私の亀
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年月日
チャポン。
「こばん、逃げなくても大丈夫。」
私は、曇った顔で水槽の前に立っています。私の家では、こばんという名前の亀を飼っています。大きさは、十センチメートルくらいです。名前の名付け親は私です。こばんは、亀専門店で買いました。種類は、ヤエヤマイシガメです。家で、甲羅に入っている様子を見ると、まるで背中に自分の家をくっつけているような気がしました。こばんの名前の由来は、甲羅の形がお金の小判に似ているからです。もし私がこばんだったら、潜らずに甲羅に隠れていただろうなと思いました。
おばあちゃんから聞いた話です。おばあちゃんが飼っているミニチュアシュナウザーのゆめは、ケーキに目がくらんで、赤ちゃんだった私の足に噛みついたそうです。そのとき、ママはすごい剣幕で怒って、私は大声で泣いたそうです。それからしばらくの間、私はゆめに近づきませんでした。でも、四歳ぐらいのときに、仲直りして一緒に並んで写真を撮りました。私は、その写真を見て、仲良しって良いことだなと思いました。そのゆめも、今はもう十六歳です。随分長生きしているなと思います。こばんは亀で、万年生きるそうなので、もっと長生きすると思いました。
こばんは、パパが餌ケースを持って水槽の前に立つと、パパがいる方へ泳いで来ます。私は、こばんはまだ小さいけれど、パパが餌ケースを持って水槽の前に立つだけで、餌をくれると分かるらしから賢いんだなと思いました。こばんにも長生きしてほしいです。