【段落ごとの講評】
●第1段落:
「美とは本来自然に備わるもの」という哲学(てつがく)的な主張を、端的(たんてき)かつ印象的に示しており、読者を一気に引き込む(ひきこむ)力があります。

●第2段落:
「日常的に自然に触れる(ふれる)こと」を具体的な行動として示し、小学生時代の豊かな自然体験を通して「ありのままの美」への気づきが丁寧(ていねい)描か(えがか)れています。葉っぱの葉脈や花の(みつ)など、細部の描写(びょうしゃ)が生き生きとしており、読者にも自然の美しさが伝わる構成になっています。

●第3段落:
「教育活動としての自然体験の重要性」に言及(げんきゅう)し、個人の努力では限界があることを論じている点が社会的な視野を感じさせます。菅平での白樺の体験は、「写真ではなく実物」という対比により、主張の説得力を高めています。「等しくすべての生徒に体験を」という表現も非常に説得的です。

●第4段落:
反対意見(相対的な美の価値)に一部理解を示しつつも、自らの主張(自然の美)をぶらさずに再主張しており、構成の完成度が高い結論になっています。「足元にある本来の美」への気づきを通じて、読後感に深みが生まれています。

【特に優れていた点】
・「美」についての抽象(ちゅうしょう)的テーマを、自分の体験や教育への提案へと具体化できている点。
・自然体験の描写(びょうしゃ)が細やかで、読み手にも実感をもって伝わってくる点。

【考えを深めるための質問】
自然の美を感じる力を育てることで、人間の心や社会にはどんなよい変化があると思いますか?例えば、争いが減る、人にやさしくなる、芸術や感性が育つなど、さらに一歩踏み込ん(ふみこん)で考えてみると、論の深みが増すでしょう。

【より字数を増やすための工夫】
・「人間が作り出す相対的な美」について、もう少し例を出してもよいでしょう。例えば、SNSに映える美、流行に左右される美、など具体例が入ると主張がより明確になります。
・第4段落で「生活に彩り(いろどり)が生まれる」とあるので、どのような「彩り(いろどり)」があるのか(心の変化、価値観の変化)まで書けると、より豊かになります。
 


■思考語彙 14種 19個 (種類率74%) 62点
 確か,、第,。例えば,》しかし,》第,いくべき,すれば,だろう,と思う,なれば,のため,側こそ,向けるべき,触れよう,

■知識語彙 54種 94個 (種類率57%) 75点
一種,上手,下校,中学,主題,人生,人間,体験,写真,勝負,友達,多様,子供,学校,学生,学習,小学校,小学生,年生,感動,教育,方法,日常,時間,普段,本来,校外,植物,構成,機会,次元,活動,生徒,生活,直接,相対,積極,範囲,綺麗,自分,自然,自転車,菅平,葉脈,表現,言葉,貴重,足元,通学,道端,長野,限定,限界,題材,

■表現語彙 111種 217個 (種類率51%) 78点
 確か,いくら,うち,こと,さ,そこら,そのもの,たくさん,たち,どれ,のため,もと,もの,よう,ハイキング,バス,一,一種,上手,下校,中,中学,主題,二,人生,人間,今,体験,側,全て,写真,勝負,友達,外,多様,好き,姿,子供,学校,学生,学習,小学校,小学生,川,年生,幹,形,彩り,感動,教育,方法,日,日常,時間,普段,木,本来,校外,植物,構成,様々,樺の木,機会,次元,沿い,活動,生き方,生まれ,生徒,生活,登,白,的,目,直接,相対,県,私,積極,範囲,綺麗,美,背,自ら,自分,自然,自転車,色,花,菅平,葉っぱ,葉脈,蜜,表現,言葉,貴重,足元,輝き,辺,通り道,通学,遊び,遊び場,道,道端,達,長野,限定,限界,頃,題材,

■経験語彙 35種 66個 (種類率53%) 71点
うばう,おる,できる,と思う,もつ,られる,れる,与える,伸びる,作り出す,出る,出会う,出来る,取る,向かう,向ける,吸う,増やす,引きちぎる,心がける,感じとる,感じる,持つ,楽しむ,気づく,潜む,生い茂る,生える,眺める,育てる,触れる,輝く,通る,違う,食べる,

■総合点 75点

■均衡点 4点
 

美しい自然
   高1 あえたき(aetaki)  2025年6月1日

 美とは本来自然に備わっているありのままの、人間に関係なく持続していくものである。しかし現在の人間は、相対的な美を基本としており、美しいか、醜いか、比較しながら美しさを見出す。そのため人間の作り出す美には煩悩が混じるのだ。結果、規制された美、個性の範囲の美、特殊な性質の美、こういった醜と対立する美でしか考えることが出来なくなり、自らに美を次元の低い範囲に限定するようになった。私は、自然の持つありのままの日に目を向けるようにしていきたい。《主題》

《構成》まず、第一の方法として、日常的に自然に触れるように心がけることだ。例えばいつもより少し植物が生えた道を通ってみたり、自分で植物を育ててみたりすることだ。今は、自転車通学のため、滅多にないが小学生の頃は小学校に向かうのに川沿いの植物や、木が生い茂っている道を通っていた。友達たちとの登下校の時間には、必ずといっていいほど、通り道が私たちの遊び場となっていた。そこら辺に生えている葉っぱを引きちぎって、どれだけ上手に葉脈だけ引きちぎることが出来るかを勝負したり、きのみを取って食べたり、道端に生えている花の蜜を吸ったりと、自然をもとにあらゆる遊びを楽しんだ。その中で、次第に植物に触れていくうちに、自然そのものにも様々な形や、色、大きさがあることを感じとっていった。時には辺な形をした、葉っぱや花に出会って自然にありのままに生えている植物の面白さに感動した。このように、日常的に自然に触れるようになれば、自ずから自然の美に気づくようになるだろう。《題材》

 《構成》第二の方法として、教育活動において校外学習などの自然に触れることのできる機会を増やしていくことだ。いくら、自分から自然に触れようと思っても日常生活には限界がある。また、外に出ることが好きではない生徒も数多くいる。その中で学校教育という等しく全ての学生に、多様な自然に触れられる機会を増やしていくことは素晴らしいことだと思う。私は中学一年生の頃に、校外学習で長野県にある菅平に行った。ハイキングに行ったり、バスの中から自然を眺めたりと、自然に触れる機会がたくさんあった。その中で私は人生初めて直接白樺の木に触れた。初めて見る白樺の木は背がすらっと伸びており、普段あまり見ることのできない白い幹に目をうばわれた。写真とはまた違って、ありのままの姿の木を見て、私はとても綺麗だなぁと思った。日常生活では感じることのできなかったことが体験でき、私の中でとても貴重な体験となった。このように、等しく全ての生徒に体験を与えることが出来るような学校側こそが、積極的に子供達が自然に触れられる機会を作り出していくべきである。《題材》

 確かに人間が相対的に作り出す美もまた、一種の美しさを持って輝いている。《表現》しかし、「本来の美とは作り出すものではなく、私たちの足元にあるものである」という言葉があるように、私たちはもう少し、ありのままで美しい輝きをもつ自然の美に目を向けるべきである。そうすれば、日常の中に潜む美しさに気づき、生活に彩りが生まれ本来の美のある形に気づくことが出来るだろう。私は、自然が持つ美に目を向けるような生き方をしていくべきだと思う。《主題》