家具と現代
中2 すみひな(sumihina)
2025年6月2日
皆さんの家には100年以上使われていたり、保管されていたりするものがあるだろうか。私の家には、そのようなものは1つもないが、天然木で作られた家具がある。約40年にわたり使っているが、耐久性があり、味わいが深まっている。家具が持つ木目や手触り、そして年月を経た深みのある風合いは、使い捨ての製品があふれる現代において、長く使うことの意味を教えてくれる。本当に良いものを持つことの価値を私たちは見失ってはいけない。そのような家具を持つということは、日々の暮らしを丁寧に過ごすことにもつながる。時間をかけて育まれた家具は、使い手の生き方にも影響を与えるのだ。
私は、日本にある古いものや文化を大切にすべきだと考える。例えば、日本の伝統的な衣服である着物や和服も、古くから受け継がれてきた文化の一つであり、その良さは時代を超えて今も高く評価されている。洋服のように流行によって使えなくなるものとは異なり、着物は仕立て直しや布の再利用ができ、親から子へと受け継がれていく価値がある。こうした「古き良きもの」には、単なる実用品としての役割とともに、「気持ちが高まる」「心が明るくなる」などの精神的な価値も存在している。昔の人々の暮らしや思想、自然の知恵などが、形や素材を通じて今につながっているのだ。そうした意味でも、古いものには新しいものにない良さがある。
一方で、科学技術の発展により、かつては不可能だったことが簡単にできるようになったという側面にも注目すべきだ。AIを使った医療診断、インターネットを通じた遠隔教育など、技術は私たちの生活を大きく変え、より便利で効率的なものにしてきた。しかし同時に、私たちはその便利さの裏にある倫理や責任について考える必要がある。国際的な例として、スマートフォンや電子機器に使われるレアメタルの採掘現場では、アフリカの一部地域で児童労働や環境破壊が深刻な問題となっている。このような問題は、先進国の便利な生活が発展途上国の犠牲の上に成り立っているということを改めて考えさせられる。私たちは、ただ「できるようになったこと」をただ受け入れるだけでなく、それが誰の手によって、どのような過程で実現されたのかを知り、責任ある選択をしていかなければならないのだ。
このように、古いものには受け継ぐべき価値があり、新しいものには活用すべき可能性がある。しかし、一番大切なのは、どちらか一方を絶対とするのではなく、それぞれの良さを理解し、自分にとって本当に必要なものを見極める力を持つことである。身の回りにどのようなものを置くかは、自分がどのように生きたいかという姿勢の表れでもある。これからの時代、環境や社会の持続可能性を考える上でも、「何を手に入れるか」「どう使い続けるか」はますます重要になってくる。百年使える家具のように、時間とともに価値を深めていくものを選ぶという生き方は、私たちに多くのことを教えてくれるだろう。