<<え2017/332pみ>>
 第一段落の説明は、具体的かつ簡潔でわかりやすい。
 電子レンジや数学の証明問題や長篠の戦いのように、(だれ)でも納得できる例が豊富。
 総合化は、更に(さらに)いろいろな意見が考えられる。
 これは、模範(もはん)的な作文。

すみひなさん、作文の提出ありがとうございます。この作文では、直感と論理的思考の重要性について非常に興味深い視点から考察されていますね。特に、科学的発見が偶然(ぐうぜん)から生まれることが多いという事例を挙げながら、直感の価値を強調している点が印象的です。

ペニシリンの発見や電子レンジの誕生といった具体的な例を引用しており、読者が理解しやすいように工夫されています。これにより、科学と直感の関連性が明確に示されており、説得力を持たせています。また、数学や歴史における論理的思考の必要性を挙げることで、バランス良く両方の思考方式の重要性を表現しています。

最後に、直感と論理を対立させるのではなく、互いに(たがいに)補完しながら使い分けることの大切さを述べることで、総合化の主題がよく書けています。これは読者にとって非常に有益な洞察(どうさつ)であり、思考の柔軟(じゅうなん)性を養う上で役立つでしょう。

全体として、論理的にも整然とした構成で、多角的な視点から問題を分析(ぶんせき)する能力が感じられる素晴らしい作文です。引き続き、さまざまな角度から物事を考える訓練を積んでください。

###項目(こうもく)評価
-複数の意見がよく書けています。
-総合化の主題がよく書けています。
-昔話の実例がよく書けています。

内容★ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1230字/600字
思考点:85点
知識点:83点
表現点:84点
経験点:83点
総合点:93点
均衡(きんこう)点:9点

 


■思考語彙 23種 36個 (種類率64%) 85点
 しかし, 確か,。しかし,。例えば,「なぜ,あるらしい,が可能,しまうと,するため,たかも,だろう,てこそ,と思う,と考える,なければ,なるはず,は思う,を考える,発見に対して,等しいから,覚えよう,限らざる,Bだから,

■知識語彙 66種 109個 (種類率61%) 83点
一番,世界,代表,便利,信長,偶然,優先,共有,判断,創造,加熱,効率,医療,反対,周囲,問題,培養,場面,大事,大人,大切,姿勢,実験,家電,対立,必要,思考,意識,感覚,慎重,手段,手順,放置,数学,文章,方法,最初,最適,柔軟,歴史,死滅,活躍,現実,理由,発想,発見,直感,石橋,科学,結果,織田,自由,装置,解決,言葉,証明,誕生,説明,論理,道具,鉄砲,長篠,電子,順番,風潮,食品,

■表現語彙 124種 210個 (種類率59%) 84点
 確か,あいだ,が可能,きっかけ,こと,これ,ごと,さ,するため,それ,それぞれ,たち,つまり,ところ,どちら,どれ,なるはず,ほか,もの,よう,わけ,アレクサンダー,チョコレート,データ,ペニシリン,マイクロ,レンジ,レーダー,一つ,一番,上,世界,中,二つ,人,今,他,代表,何,例,便利,信長,偶然,優先,共有,列,判断,創造,力,加熱,効率,医療,反対,周囲,問題,培養,場面,多く,大事,大人,大切,姿勢,実験,家電,対立,式,必要,思いつき,思考,意識,感覚,慎重,戦い,手段,手順,放置,数学,敵,文章,方法,書き方,最初,最適,柔軟,歴史,死滅,波,活躍,物,現実,理由,界,発想,発見,的,皿,直感,石橋,私,科学,答え,結果,織田,考え,自由,菌,行き来,装置,解決,言葉,証明,誕生,説明,論理,道,道具,鉄砲,長篠,隊,際,電子,順番,風潮,食品,

■経験語彙 43種 59個 (種類率73%) 83点
いける,しまう,しれる,せる,できる,と思う,と考える,なれる,は思う,ひらめく,やる,られる,れる,を考える,伝わる,使い分ける,使う,使える,倒す,出す,切り開く,動ける,叩く,基づく,思い切る,挙げる,書く,欠く,気づく,決まる,決める,渡る,溶ける,生む,知る,積み重ねる,立てる,組み合わせる,考え抜く,裏付ける,見つける,覚える,限る,

■総合点 93点

■均衡点 9点
 

科学の発想
   中2 すみひな(sumihina)  2025年6月3日

 皆さんは説明文を読んだことはあるだろうか。本を書いている人はたいてい、論理立てて文章を書いている。「AがBだから、Ⅽということになる。つまりⅮだ。」のような考えに考え抜いて出した結果だと思わせられるが、本当は実験のきっかけなどというものは、思いつきでやったものなのだ。科学界には、「論理優先」の風潮があるらしい。しかし、今も医療の世界で活躍しているほとんどのものはどれも、偶然見つけられたものが多い。例えば、ペニシリンはアレクサンダーが培養皿を放置していたところ、ペニシリウムの周囲の菌が死滅していたことで発見された。科学的な発見には、論理的な思考だけでなく、「発想」の力も必要だと私は思う。

  直感に基づく発想が道を切り開くことは、科学に限らず、歴史上多くの場面で見られる。例えば、電子レンジは、パーシー・スペンサーがレーダー装置の実験をしている際に、チョコレートが溶けていたことに気づき、「加熱に使えるのではないか」と思ったことがきっかけだった。最初から「マイクロ波で食品を加熱する方法」を考えていたわけではない。偶然の発見に対して「なぜだろう?」と考える直感的な発想力がなければ、私たちが使っている便利な家電は誕生しなかったかもしれない。「石橋を叩いて渡る」ように慎重さも大事だが、時には思い切ることも必要だと私は思う。

 しかし、直感だけで物ごとを決めてしまうと、他の人にあまり伝わらないことがある。例えば、数学では「なんとなくこうなるはずだ」と思っても、それでは答えにならない。正しい式や言葉を使って、考えを一つ一つ積み重ねていく必要がある。特に証明問題では、「Aが等しいからBも等しくなる」というように、理由を順番に説明しなければいけない。私も最初は「これはこういうもの」と感覚で覚えようとしていたが、決まった書き方で答えを出さなければいけないと知り、手順を意識するようになった。また、歴史の中での例として長篠の戦いが挙げられる。織田信長が、鉄砲隊を3列に組み合わせて効率的に敵を倒す方法を発見したことは、論理的な思考を代表していると思う。現実的に判断するには、論理的思考が欠かせないのだ。

 確かに、直感にも論理的思考にもそれぞれの良さがある。直感は創造を生む力であり、論理はそれを裏付けてほかの人と共有するための手段として、最適な方法だと思う。だが、一番大切なのは、この二つを対立するものと考えるのではなく、「どちらも大切にしながら柔軟に使い分ける」人間らしい思考の姿勢である。実験をして、答えをひらめいていても、それを「科学的」に説明するにはデータという論理的に説明するための道具が必要だ。このように、発想と論理のあいだを自由に行き来できる柔軟さがあってこそ、科学的思考や問題解決が可能になるのだろう。もし、これから私が、何かに反対されることがあってもひらめきで動ける大人になれたらいいなと思う。