考える力が育つ20の物語
   小5 あきよさ(akiyosa)  2025年6月2日

私が紹介する本は考える力が育つ二十の物語です。作者は元芸人で、今は「行列のできる法律相談所」などの人気番組をてがける放送作家の石原健次さんです。

この本は二十の童話を、普通とは少し違った角度から読み解く本です。私は、元々童話にあまり興味がなかったのですが、ある日図書館で「童話のちょっと違う読み解き方」という表皮に書かれた説明書きに心がひかれて読んでみました。読めば読むほど、思ってももいなかった童話の解釈が出てきて、まるで自分の知らない世界がどんどんひろがっていくようでした。

 この本には、ブルースという金色の髪をした童話探偵のブタと、シナモンというピンク色の髪をしたブルースの秘書が登場します。童話探偵とは、童話を普通とは違う角度から読み解き、現代に生かせるようにわかりやすく説明する仕事です。例えば鶴の恩返しですが、皆さんは鶴の恩返しはハッピーエンドだと思いますか?悲しい結末のお話だと思いますか?私は鶴の恩返しは悲しいお話だと思っていました。おじいさんたちは鶴に決して部屋を見てはいけないと言われたのに、好奇心に負けて部屋をのぞいてしまい、つると別れることになるからです。でもブルースは『このお話は間違いなくハッピーエンドだった。』と言います。なぜなら、おじいさんが、鶴が死なないか心配して部屋をのぞいたからこそ、鶴がやせ細って死なずにすんだからです。大切な人の幸せを心から願い、約束を破る価値があると思うならためらうべきではないのです。私は約束を破るのは絶対に悪いことだと思っていたので、ブルースの言葉に目からうろこが落ちました。

この本には、他にも三匹の子ぶたでオオカミの気持ちを考えたり、羊飼いの少年とオオカミで少年の悲しすぎる嘘の理由を考えたりします。

この本を読むと正義の反対は悪ではなく、正義の反対はもう一方の正義など、物事をいろいろな角度から考えることができます。童話に興味がない人もぜひよんでみてください。