want to be
   中3 あおさみ(aosami)  2025年5月3日

 ニーズは理性による判断から生まれた「必要」、ウォントは現在の自分の中にある何かとてもいたたまれないような、場合によってはたまらなく爆発したくなるような情念から生まれた「必要」である。ウォントには欲望の念や渇望の念がなければならない。また、ウォントを持った意志力がなければどこかで挫折するのではないかと思う。飛躍の原動力はニーズではなく、ウォントだと私は考えるのだ。



 私は「必要だからする」ではなく、「したいからする」という動機を大切にしたい。



 そのための第一の方法として、考えを整理し、目標を定めることだ。今年は私にとって大きな年である。義務教育が終わり、来春には高校に入学していると思う。未来や責任が伴う大きな決断をするのは初めてだ。自分のしたいことがまだ明確ではなく、未来を描くことができない。高校のことを考えることができず、漠然とした不安が心を支配していた。そこで私は今の時点で見つけた高校に惹かれた理由を細かくノートにまとめることにした。書いていくうちに自分が思っている以上に、思いが曖昧で、迷っていることがわかった。さらに不安の原因に気づくこともできた。それは勉強への不安だった。手を出していない教科や忘れてしまった単元などが多くあり、心の隅に引っかかっていたのだ。自分で進学したい高校を決め、入試に向けて計画を立てる。そのためにまず一学期の間で中学校の課程を終わらせたい。一歩遅れたスタートかもしれない。でも目標が明確になり、道が見えている今、心は落ち着いている。



 第二の方法として、社会の声や固定概念に惑わされないことだ。この前「ようこそ、ヒョナム洞書店へ」という本を読んだ。住宅街にひっそりと立つヒョナム洞書店にはさまざまな人が訪れる。書店のバリスタであるミンジュンは、いい大学に入ったにも関わらず、就職ができない青年だった。頑張って勉強し、いい会社に入ることを目標としていたミンジュンにとって就職できなかったことは苦しかったに違いない。偏差値の高い学校を卒業し、いい会社に就職している人のことを「人生の勝ち組」だと表現することがある。私もそう思っていた。勉強して就職し、安定した人生を送るのだろう、と。それが一変、最近は自分のしたいことをしたい、と強く思うようになった。偏差値や給料で決めることも大切だが、そこで私は何を得て、何をするのか、ということに重要視するようになった。「人生の勝ち組」と言われている本人が幸せではなく満たされていないだとしたら、それは「人生の勝ち組」なのだろうか。「勝ち組」はあくまで他人の物差しではかったことでしかないと思う。ミンジュンは社会から見れば「人生の負け組」かもしれないけれど、書店で働きながら、存在意義ややりがいを見つけた。私も自分の価値観、ライフスタイルを大切にしていきたい。自分にとっての「幸せ」や「充実」を探し、どんな人生を歩むのか、これから楽しみである。



 確かに、したいことばかりしていると、計画性のない人生になってしまうかもしれない。

 しかし、「理想に到達するための手段はまた、理想への到達を阻む障害でもある」という言葉があるように、うちなる心の声を聞くことが大切だと思う。声を塞ぐ障害を超えることは難しい。また、声があることすら知らない人もいるかもしれない。だから夏を感じる風を浴びながら、ほっと一息ついてみてほしい。暖かな風が心の声を呼び起こし、外へと運んでくれるから。