさにお手本である。このように、友達のようにフレンドリーな父親は、子供たちの可能性を切り開いてくれることだろう。
頑固で厳しい父親も、友達のような父親も、どちらも必要であり、大切である。しかし、最も重要なことは、一人ひとりが家族全員を愛することである。「他人から尊重されるためには、まず自分で自分を尊重出来なければならない」という言葉があるように、全員が全員を尊重することが家族としての前提であり、その上で、父親がどのように振る舞うかのバランスがポイントとなってくるのである。確かに、一昔前までは、父親には家族を統合し理念を掲げるなどの、役割があったのかもしれない。だが、過去に惑わされる必要はなく、家族全員が納得する父親像であり続けることが、父親としての役割なのである。