進級試験合格です。おめでとう!

<<え2005/54み>>

 家族のあたたかさと楽しさが、会話のやりとりを通じて自然に伝わってくる素晴らしい作文です。会話の使い方がとても上手です!

【総評】
 【日常の体験】【会話の描写(びょうしゃ)】【ユーモアのある表現】【主題の一貫(いっかん)性】がとてもよくできています。読んでいて登場人物の様子が目に浮かぶ(うかぶ)ようで、家族との日常が豊かに描か(えがか)れています。身近な「夕食の会話」というテーマを深めていて、最後に「ねぇねぇ聞いて聞いて」と自分が言う側に回る締め(しめ)方もとても良いです。

段落(だんらく)ごとの講評】

●第1段落(だんらく)(家族の会話の習慣)
【導入】【主題の提示】が明確です。姉が話す姿(すがた)を中心に家庭の雰囲気(ふんいき)をあたたかく描き(えがき)つつ、「夕食=会話の時間」と気づく流れが自然で良いです。

●第2段落(だんらく)(祖父母とのやりとり)
【具体的な体験】【ユーモラスな展開(てんかい)】が光っています。会話のテンポがよく、家族全員の個性がにじみ出ていて面白い場面です。「忘れ(わすれ)ちゃった」で終わる祖母の話のくだりもとても微笑ましく(ほほえましく)描け(えがけ)ています。

●第3段落(だんらく)(姉との会話と茶化し)
【対話を使った描写(びょうしゃ)】【家族の関係性の描写(びょうしゃ)】がよくできています。「ファイブポール」のくだりでは、祖父のユーモアと姉の真面目さの対比が生きていて、読者を引き込み(ひきこみ)ます。こうした会話にリアリティがあるのは、自分の体験を丁寧(ていねい)に観察している証です。
正論(せいろん)を祖父に突き止め(つきとめ)た→正論(せいろん)を祖父に突き付け(つきつけ)

●第4段落(だんらく)(まとめ)
【主題の回収(かいしゅう)】【自分の思いのまとめ】が明確です。「家族なしでは楽しい生活は送れていない」とストレートに書くことで、感謝と愛情が素直に伝わってきます。冒頭(ぼうとう)のフレーズをラストに繰り返す(くりかえす)構成も見事です。

【特に優れ(すぐれ)ていた点】

会話文を効果的に使って、家族の雰囲気(ふんいき)を生き生きと伝えている

家族の一人ひとりのキャラクターが描き(えがき)分けられている

体験と気づきが丁寧(ていねい)に書かれていて、読者をひきつける

【考えを深めるための質問】
 もし夕食のときに「家族に一つだけ質問していいよ」と言われたら、(だれ)に、どんなことを聞いてみたいですか? その理由も考えてみましょう。

 


■思考語彙 22種 30個 (種類率73%) 82点
、しかし,。だから,。例えば,。考える,あると,いうと,いえば,いると,するため,すると,たので,だから,と思う,に思う,みると,人間にとって,変わらざる,姉に対し,始めよう,聞こう,話そう,長いかも,

■知識語彙 38種 61個 (種類率62%) 63点
一緒,不思議,人間,今日,以上,会話,全力,分野,前述,単語,叔母,夕食,夕飯,家中,家族,意味,授業,日常,時間,最後,有意義,正論,無垢,生活,疑問,目的,矢先,祖母,祖父,純粋,自分,自慢,自覚,英語,途中,長所,長考,電池,

■表現語彙 85種 161個 (種類率53%) 67点
あと,いま,お陰,きん,げ,こと,ごぼう,ご飯,するため,そこ,それ,とき,ところ,ば,みんな,もの,よう,クライマックス,スティック,ファイブ,ファインプレー,ポール,ヨーグルト,レモン,一緒,不思議,五,人,人間,今,今日,以上,会話,何,倍,僕,全力,分野,前述,単語,叔母,夕食,夕飯,姉,家,家中,家族,意味,授業,方,日,日常,時,時間,最後,有意義,棒,様々,正論,母,無垢,片付け,生活,疑問,目的,矢先,祖母,祖父,笑い,答え,純粋,自分,自慢,自覚,英語,茶々,血,言い方,訳,話,誰か,途中,長所,長考,電池,

■経験語彙 42種 67個 (種類率63%) 82点
。考える,あう,くれる,しれる,ちゃう,ちる,つくる,できる,と思う,に思う,はなす,られる,れる,わかる,伝える,入れる,分かる,収まる,変わる,始める,帰る,広がる,引く,忘れる,成り立つ,手伝う,支える,渡る,突き止める,終わる,続く,聞く,聞ける,茶化す,話す,近づく,送れる,運ぶ,除く,響く,食べる,驚く,

■総合点 74点

■均衡点 1点
 

支え合う家族
   小6 とやちな(toyatina)  2025年6月1日

 「ねぇねぇ聞いて 聞いて!」

姉が家に帰ってくると、いつも言っている。そして、片付けが終わったら夕飯のときに話してくれるのが日常となっている。僕も同じく夕飯のときに今日あったことをみんなに伝えあっている。そうすると、家族の誰かがその話に関することをはなし、どんどんと話が広がっていく。そうして、僕の夕食では話が絶えず続いているのである。考えてみると、夕食では食べている時間よりもそのあとの話している時間の方が長いかもしれない。夕食の目的が食べるよりも話すことになっている自覚はあるが、しかしそれも、家族の良いところだと思う。

 ある日、僕が家族と何気ない会話をしていたときのことだ。その時は祖父の話でオチが近づきクライマックスだと思ったら、

「ちな、ヨーグルト運ぶの手伝って」

と言われ、一緒に運び終わると思った矢先、祖母が

「それでいうと……」

と自分の話を始めようとしたのである。そこで母が

「ばぁば あと少しだからはなさないでぉ~」

と言いファインプレーのお陰で最後まで話を聞けたのである。そのあと、祖母の話を聞こうと思ったら、

「何話そうか忘れちゃった」

と言った。その時は笑いで収まったが、今では、話の途中、祖母が忘れないようにするため、祖母の話を渋々聞いている。

 僕は夕食で、姉と授業であったことや不思議に思ったことをよく話している。例えば、レモンでつくる電池の訳や単語の英語の言い方などと様々な分野で話している。そこに良く、祖父や母、来ているときは叔母などと祖父の血を引いている(姉を除く)人は何かにしろ、茶化してくる。ある日、いつもと変わらず、姉と疑問に思ったことを話しているとき、祖父が

「ごぼうのきんぴら、食べないよ」

と言ったので、僕が姉に対し

「そういえば ごぼうって英語でなんて言うの」

と聞いた。すると、姉は長考していた。するとすかさず祖父が、自慢げにわかると言ってきたので、答えを聞いてみたら

「ファイブ ポールだよと」

純粋無垢な姉が初めて聞いたと驚いていた。僕は

「五=ファイブ 棒=ポール って意味だよ」

と伝えたら、姉が

「棒はポールじゃなくてスティックだよ」

と正論を祖父に突き止めた。このように、僕の家族の会話は姉がいることで茶々を入れられても成り立っているのだ。その時のご飯は、会話をしないときよりの10倍以上おいしかった。

 家族の長所は人間にとって、一緒にいるととても楽しく、有意義な時間にすることができるものである。前述のように面白い話があると、ご飯がよりおいしくなることも分かった。僕は、家族なしではとても楽しい生活は送れていないと思う。だから、これからも楽しく、全力で支えあっていきたい。僕が家に帰り

「ただいま! ねぇねぇ聞いて聞いて」

と家中に響き渡る。