支えあう家族
高2 とやさく(toyasaku)
2025年6月1日
「ねぇねぇ聞いて 聞いて!」
姉が家に帰ってくると、いつも言っている。そして、片付けが終わったら夕飯のときに話してくれるのが日常となっている。僕も同じく夕飯のときに今日あったことをみんなに伝えあっている。そうすると、家族の誰かがその話に関することをはなし、どんどんと話が広がっていく。そうして、僕の夕食では話が絶えず続いているのである。考えてみると、夕食では食べている時間よりもそのあとの話している時間の方が長いかもしれない。夕食の目的が食べるよりも話すことになっている自覚はあるが、しかしそれも、家族の良いところだと思う。
ある日、僕が家族と何気ない会話をしていたときのことだ。その時は祖父の話でオチが近づきクライマックスだと思ったら、
「ちな、ヨーグルト運ぶの手伝って」
と言われ、一緒に運び終わると思った矢先、祖母が
「それでいうと……」
と自分の話を始めようとしたのである。そこで母が
「ばぁば あと少しだからはなさないでぉ~」
と言いファインプレーのお陰で最後まで話を聞けたのである。そのあと、祖母の話を聞こうと思ったら、
「何話そうか忘れちゃった」
と言った。その時は笑いで収まったが、今では、話の途中、祖母が忘れないようにするため、祖母の話を渋々聞いている。
僕は夕食で、姉と授業であったことや不思議に思ったことをよく話している。例えば、レモンでつくる電池の訳や単語の英語の言い方などと様々な分野で話している。そこに良く、祖父や母、来ているときは叔母などと祖父の血を引いている(姉を除く)人は何かにしろ、茶化してくる。ある日、いつもと変わらず、姉と疑問に思ったことを話しているとき、祖父が
「ごぼうのきんぴら、食べないよ」
と言ったので、僕が姉に対し
「そういえば ごぼうって英語でなんて言うの」
と聞いた。すると、姉は長考していた。するとすかさず祖父が、自慢げにわかると言ってきたので、答えを聞いてみたら
「ファイブ ポールだよと」
純粋無垢な姉が初めて聞いたと驚いていた。僕は
「五=ファイブ 棒=ポール って意味だよ」
と伝えたら、姉が
「棒はポールじゃなくてスティックだよ」
と正論を祖父に突き止めた。このように、僕の家族の会話は姉がいることで茶々を入れられても成り立っているのだ。その時のご飯は、会話をしないときよりの10倍以上おいしかった。
家族の長所は人間にとって、一緒にいるととても楽しく、有意義な時間にすることができるものである。前述のように面白い話があると、ご飯がよりおいしくなることも分かった。僕は、家族なしではとても楽しい生活は送れていないと思う。だから、これからも楽しく、全力で支えあっていきたい。僕が家に帰り
「ただいま! ねぇねぇ聞いて聞いて」
と家中に響き渡る。