あおなちさん、作文の提出ありがとうございます。あなたの作文からは、物の価値をお金だけでなく、その製作過程や作り手の思い入れに着目する視点が感じられ、非常に興味深い内容でした。

まず、物語の冒頭(ぼうとう)で村長がヒノキに対して持つ思いやそれに対する村人たちの対応が描か(えがか)れている部分は、その後の論旨(ろんし)をしっかりと支える背景として機能しています。村長のヒノキへの敬愛が、物の価値を単なる金銭的なものではなく、文化やトラディション、職人の技といったものへと広げるあなたの考え方に繋がっています。

また、自分の経験や母親から聞いた話を取り入れているため、文章がより豊かで説得力を持っています。特に、保育園の園長先生が作ったキーホルダーや母が購入(こうにゅう)した巾着(きんちゃく)のエピソードは、物に込め(こめ)られた愛や労力が価値を形成する具体的な例として、非常に効果的です。

あなたの文章は、感情や感動を大切にしながらも、それを論理的に説明している点が素晴らしいです。さらに、結びで使われた名言は、あなたの考えを一層深め、読み手に強い印象を与える(あたえる)効果があります。

全体的に、あなたの作文は感情と理論が結びついた説得力のある文章で、読む人に深い印象を残すものとなっています。前の話や聞いた話がよく書けており、一般(いっぱん)化の主題もよく書けています。素晴らしい作文をありがとう。


 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1102字/600字
思考点:77点
知識点:78点
表現点:87点
経験点:73点
総合点:84点
均衡(きんこう)点:5点

 


■思考語彙 20種 23個 (種類率87%) 77点
n確か,。しかし,。確か,いこう,いれば,かによって,すべき,せざる,たので,だから,と思う,ないため,なければ,にこそ,に考える,のため,を単なる,想いこそ,磨けば,見ると,

■知識語彙 58種 80個 (種類率73%) 78点
一体,一生懸命,丁寧,丈夫,不愉快,人間,仕事,作者,価値,侮辱,保育園,値段,健在,先生,出品,刺繍,十分,名前,名言,商品,園長,大事,大工,大木,天然,実現,容認,工務,巾着,建物,意見,慎重,換算,文化,有利,未来,村人,村長,林業,業者,樹齢,消費,特性,玄関,理由,老人,職人,自分,自慢,表札,製材,製造,財産,販売,購入,金額,関係,魅力,

■表現語彙 131種 199個 (種類率66%) 87点
n確か,。確か,いくつ,いちばん,うち,お金,かわいそう,こと,さ,そう,それ,たち,どちら,どれ,ないため,のため,ひと,ほう,もの,よう,エプロン,キーホルダー,バザー,ヒノキ,プレゼント,ホーム,一,一つ,一体,一生懸命,丁寧,丈夫,不愉快,中,二,人,人間,仕事,他,作者,例,価値,侮辱,保育園,値段,健在,僕,先生,出品,刺繍,化,十分,卒,名前,名言,商品,問い,園,園長,大事,大工,大木,天然,姿,実,実現,家,容認,山,工務,巾着,年,店,建物,式,後,心,想い,意見,愛,慎重,手作り,換算,文化,日,時,有利,木,木の実,未来,村人,村長,板,林業,柱,森,業者,樹,樹齢,母,気持ち,流れ,消費,物,特性,玄関,理由,百,的,目,細切れ,老人,者,職人,腕,自分,自慢,表札,製材,製造,財産,販売,購入,金儲け,金額,針,間,関係,顔,魅力,2つ,

■経験語彙 36種 64個 (種類率56%) 73点
いける,くれる,こもる,しまう,せる,つづける,できる,と思う,に考える,ひかる,られる,れる,伝わる,作る,入る,分かる,売る,思い描く,感じる,打つ,持つ,支える,決める,流れる,生かす,生きる,磨く,続ける,縫う,育てる,見つける,買う,超える,込める,迷う,高める,

■総合点 84点

■均衡点 5点
 

全てはお金!NO
   中1 あおなち(aonati)  2025年5月4日

  ヒノキをいちばん高く売るにはどうするのがよいのかが村長の問いだった。玄関の表札にして売るのが有利だという意見があった。すると村長はきわめて不愉快そうな顔をした。樹齢二百年を超えた大木が、柱になった後も堂々と建物を支え続け生き続ける姿を思い描いていた村長には、それが細切れにされることなど、容認できることではなかったのである。商品価値を高めることが、木を侮辱することであってはならないと思った。

 山の木を単なる商品にしてしまわないためには、職人的な腕が生きていなければいけない。確かに、山の木は林業家から製材業者へ、工務店から消費者へと、商品として流れていく。ところが、この流れの中に、美しく、大きく森を育てていこうとする村人の腕や、製材職人の腕、木の特性を生かしていこうとする大工の腕などが健在である間は、木と人間は一体化して、木の文化をも作りつづけることができる。木の文化は、天然のヒノキが細切れの板にされるのをかわいそうだと感じる、あの村長の気持ちに支えられてきた。そして、その気持ちを仕事の中で実現させる職人たちの腕とともにあったのである。

 物の価値をお金に換算せずに考えるほうが良いと思う。

理由一つ目。キーホルダーの例。全く同じキーホルダーをいくつも製造しお金儲けのために販売しているのと、愛を込めて一つ一つ手作りしたキーホルダーはどちらが魅力的か。保育園の園長先生が卒園式の日にプレゼントしてくれたキーホルダーがある。ある樹木の実で、磨けば磨くほどよくひかり、とても丈夫な実で作られた物だ。一人一人の未来を思い描きながら、一つ一つ磨いて手作りしてくれたそうだ。そういうものにこそ価値があると感じる。

理由2つ目。金額が高い、低いに関係なくその商品に心がこもっていることが大事だから。母が老人ホームのバザーに行った時、とても細かい刺繍の入った巾着を見つけたそうだ。ひと針ひと針、慎重に縫われているのが伝わってきて本当に一生懸命作られたものだと感じたそうだ。その作者の名前を見ると、他にもエプロンを出品していることが分かった。もう、その人の仕事の丁寧さを十分に感じていたので迷うことなく購入した。作者の丁寧な仕事に心を打たれたのであって値段なんて関係なかった。

確かに、高い物を持っていれば自慢できる。しかし、僕は商品に込められた想いこそ自慢すべきだと感じる。「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言があるように、商品にどれだけの想いがこもっているかによって買うか買わないか決めても良いと思う。