余裕があることで(清)
   小6 あえさた(aesata)  2025年6月4日

 物事を一生懸命やることは本当に大切なことだ。ただ、血走らせ、ムキになった、むきだしの表情を、私は好まない。「一心不乱」はすばらしいのだが、「盲目的ないちず」が困るのだ。想像力は心に必要な遊びだ。心が本来の自由な姿に戻れば、人間の想像力が働き出す。この想像力の遊びもまた、心にとって栄養となる。想像は創造につながる。創造がさらに深まれば、「思いやり」となって、人間関係を創造するのだ。

 僕は何事も余裕を持つことは大切なことだと思う。なぜなら、心や時間に余裕があると落ち着いて行動できるし、失敗も少なくなるからだ。僕自身、余裕がなくてうまくいかなかった経験があるし、一方で余裕があったことで成功したこともある。

 僕が強くそう思ったのは、小学校の運動会のリレーでのことだ。小学校の運動会のリレーで、僕はバトンの受け渡しに不安を持っていた。前日に練習しようと思っていたのに、つい寝てしまった。すると本番でタイミングがずれて、バトンを落としかけてしまった。なんとか渡したけれど、その一瞬でスピードが落ち、僕たちのチームは負けてしまった。あのとき、ちゃんと余裕をもって準備していれば、落ち着いてできただろうと思うと悔しい気持ちで一杯になる。

 一方で、余裕を持って準備したことで、うまくいったこともある。一年生向けの音読劇で、僕はセリフの多い役をまかされた。最初は不安だったが、少しずつセリフを覚えていくうちに自信がわいてきた。本番では、胸が高鳴りながらも、自分のセリフをしっかりと届けられたとき、少し成長できた気がした。やはり「余裕」は力になるのだと実感した。

 さらに、ある母との出来事でも、それを強く感じた。家族で出かける準備中、僕は帽子が見つからずあわてていた。けれど母は、出発の三十分前にはすでに身支度を終えていて、落ち着いた様子で一緒に探してくれた。もし母に余裕がなかったら、僕は怒られたり、もっと焦ってしまったかもしれない。余裕がある人は、自分のことだけでなく、まわりの人にもやさしくなれる。それが、母の姿から学んだ大きな気づきだった。調べてみると、テストでも「計画的に準備をした人は、前日にあわてて勉強した人よりも、平均で10点以上成績が高い」というデータがあるそうだ。

 また、余裕は、失敗を防ぐだけではなく、人との関係をよりよくする力でもあると僕は思う。時間に追われていると、まわりに気を配ることは難しくなる。でも、気持ちに余裕があると、自分の行動をふり返ったり、人の気持ちに気づいたりできるようになる。これは、学校だけでなく、将来社会に出たときにもきっと役立つ力だ。

 人間にとって余裕とは、自信を生み出すゆとりだと思う。だから僕はこれから、何事にも余裕をもって取り組み、周りの人に思いやりを持てる人になりたい。「備えあれば憂いなし」ということわざがあるように、ふだんからしっかり準備しておくことで、心に余裕が生まれ、どんなときでも落ち着いて行動できるようになるのだと思う。