◆【要約】は工夫をしてまとめられています。
◆成果主義の社会では、「遊び=怠惰(たいだ)」だと誤解(ごかい)される。しかし遊びの中にこそ、人間の想像力や創造(そうぞう)力が宿る。本当にそのとおりです。理科の実験でも、間違え(まちがえ)てもいいから自由に仮説が立てられる空気があるといいですね。遊びによる想像や創造(そうぞう)についても【体験実例】を紹介(しょうかい)できると、さらに個性的になり、説得力も増すでしょう。
◆一方で「真面目に努力すること」は、正しいと教えられる。確かにその通りだけれど、しかしその評価が「成果」だけに向けられてしまうと、努力の過程も最短であることを求められてしまうのでしょうね。プロセスを味わうことこそが、素晴らしい経験になるのにね。長距離(ちょうきょり)走にたとえての説明はわかりやすいです。長距離(ちょうきょり)を全速力で走るなんて、苦しすぎます。いろいろなものに興味を抱き(いだき)ながら進んだら楽しいのにね。
◆『努力と遊び、集中と余白。その両者の調和の中に、人間としての真の成長と豊かさがあるのではないだろうか』。いいバランスで進んでいきたいものです。

       <<え2019/322jみ>>


みささん、今回の作文では「一途(いっと)さ」と「遊び心」の重要性について深く考察しており、そのバランスがいかに大切かを、車のハンドルの「遊び」に例えて非常にわかりやすく説明しています。
このたとえが非常にうまく使われており、抽象(ちゅうしょう)的な概念(がいねん)を具体的かつ視覚(しかく)的に表現している点が素晴らしいです。
また、理科の実験を例に挙げた部分では、単に知識を得るだけでなく、そのプロセスを楽しむことの大切さを説いており、実際の学びの場面においても「遊び心」がどのように役立つかがよく表現されています。

文章全体を通じて、一般(いっぱん)化の主題もうまく取り入れており、「人間としての成長」という大きなテーマについても考えさせられる内容になっています。
最後に、冒頭(ぼうとう)で挙げた「遊び心」の必要性を再び強調することで、文章の結びが初めのキーワードにしっかりと繋がっており、非常に効果的な結論(けつろん)になっています。

このように、みささんの作文は内容の深さと表現の両方で非常に高いレベルにあります。
これからもこのような思考を深め、表現力を磨き(みがき)続けてください。

項目(こうもく)評価】
-たとえがうまく使われています
-一般(いっぱん)化の主題がよく書けています
-書き出しの結びがよく書けています

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1189字/600字
思考点:77点
知識点:90点
表現点:80点
経験点:83点
総合点:87点
均衡(きんこう)点:5点

 


■思考語彙 20種 28個 (種類率71%) 77点
、むしろ,、単なる,。しかし,。たとえば,。同様,。確か,「どうして,」こそ,からこそ,だろう,て考える,ないため,ないと,にこそ,は確か,みよう,を考える,取り組むから,変わると,成熟こそ,

■知識語彙 76種 113個 (種類率67%) 90点
一生懸命,一途,両者,主義,人間,他者,仮説,余白,余裕,価値,全速力,共感,創造,努力,危険,反応,周囲,困難,地道,基盤,多角,実験,強調,心身,必要,応用,思考,怠惰,想像,意味,感情,感覚,成果,成熟,成長,持続,敏感,教養,景色,本末転倒,柔軟,正解,洞察,潤滑,物事,現代,理科,疑問,疲労,発見,目的,盲目的,相手,真面目,知性,社会,立場,美徳,背景,自体,自分,自然,自由,視点,視野,誤解,調和,調整,軽減,運転,達成,適応,重要,長距離,関連,集中,

■表現語彙 116種 214個 (種類率54%) 80点
。同様,。確か,こと,さ,そこ,それ,たち,とき,ないため,は確か,まま,もの,よう,ん,アイデア,ゴール,ハンドル,バランス,プロセス,ペース,一生懸命,一途,両者,中,主義,人,人間,他者,仮説,何,余白,余裕,価値,全速力,共感,前,創造,力,努力,危険,反応,周囲,困難,地道,基盤,多角,実験,家,強調,心,心身,必要,応用,思考,怠惰,性,想像,意味,感,感情,感覚,成果,成熟,成長,持続,敏感,教養,景色,本末転倒,柔軟,楽しみ,正解,油,洞察,潤滑,物事,現代,理科,疑問,疲労,発見,的,目,目的,盲目的,相手,真,真面目,知性,社会,私,立場,美徳,背景,自ら,自体,自分,自然,自由,視点,視野,誤解,調和,調整,豊か,車,軽減,遊び,遊び心,運転,達成,適応,重要,長距離,関連,集中,

■経験語彙 43種 69個 (種類率62%) 83点
あそぶ,しまう,せる,つながる,て考える,できる,られる,れる,を考える,例える,取り入れる,取り組む,向ける,味わう,変わる,失う,宿る,得る,忘れる,思い描く,感じる,打ち込む,持つ,支える,教える,狭まる,生まれる,目指す,眺める,立つ,立てる,結びつく,続く,続ける,縛る,育む,見受ける,見失う,覚ます,走る,追い求める,通じる,高まる,

■総合点 87点

■均衡点 5点
 

一生懸命とは
   小6 みさ(misa)  2025年6月2日

 人は何かに一生懸命に取り組むことで成長し、達成感を得ることができる。しかし、その努力が盲目的な一途さに変わると、視野が狭まり、柔軟な思考が失われる危険性があるという、この「一途さ」と「遊び心」のバランスは、車のハンドルにおける「遊び」に例えることができる。ハンドルに遊びがないと、わずかなブレにも敏感に反応し、運転が困難になってしまう。同様に、人間の心にも「遊び心」が必要であり、それがあることで柔軟な思考と適応力が生まれる。また、「遊び心」は想像力とも深く関連している。想像力が豊かな人は、他者の立場に立って考えることができ、共感力が高まる。このような人は、単なる努力家ではなく、深い洞察力を持った人間へと成長していく。したがって、一生懸命に取り組むことは重要だが、それと同じくらい「遊び心」や「想像力」を育むことが、真の成長へとつながるのだ。

 特に現代のように成果主義が強調される社会においては、「遊び=怠惰」という誤解がしばしば見受けられる。しかし実際には、遊びの中にこそ、人間の想像力や創造性が宿る。遊び心を持つ人は、目的だけに縛られることなく、多角的な視点で物事を眺めることができる。たとえば、理科の実験にしても、ただ正解を追い求めるのではなく、「どうしてこうなるんだろう」と疑問を持ち、自由に仮説を立ててみる。そのような自由な思考の中から、思いがけない発見や応用のアイデアが生まれる。また、遊び心は想像力と深く結びついている。想像力とは、自分の目の前にないものを思い描く力であり、それは他者の立場に立って物事を考える力にも通じる。想像力が豊かな人は、相手の背景や感情を想像し、深い共感を持つことができる。そうした人間的な成熟こそが、真の意味での知性や教養につながるのではないだろうか。

 私たちはしばしば、「真面目に努力すること」こそが正しいと教えられる。確かに、地道な努力なくして成果は得られない。しかし、その努力が「成果」だけに向けられ、プロセスを味わう心の余裕を失ってしまっては本末転倒だ。努力を長く持続させるには、むしろそこに遊び心や想像力という潤滑油が必要なのだ。たとえば、長距離走を考えてみよう。ゴールを目指して全速力で走り続けるのではなく、ペースを調整し、周囲の景色を感じながら走ることで、走ること自体が楽しみに変わる。すると自然に集中力も続き、心身の疲労も軽減される。同じように、何かに打ち込むときにも「あそび」の感覚を取り入れることが、自分を長く支える基盤となるのである。

 一生懸命であることは確かに美徳だ。しかし、それは「目を覚ましたまま」取り組むからこそ価値がある。自らを見失わないためにこそ、遊び心を忘れてはならない。努力と遊び、集中と余白。その両者の調和の中に、人間としての真の成長と豊かさがあるのではないだろうか。