◆〔要約〕は、不要な言葉をカットするなどして300字以内に収めるとさらに良くなります。 【当為(とうい)の主題】は『外国の技術・文化を取り入れるときは、自国の文化に合わせて消化していくべきである』という意見。
◆【複数の方法一】『上っ面だけの模倣(もほう)をしないことだ』。ビゴーの風刺(ふうし)画は、上っ面の西洋風を見抜い(みぬい)ていますね。日本人は、新しい文化に飢え(うえ)ていたし、西洋に負けじともしていたのでしょう。後に上っ面は剥げ(はげ)て、日本式と折り合いのつくものが残ったといえそうです。
◆【複数の方法二】『日本の文化の良さを再発見することだ』。明治の開国や昭和の敗戦を経て、日本人は自信を持てなくなっていたのかもしれません。しかし、日本独自の良さは、本当は最も日本人が知らなくてはいけないことですね。
◆『確かに、進んだもの・良いものを取り入れる柔軟(じゅうなん)性は大切である』。しかし『私たちはもっと日本の文化を理解して、その土台の上に外国のものを取り入れるべきである』。良いものは取り入れて、日本文化を自信をもって発展させたいものです。

       <<え2016/425pみ>>


あおにまさんの作文は、科学技術と文化の関係について深く掘り下げ(ほりさげ)た内容で、非常に興味深い点が多く見られました。
特に、ヨーロッパと日本の科学技術と文化の違い(ちがい)を多角的に考察している点が印象的です。
文化的な普遍(ふへん)性と地域性を融合(ゆうごう)させることの重要性を、具体的な歴史的背景と絡め(からめ)て説明しているため、論点が明確で理解しやすいです。

また、自国文化の再評価という観点から、外国の技術や文化を取り入れる際の方法論についても触れ(ふれ)ており、その部分は非常に具体的で実践(じっせん)的です。
方法がよく書けており、読者に対して具体的な行動指針を示すことができています。
当為(とうい)の主題もしっかりと述べられており、作文全体が説得力を持っています。

全体を通して、あおにまさんの洞察(どうさつ)力と表現力が光る作文でした。
今後もこのような深い思考を持って、さまざまなテーマに挑戦(ちょうせん)していただきたいと思います。

項目(こうもく)評価:
-方法がよく書けています。
-当為(とうい)の主題がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1145字/600字
思考点:85点
知識点:88点
表現点:84点
経験点:74点
総合点:88点
均衡(きんこう)点:5点

 


■思考語彙 23種 27個 (種類率85%) 85点
 確か, 第,、いわば,。しかし,。もちろん,。例えば,。確か,いくべき,そのため,それゆえ,と思う,と考える,ないから,なので,によって可能,に考える,は多分,みよう,もいえ,取り入れるべき,技術によって,珍しいから,経つと,

■知識語彙 73種 126個 (種類率58%) 88点
世界,中心,中身,他者,併存,便利,内部,出自,制約,創造,十分,危機,同一,同心円,吸収,土台,地域,地球,基本,外国,外見,大切,大半,対立,差異,形成,思想家,意識,批判,技術,文化,文明,方法,日本,日本人,明治,普遍,景色,最近,有名,期間,柔軟,根本,構造,模倣,機会,欧米,民族,消化,牧歌,理解,環境,生活,発展,発見,科学,簡単,精神,経済,経験,習慣,自国,自己,自発,表明,複合,西欧,西洋,近代,都市,重視,開国,風刺,

■表現語彙 124種 217個 (種類率57%) 84点
 確か,。確か,いろいろ,うち,お金,こと,これ,さ,そのため,そのもの,それ,それゆえ,たち,とき,どこ,によって可能,まま,もの,よう,アイデンティティ,エポック,スーツ,ドレス,ビゴー,ヨーロッパ,一,上,上っ面,世界,中,中心,中身,二,二つ,人,人々,今,他者,併存,便利,僕,内部,出自,制約,前,創造,十分,危機,同一,同心円,吸収,土台,地域,地球,基本,外国,外見,大切,大半,対立,展,差異,形成,思想家,性,意識,批判,技術,文化,文明,方,方法,日本,日本人,明治,昔,普遍,景色,最近,有名,期間,柔軟,根本,構造,模倣,機会,欧米,民族,消化,牧歌,猿,理解,環境,生活,画,発展,発見,的,私,科学,簡単,精神,経済,経験,習慣,自ら,自国,自己,自発,表明,複合,西欧,西洋,豊か,質,近代,違い,都市,重視,鏡,開国,頃,顔,風刺,

■経験語彙 37種 45個 (種類率82%) 74点
しまう,できる,とどまる,と思う,と考える,なす,に考える,もいえ,られる,れる,住む,使いこなす,使う,優れる,入る,写る,出る,取り入れる,合う,合わせる,含む,始める,広がる,感じる,憧れる,戻る,抜け出る,生まれる,着る,経つ,脅かす,表す,見える,触れる,越える,踊る,進む,

■総合点 88点

■均衡点 5点
 

科学技術は地域や民族の(感)
   高1 あおにま(aonima)  2025年6月2日

科学技術は地域や民族の差異を越え、それゆえにヨーロッパに生まれたという出自の制約を抜け出て、全地球に広がった。ヨーロッパにおいては、科学技術の硬い普遍性と文化の柔らかい普遍性とは根本的には対立することなく、いわば同心円をなしたのである。それは科学技術が自らの精神の自発自展だったということと同じである。もちろん科学技術によって可能となった牧歌的「文明」が、「文化」の精神性を脅かすという危機意識は、いろいろな思想家において表明された。しかし、それは、ヨーロッパ精神の内部での危機意識にとどまっていたのである。それはどこまでも「自己」批判であり、その自己のうちに非ヨーロッパ世界という「他者」を含むことはなかった。併存しつつ、同一のエポックを形成したのである。その多中心的な複合構造が、自己同一性を基本とするヨーロッパ近代と日本近代の構造上の違いだともいえる。外国の技術・文化を取り入れるときは、自国の文化に合わせて消化していくべきである。そのために考えられる方法は二つある。

 第一の方法として、上っ面だけの模倣をしないことだ。日本人は昔から外国、特に欧米の方から入ってきた習慣やものに憧れてきた。そのものなどに憧れて実際に使ってみようとするが、日本人に合わないものが大半なので元々の生活に戻ってしまうことが多い。なぜなら、それは上っ面だけしか模倣をしていないから。外見だけ使いこなしているように見えても、中までは使いこなしていない。例えば昔有名だった風刺画では、日本人が西洋から取り入れたスーツやドレスを着て大きな鏡の前で踊っているが、写っているのは猿の顔だった。これは多分ビゴーは、日本人が西洋の文化を取り入れて十分なお金があるが、中身はまだ昔のままということを表していると思う。

 第二の方法としては、日本の文化の良さを再発見することだ。確かに明治の開国から日本は進んだ西欧の文明を吸収することで発展してきた。しかし、経済がある程度豊かになった今、人々は生活の質、都市や地域の環境、自らのアイデンティティと創造性といったものを重視するようになってきた。また、最近外国へ行くことがより便利、簡単になった。日本人は外国での文化や景色がとても珍しくて、日本の文化より外国の文化の方が素晴らしいと考える人が多く出てきた。しかし、それは外国の文化に触れる機会が少なく、珍しいからだ。僕の経験上、外国に住み始めた頃は外国の方が日本よりも優れていると感じていたが、ある程度期間が経つと、日本の文化の良さを感じることができる。

 確かに、進んだもの・良いものを取り入れる柔軟性は大切である。しかし、私たちはもっと日本の文化を理解して、その土台の上に外国のものを取り入れるべきである。