地球市民として生きる
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 「国際感覚を持っている人」とは、どんな人だろうか。実際、この答えは人によってまちまちだが、共通する「最大公約数」はあるという。それはたとえば、異文化と正面から向き合い、自国のこともよく知ろうとしている人、などである。つまり、日本人は「日本」という枠組みを超えて、日本だけの国益にとらわれない観点からの発想が求められている。現代は「国際化時代」から「地球市民」としての意識を持ち、地球規模で問題を解決する「地球時代」へと移り変わりつつあるのだ。そのために私は人を国籍や人種で差別せず、全員を同じ「地球市民」として見る視点を持ちたい。

 そのための方法として第一に、外国語を勉強し、それを使ってみるということが効果的だということが私自身の海外経験からわかる。私は日本で暮らしていた時は「日本」の要素が見当たらない商品や食品に抵抗があった。そして、渡英してからも私は従来の生活様式を変えず、日本人学校へ通うことにしたため、その意識は変わらなかった。しかし、海外生活によってだんだんと英語学習に対するモチベーションに火がつき、現地の人とも活発に交流するようになると、次第に外国への抵抗感が薄れていった。実際に関わることで、イギリス人も日本人も同じ「地球人」であると気づくことができたのだ。

 第二の方法としては、他国がやっていることを真似してみるということだ。日本に対して、イギリスなどヨーロッパ諸国はリサイクル率が高い。理由は簡単で、日本ではリサイクルする際に分別するごみの種類が多く、億劫な作業だと思われがちだ。それに対してEU周辺ではごみの分別は二種類だけでとても容易である。このように、リサイクルなど世界共通の課題の解決策は、他国のアイディアでも良いと思ったら取り入れていくべきだ。

 文化も生活も違って、もしかしたら存在を知らないかもしれないのになぜ地球全体で協力する必要があるのか疑問を抱く人もいるだろう。しかし、同じ惑星に住んでいるのだから、協力し合わないと私たちの生活も脅かされる恐れがある。例えば、自分たちの国益だけを求めて大きな戦争を繰り広げたことによって核兵器や毒ガスが使われる。それが最終的に大気汚染から地球温暖化にまでつながってしまうと、結果的にすべての国が危険に脅かされることになる。「井の中の蛙大会を知らず」という言葉があるが、今はまさにそれぞれの「井の中」から顔を出して、「地球市民」としての意識を高めなければならない時代になっている。その中で私も、差別的な目線を排除して世界の人々を平等な目で見られるようになりたい。