全体の利益の重み
   中3 あうさの(ausano)  2025年6月2日

 国際感覚という言葉は、国際化という言葉がそうであるように、その捉え方が人によってまちまちだ。日本人は日本という国の枠を考える。しかし、現代では国益さえ守れればそれで良い、という時代ではなくなって来ている。国際感覚だけでなく、より広い、地球市民としての意識が要請されるようになってきた。地球市民であるということは、最も普遍的な定義だと言えるかもしれない。

私は、自国の利益だけではなく全地球的な利益を考えられる人間になりたい。

 そのための方法としては第一に「先を見通す」ことだ。

剣道の団体戦では、基本5人対5人で戦う。自分のチームが後何本取れば勝利できるのか、相手チームに何本取られたら負けなのかなどを考えて戦うことで作戦が変わってくる。私のチームは3人しかいない。団体戦は最低でも3人必要になるので、ギリギリ出られる人数である。しかし、もし相手チームが5人揃っていた場合、2人足りないから向こうに4本取られてしまったことになる。つまり、4本は取らないと負けてしまうのだ。この間も、よく練習を共にするライバルチームと戦った。相手のチームは補欠が出るほど多いので、もちろん5人揃っている。私たちは4本以上取らなければ負けてしまう。1人目が引き分けで私の番が来て、私も一本も取らずに引き分けてしまった。1人が取れる本数は最大で2本である。だから私たちのチームの負けが確定してしまったのだ。この時に先生からもらった言葉が「先を見通す」ということだった。

「スコアをいつ何時でも頭に入れておくと、自分がどのような闘い方をしなければならないのかがわかる。だから、自分のチームの状況を知って、先を見通して試合をしてもっと余裕のある試合にしてほしい。」

このことを聞いて私も先を見通すことで周りを支えていきたいと思った。

 第二の方法としては「自分軸を持つこと」だ。

スウェーデンの環境活動家「グレタ・トゥーンベリ」という方がいる。15歳の時たった1人で学校ストライキを始めた。彼女は、地球温暖化や気候変動が自分たちの将来にどれだけ深刻な影響を与えるかに危機感を抱いた。そして「大人たちが何も行動しないなら、自分が行動する」と決め、スウェーデン議会の前に座り込んで、気候変動対策を訴えた。グレタの訴えはスウェーデン国内だけでなく、世界中の若者を動かし、「Fridays for Future(未来のための金曜日)」という運動に広がった。2019年の国連気候行動サミットでは、各国の指導者たちの前で強いメッセージを発信した。「あなたたちは私の夢と子ども時代を奪った。でも私はまだラッキーな方です。」この方はTIノーベル平和賞に数回ノミネートされ、世界中で数百万人の若者が気候デモに参加するきっかけをつく流というような、世界中に影響を及ぼした一人だ。グレタ・トゥーンベリは、自分の信じる正義を貫く姿勢によって、自国の利益にとらわれず、地球全体の未来を考える行動をとった。たった一人の勇気が、世界中を動かす力になることを教えてくれた。

 確かに、全体の利益ばっかり見てしまい、自分の利益を守ることができないのはよくないだろう。しかし、「全体の利益は部分の利益に勝る。」という名言があるように、全体の利益を考えていくことを続けていきたい。きっと、全体の利益を考えることで自分の努力も報われるだろう。自分の利益だけならず、全体の利益にも注目してみると、また新たな考え方が出てくるかもしれない。