<<え2004/480み>>
 古いもののよさと新しいもののよさは、ある意味で永遠の課題。
 大事なのは、それぞれのよさを主張するそれぞれの人が自由に発言できることかなあ。
 個人の問題というよりも、社会の問題として考えられる。


すみひなさんの作文は、古いものと新しいものの価値について深く考察していて、非常に興味深い内容でした。
特に、家具や着物などの具体例を挙げて、それらが持つ文化的な価値や精神的な価値を詳しく(くわしく)説明している点が素晴らしいです。
また、技術の進歩がもたらす便利さとそれに伴う(ともなう)問題点を指摘(してき)し、倫理(りんり)的な視点からも物事を考える重要性をうまく表現しています。

文章の構成もよく、古いものと新しいもののそれぞれの良さを述べた後に、どちらも絶対視せず、バランス良く取り入れるべきだという結論につなげているのは論理的で説得力があります。
複数の意見がよく書けており、総合化の主題がよく書けています。
さらに、実際の生活例や文化的背景を引き合いに出して説明しているため、読み手にとって理解しやすく、興味を持って読める内容になっています。

この作文は、具体的な例と広い視野を持って物事を考える力を示しており、非常に高いレベルの思考力が感じられます。
今後もこのような視点で物事を捉え(とらえ)、さらに多角的に考察を深めていくことができれば、より一層の洞察(どうさつ)力を身につけることができるでしょう。

項目(こうもく)評価】
-複数の意見がよく書けています。
-総合化の主題がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1239字/600字
思考点:74点
知識点:92点
表現点:87点
経験点:82点
総合点:86点
均衡(きんこう)点:3点

 


■思考語彙 19種 22個 (種類率86%) 74点
 一方,、単なる,。しかし,。例えば,か一方,すべき,だろう,と考える,なければ,について考える,べき可能,を考える,受け継ぐべき,手によって,持続可能,改めて考える,流行によって,発展により,自分にとって,

■知識語彙 78種 103個 (種類率76%) 92点
一番,一部,丁寧,不可能,伝統,価値,便利,倫理,側面,先進,児童,利用,労働,効率,医療,和服,問題,国際,地域,大切,天然,姿勢,存在,実現,実用,家具,年月,影響,役割,必要,思想,意味,技術,持続,持続可能,採掘,教育,文化,日本,時代,時間,木目,機器,注目,洋服,活用,流行,深刻,犠牲,現代,現場,理解,環境,生活,発展,着物,知恵,破壊,社会,科学,簡単,精神,素材,絶対,耐久,自分,自然,衣服,製品,診断,評価,責任,途上,過程,遠隔,選択,重要,電子,

■表現語彙 130種 210個 (種類率62%) 87点
こと,さ,それ,それぞれ,たち,どちら,べき可能,もの,よう,アフリカ,インターネット,スマート,フォン,一つ,一番,一部,丁寧,上,不可能,人々,今,伝統,何,使い手,使い捨て,例,価値,便利,倫理,側面,先進,児童,利用,力,労働,効率,医療,味わい,和服,品,問題,国,国際,地域,多く,大切,天然,姿勢,子,存在,実現,実用,家,家具,布,年,年月,形,影響,役割,心,必要,思想,性,意味,手,手触り,技術,持続,持続可能,採掘,教育,文化,日々,日本,昔,時代,時間,暮らし,木,木目,機器,気持ち,注目,洋服,活用,流行,深み,深刻,犠牲,現代,現場,理解,環境,生き方,生活,発展,百,的,着物,知恵,破壊,社会,私,科学,簡単,精神,素材,絶対,耐久,自分,自然,衣服,表れ,裏,製品,親,診断,評価,誰,責任,身の回り,途上,過程,遠隔,選択,重要,電子,風合い,1つ,

■経験語彙 42種 63個 (種類率67%) 82点
あふれる,いける,かける,くれる,させる,つながる,できる,と考える,について考える,られる,れる,を考える,与える,仕立てる,作る,使う,使える,入れる,受け入れる,受け継ぐ,変える,成り立つ,持つ,改めて考える,教える,深まる,深める,生きる,異なる,直す,知る,経る,続ける,置く,育む,見失う,見極める,超える,通じる,過ごす,選ぶ,高まる,

■総合点 86点

■均衡点 3点
 

家具と現代
   中2 すみひな(sumihina)  2025年6月2日

皆さんの家には100年以上使われていたり、保管されていたりするものがあるだろうか。私の家には、そのようなものは1つもないが、天然木で作られた家具がある。約40年にわたり使っているが、耐久性があり、味わいが深まっている。家具が持つ木目や手触り、そして年月を経た深みのある風合いは、使い捨ての製品があふれる現代において、長く使うことの意味を教えてくれる。本当に良いものを持つことの価値を私たちは見失ってはいけない。そのような家具を持つということは、日々の暮らしを丁寧に過ごすことにもつながる。時間をかけて育まれた家具は、使い手の生き方にも影響を与えるのだ。

 私は、日本にある古いものや文化を大切にすべきだと考える。例えば、日本の伝統的な衣服である着物や和服も、古くから受け継がれてきた文化の一つであり、その良さは時代を超えて今も高く評価されている。洋服のように流行によって使えなくなるものとは異なり、着物は仕立て直しや布の再利用ができ、親から子へと受け継がれていく価値がある。こうした「古き良きもの」には、単なる実用品としての役割とともに、「気持ちが高まる」「心が明るくなる」などの精神的な価値も存在している。昔の人々の暮らしや思想、自然の知恵などが、形や素材を通じて今につながっているのだ。そうした意味でも、古いものには新しいものにない良さがある。

 一方で、科学技術の発展により、かつては不可能だったことが簡単にできるようになったという側面にも注目すべきだ。AIを使った医療診断、インターネットを通じた遠隔教育など、技術は私たちの生活を大きく変え、より便利で効率的なものにしてきた。しかし同時に、私たちはその便利さの裏にある倫理や責任について考える必要がある。国際的な例として、スマートフォンや電子機器に使われるレアメタルの採掘現場では、アフリカの一部地域で児童労働や環境破壊が深刻な問題となっている。このような問題は、先進国の便利な生活が発展途上国の犠牲の上に成り立っているということを改めて考えさせられる。私たちは、ただ「できるようになったこと」をただ受け入れるだけでなく、それが誰の手によって、どのような過程で実現されたのかを知り、責任ある選択をしていかなければならないのだ。

 

このように、古いものには受け継ぐべき価値があり、新しいものには活用すべき可能性がある。しかし、一番大切なのは、どちらか一方を絶対とするのではなく、それぞれの良さを理解し、自分にとって本当に必要なものを見極める力を持つことである。身の回りにどのようなものを置くかは、自分がどのように生きたいかという姿勢の表れでもある。これからの時代、環境や社会の持続可能性を考える上でも、「何を手に入れるか」「どう使い続けるか」はますます重要になってくる。百年使える家具のように、時間とともに価値を深めていくものを選ぶという生き方は、私たちに多くのことを教えてくれるだろう。