らたよさん、作文の内容について評価させていただきます。
まず、現代医療における時間管理の問題点を深く掘り下げた点が非常に印象的です。特に、医療現場での時間の均質な扱いが患者一人ひとりの体感時間と異なることを指摘し、その影響を具体的に描写しています。これにより、読者に対して時間の多様な流れを理解するための重要な視点を提供しています。
さらに、動物や高齢者、認知症の方々の時間感覚の違いを取り上げ、現代の時間管理が持つ限界を浮き彫りにしています。この部分では、自然科学的な視点も取り入れられており、具体例を通じて説得力を増しています。
また、医療が単なる効率追求の場としてではなく、人間一人ひとりの時間の価値を尊重する場としての再定義を試みている点も評価できます。これにより、単に問題を指摘するだけでなく、解決に向けた提案も行っている点が見受けられます。
全体として、社会問題の主題がよく書けており、自然科学の実例も効果的に用いられています。これらの要素が組み合わさることで、説得力のある作文となっています。
項目評価:
-社会問題の主題がよく書けています。
-自然科学の実例がよく書けています。
内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1194字/600字
思考点:69点
知識点:95点
表現点:91点
経験点:80点
総合点:83点
均衡点:0点
■思考語彙 17種 26個 (種類率65%) 69点
n確か,n第,。しかし,。たとえば,いるから,かかわらざる,だろう,と思う,なければ,のため,の単なる,は考える,人にとって,体重によって,最中かも,異なるため,者にとって,
■知識語彙 83種 138個 (種類率60%) 95点
一定,一律,不調,予定,予約,人生,人間,代謝,以外,体感,体重,何時,健常,出来事,分野,制度,効率,動揺,動物,医師,医療,十分,単一,単位,原因,厳密,受診,問題,回診,均質,外来,多様,大切,存在,安全,定刻,対応,座標,心拍,必要,患者,情報,意味,感情,感覚,成立,手術,投薬,文明,時刻,時計,時間,最中,最善,本来,消費,無視,物事,現代,現在,現状,生命,病気,病院,症状,看護,瞬間,社会,管理,統一,若者,行動,行為,診察,診断,診療,認知,速度,進行,運営,道具,高度,高齢,
■表現語彙 139種 246個 (種類率57%) 91点
n確か,○,あり方,がち,こと,これ,ごと,さ,それ,それぞれ,ただ,たち,どこ,のため,ひとつ,もと,もの,よう,スケジュール,ゾウ,チーム,ネズミ,一,一人ひとり,一定,一律,上,不調,中,予定,予約,二,人,人生,人間,今,代謝,以外,体感,体重,何時,健常,出来事,分,分野,制度,前,力,効率,動揺,動物,化,医師,医療,十分,単一,単位,原因,厳密,受診,名,問題,回診,均質,外来,多様,大切,存在,安全,定刻,対応,師,座標,心拍,必要,性,患者,情報,意味,感じ,感情,感覚,成立,手術,投薬,数,文明,方,日,時,時刻,時計,時間,最中,最善,末,本来,流れ,消費,温か,無視,物事,現代,現在,現状,生命,異なるため,病,病気,病院,症,症状,的,目,看護,瞬間,社会,私,秒,管理,統一,者,耳,若者,行動,行為,診察,診断,診療,認知,誰,通り,速度,進行,運営,道具,間,高度,高齢,
■経験語彙 41種 61個 (種類率67%) 80点
かかわる,しまう,しれる,せる,つながる,できる,と思う,は考える,れる,傾ける,分かる,取り戻す,合う,向ける,始まる,寄り添う,当てはまる,形作る,忘れる,悩む,感じる,感じ取る,扱う,持つ,捉える,損なう,比べる,流れる,生きる,異なる,紡ぐ,終える,終わる,組む,続ける,聞く,認める,追う,進める,違う,限る,
■総合点 83点
■均衡点 0点
感じる時間の速さ
社 らたよ(ratayo)
2025年5月2日
現代社会では、時間は秒単位で管理され、どの瞬間も同じ意味を持つ均質な流れとして扱われがちだ。とくに医療の分野では、診療時間、手術予定、回診スケジュールなど、あらゆる行為が厳密な時間の座標に従って進行する。しかし、それが本当に患者や医療者にとって最善のあり方なのかは分からない。時間を、いつもどこでも同じ速さで流れるものとして、人生や行動の単なる座標と捉えることが問題である。
第一の原因は、医療制度や病院の運営が、定刻通りに物事を進めることで成立しているからだ。病院では、外来の予約は○時○分単位で組まれ、診察は限られた時間で終えなければならない。医師も看護師も、スケジュールに追われているのが現状だ。だが、患者の病気の時間はそうした一律の時計の上にはない。たとえば、同じ診断名でも、ある人は長い間症状に悩み続けた末の受診であり、ある人は突然の不調で動揺している最中かもしれない。にもかかわらず十分で終わらせる診察という時間管理のもとで対応されるのは、本来の生きた時間を無視することにつながるのではないだろうか。
第二の原因は、文明的な時間感覚以外の、異なる時間の流れの存在に目を向けなくなっているからだ。たとえば、動物ごとに時間の感じ方は異なるということを聞いたことがあるだろうか。それは、体重によって代謝速度や心拍数が異なるため、ネズミとゾウでは一日の感じ方がまったく違うということだ。これは人間にも当てはまりまる。高齢者の一日は若者の一日とは体感的に異なり、認知症の方の時間感覚も、健常者とは異なる。また、今が何時かが分からないことも多く、目の前の出来事や感情がその人にとっての現在を形作っているのだ。患者の今を大切にできる医療とは、こうした多様な時間の感覚に寄り添うことから始まると思う。
確かに、現代医療において、一定の時間管理は必要である。手術や投薬、チーム医療において時刻の統一がなければ、安全性が損なわれてしまう。しかし、それでも忘れてはならないのは、時間とは単一の座標ではなく、それぞれの生命が紡ぐ生きたものであるというように、患者一人ひとりが生きる時間は異なり、病を通して感じる時間の流れは、誰とも比べようがないものである。よって時間を、いつもどこでも同じ速さで流れるものとして、人生などを座標と捉えることが問題である。私たちが時をひとつのものとして感じ取る力を取り戻すことで、医療もまた、ただの効率や制度のためではなく、生きた人間のための行為として、より人間的で温かなものになっていくのではないだろうか。現在、高度に情報化・効率化された現代医療の中で、時はただのスケジュール管理の道具として消費されがちである。しかし、患者や医療者それぞれが持つ時の流れに耳を傾け、その多様性を認め合うことが、これからの医療に必要なのではないかと私は考える。