国際感覚を身に着ければ
中3 みさと(aetami)
2025年6月2日
「国際感覚」とは、単に外国語を話したり外国人と上手につきあう能力ではなく、現代社会のさまざまな問題に対して国際的な視点から考え、行動できる力のことを指す。そのためには、自分の意見を持ち、それを他人に正確に伝える力や、固定観念にとらわれない柔軟な思考、異文化と真摯に向き合う姿勢が求められる。また、他国のことだけでなく自国についても深く理解しようとする姿勢も大切である。国益中心の考え方では不十分であり、地球規模の課題に対して他国の人々と協力し、普遍的な視点で解決を目指すことが求められるようになってきている。こうした時代背景の中で、「地球市民」としての意識が重要になっており、人類全体が互いの人権や平和を尊重し合いながら共生するという理念が、これからの社会における基盤となるのである。いながら強制するという理念が、これからの社会における基盤となるのである。
私は、自国の利益だけでなく全地球的な利益を考えられる人間になりたいと思う。
そのための方法としては第一に、自分の意見をしっかりと持つことである。私は小学生のころ、学級委員などをすることが多かったからか、喧嘩や問題が起こった際に仲介役になることが多かった。そういう役になった時には、まず事実と両者の意見をよく聞くことが大切だ。それはもちろん大前提なのだが、それらを聞くだけでは話し合いは進まない。そこで私が気づいたのは、まず自分がよく考えて、解決できそうな道をいくつか見つけることだ。そういった先に出口が見える道はいくつか見えるはずだ。そこから、一番出口が近い道を見つける際に必要なのが、自分の意見であるわけだ。ただ話をまとめるだけでは情報がどんどん広がって、本来の問題が埋もれてしまう。「○○が先に発言したことが問題ならば○○が誤れば済む問題なのではないか」などと、自分の意見を求めることは、問題の本質をつかむことにつながるのである。
また、第二に、広い視野を持つことも大切である。「非暴力不服従」で有名な、インドの政治指導者・ガンディーは、イギリスの支配に対し、武力で対抗するのではなく、それよりももっと大きく偉大な視野・理想を持っていた。「イギリスを憎む」のではなく、「この先のインドのために」「未来の世界のために」「人間のために」というあまりにも大きくて輝かしい理想を掲げた活動に、イギリスは自分たちの理想の低さを感じて撤退したという風にもとらえることができるだろう。もちろん、理想を掲げるだけでは、ただの空想になり得てしまう。ガンディーの本当にすごいところは、その理想に向けて、正しい方法で行動を起こしたことなのである。
確かに、自国の利益を守ることも大事である。しかし、まずは世界全体、地球全体の利益を常に考えながら生きていくべきなのである。詩人・童話作家の宮沢賢治は「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉を遺した。全員が自分の幸せばかりを望んで行動すれば、この世界に人間がいなくなってしまう。人間というのは、「人の間」と書くように、人同士が関わり合い生きていける世界の元にあるものだと考える。また、「人」という字のように、「人と人は支えあって生きている」といわれることもある。他の動物と比べて、人間が持つ大切にすべきものといえば、「理性」「仲間」などといったものではないだろうか。
米国のトランプ大統領は、自身の誕生日に軍事パレードを開くとして、国民からのデモが起こっていた。これが自由の国と謳われた「アメリカ」なのか。まるで一人の我儘な王様による独裁ではないかとさえ思ってしまう。戦争や事故だって後を絶たない。平和を誓った日本でも、千葉では武器見本市が開催されたのだ。毎日のニュースだって平和なニュースは数少ない。これが「普通」になり替わろうとしてきている。
渦巻く世界情勢。常に何か緊張した紐が張られているような今の世界。その紐はもう切れそうになっている、いつ切れるかわからない!では私たちに何ができるというのか。何か大きな組織のトップに君臨して世界を動かすなんてことが必要なわけではない。一人ひとりが、国際感覚を身に着け、同じ方向を見据え、人と関わりあって進んでいく事が大切なのだ。