父親像を多角的に見つめ、自分の体験や実例をまじえて丁寧に考察できていました。思いやりのこもった視点が文章に深みを与えています。
<<え2010/19み>>
【総評】
父親の役割について「厳しさ」と「物わかりの良さ」という対照的な立場を取り上げ、それぞれの長所をしっかりと述べられていました。論理的に構成されており、自分の体験を通して主張を裏づけている点が優れています。終盤のまとめにもう少し工夫があると、主張がより強く印象づけられたでしょう。
【段落ごとの講評】
◆第1段落(序論)
「父の役割」と「友だちのような父親」への問題意識が明確に提示されています。抽象的なテーマを扱いながらも、読者に強い問題提起として伝わってきます。
◆第2段落(厳しい父親の良さ)
具体例(災害時の父親、筆者自身の父親)を挙げて説得力をもたせています。「厳しさは優しさの裏返し」という結論にきちんと収束させている点がよいです。
◆第3段落(物わかりの良い父親の良さ)
友人の父の事例と教育調査の結果を取り上げ、客観性と説得力を高めています。自身の経験も加え、読者に実感をもって訴えかけることができています。
◆第4段落(結論)
両者を肯定的にとらえつつ、「家族への愛」を最も大切なものとしてまとめています。「生きて生きたい」は「生きていきたい」に直しておきましょう。
【特に優れていた点】
構成の明確さ:「厳しい父」と「物わかりの良い父」を対比し、それぞれを具体例で裏づけている点。
自己体験の活用:自分の父親とのやり取りを交えた描写で文章に親しみが出ている。
客観的資料の引用:教育調査の引用により、主張に信頼性が加わっていました。
【考えを深めるための質問】
あなたが将来、親になったとしたら、厳しい親と物わかりの良い親、どちらに近い存在でありたいですか? また、その理由は?
■思考語彙 21種 23個 (種類率91%) 79点
nたしかに,n一方,n確か,、しかし,、むしろ,。しかし,。たとえば,いるから,からこそ,しよう,せざる,だから,だろう,と思う,と思える,ないと,に考える,子どもにとって,言うべき,話すと,頑張ろう,
■知識語彙 66種 110個 (種類率60%) 83点
一番,一緒,以上,会話,価値,信念,倒壊,全国,典型,友人,友達,否定,地震,大切,存在,安全,安心,実例,家庭,家族,対話,将来,役割,徳目,必要,応援,性格,意味,意見,感謝,抽象,携帯,教育,文化,日常,最近,本音,機会,正直,注意,注目,災害,無視,父親,現代,理念,環境,生活,相談,真剣,社会,称賛,立派,結果,統合,肯定,自分,自宅,自己,行動,誠実,調査,貴重,門限,関係,頑固,
■表現語彙 117種 207個 (種類率57%) 81点
n確か,がち,けが,こと,さ,それ,それぞれ,たち,だらし,とき,どころ,ほう,もの,もも,よう,ん,ゲーム,タイプ,ニュース,一,一番,一緒,中,人,以上,会話,使い方,価値,信念,倒壊,全国,典型,内,力,友だち,友人,友達,否定,地震,声,夢,大切,妻,姿,子,子ども,存在,安全,安心,実例,家庭,家族,対話,将来,役割,徳目,心,必要,応援,性格,悩み,意味,意見,愛,感,感謝,抽象,携帯,教育,文化,方,日常,時,最近,本音,機会,正直,注意,注目,災害,無視,父,父親,物わかり,現代,理念,環境,生活,番,的,相談,盾,真剣,社会,私,称賛,立派,結果,統合,者,肯定,自ら,自分,自宅,自己,行動,裏返し,観,話,誠実,調査,貴重,近く,門限,関係,際,頑固,
■経験語彙 38種 56個 (種類率68%) 76点
かばう,くれる,できる,と思う,と思える,に考える,られる,れる,わかる,上がる,与える,伝える,出る,分かる,唱える,報じる,守る,愛す,感じる,押しつける,掲げる,支える,曲げる,果たす,煙たがる,生きる,笑う,聞く,育つ,見直す,親しむ,話す,話せる,負う,貫く,隠れる,頑張る,驚く,
■総合点 87点
■均衡点 7点
父のかたち
中2 あえさみ(aesami)
2025年5月3日
父としての役割は、立派な父でないと果たすことができない。立派でない父が家族を統合しようとし、理念を掲げても、家族から無視されるだけである。立派な父が必要とされているのに、しかしその立派な父が育ちにくいのが現代社会である。「正直」だの「誠実」だのという抽象的な徳目を唱える父親は、子どもたちから煙たがられる。あまり立派でない、むしろだらしのないくらいの父親のほうが親しまれることになる。父でなくなった父の典型が「友だちのような父親」である。「友だちのような父親」は、じつは父ではない。父とは子どもに文化を伝える者である。伝えるとはある意味では価値観を押しつけることである。「もの分かりのいい父親」は父の役割を果たすことのできなくなった父と言うべきである。
確かに、頑固で厳しい父親は良い。父は妻や子を守る役割がある。
現代では、家庭内での父親の存在がますます見直されてきている。たとえば、災害時に家族を守った父親の姿がニュースで報じられることがある。ある地震の際、一人の父親が自宅の倒壊から子どもをかばい、自らはけがを負ったという実例がある。その行動に、全国から称賛の声が上がった。頑固で曲げない性格だからこそ、「家族を守る」という強い信念を貫いたのだろう。
また、日常生活においても、厳しさの中に家族への深い愛が隠れている。私の父もそうだ。門限に厳しく、携帯の使い方にも細かく注意してくるが、それは私の安全や将来を真剣に考えているからだと感じる。社会の中で、父親は時に「怖い存在」と思われがちだが、実は一番近くで家族を守る盾のような存在なのだ。厳しさは優しさの裏返しであり、社会や家庭を支える大切な力である。
一方、物わかりの良い友達のような父親にも、それぞれ良さがある。私の友人の父親はまさにそのタイプで、子どもの意見をよく聞き、一緒にゲームをしたり、悩みを相談したりする関係だという。私がその話を聞いたとき、「そんな父親もいるんだ」と驚いたが、子どもが本音を話せる環境はとても貴重だと思った。実際に、ある教育調査では「父親との会話が多い子どもの方が自己肯定感が高い」という結果も出ている。現代では、ただ厳しいだけでなく、対話を大切にする父親の存在が注目されているのだ。私も最近、父と将来のことを話す機会があり、自分の夢について話すと、父は否定せずに「いいじゃないか。応援するよ」と笑ってくれた。そのとき、心から安心し、もっと頑張ろうと思えた。
物わかりの良い父親は、子どもにとって心のよりどころになり、時に厳しさ以上の力を与えてくれる存在なのだ。
たしかに頑固な父親にもものわかりのよい父親にもそれぞれ良さがある。しかし1番大切なことは家族をそれぞれが愛すことだと思う。家族に感謝してこれからも生きて生きたい。