<<主題>>この作文では、専門化が進む現代社会において、専門家としての知識だけではなく、広い視野と教養の重要性を説いています。

生専門家が持つ限定的な知識のみに依存(いぞん)することのリスクを指摘(してき)し、非専門家が持つ「常識」や一般(いっぱん)教養の価値を明確に述べています。

<<主題>>この点で、常識と教養の概念(がいねん)をうまく用いて、その重要性を説明することができています。

<<構成>>第一の方法、根拠(こんきょ)自己体験実例
具体的な方法を提案しており、異なる分野に目を向けることの具体例として、自身の体験を引用しています。
この体験実例は、理論だけでなく実生活での適用可能性を示しており、説得力を増しています。

<<表現>>名言の引用
さらに、名言を引用し、学びの目的について考えさせる点も見事です。
名言を通じて、学びの本質を一層深く伝えているため、名言がよく書けています。

<<主題>>生き方の主題
生き方に関しても、専門知識に囚われ(とらわれ)ず、広い教養を持つことで多様な価値観とつながり、深く世界を理解する人間になりたいという意志が明確に表現されています。
この生き方の主題は、作文全体の流れとも一致(いっち)しており、非常に良く書けています。

項目(こうもく)評価:
-方法がよく書けています。
-体験実例がよく書けています。
-名言がよく書けています。
-生き方の主題がよく書けています。

内容★ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1246字/600字
思考点:92点
知識点:94点
表現点:88点
経験点:88点
総合点:97点
均衡(きんこう)点:7点

 


■思考語彙 26種 29個 (種類率90%) 92点
n確か,、すなわち,、必ずしも,、第,。しかし,。たとえば,。だからこそ,。一方,「なぜ,せざる,そのため,それによって,ただ一方,だろう,とどまらざる,とらわれざる,と思う,なるため,に思う,は第,は考える,力こそ,時代によって,次ぐ確か,知識によって,社会によって,

■知識語彙 82種 136個 (種類率60%) 94点
一般,世代,世界,主体,事柄,人間,今後,以前,以外,体験,余裕,価値,共通,出来事,分別,分野,勉強,危険,友達,名言,固執,基盤,多様,多角,大切,大衆,学校,専念,専門,小説,展開,常識,形成,得意,必要,思慮,意見,技術,教育,教養,文系,方法,時代,普段,本当,柔軟,歴史,活動,活用,無知,無駄,状況,現代,理系,理解,生徒,発想,目的,相手,知恵,知識,社会,科目,精確,素人,経験,自分,自由,自身,興味,見方,見解,視点,言論,貢献,辞書,追求,通俗,過去,重要,関心,高齢,

■表現語彙 132種 238個 (種類率55%) 88点
n確か,こと,さ,そのため,それ,たち,つながり,ところ,どころ,なるため,もの,よう,ジャンル,バカ,ボランティア,一,一つ,一般,世代,世界,中,主体,事柄,二,人,人々,人間,今後,以前,以外,体験,余裕,価値,個,共通,出来事,分別,分野,力,勉強,化,危険,友達,名言,問い,固執,基盤,場,塀,外,多様,多角,大切,大衆,好き,学校,家,専念,専門,小説,展開,常識,強み,形成,得意,必要,思慮,性,意見,技術,教育,教養,文系,方々,方法,時代,普段,本,本当,枠,柔軟,様々,次ぐ確か,歴史,活動,活用,無知,無駄,状況,現代,理系,理解,生徒,発想,的,目,目的,相手,知恵,知識,社会,私,科目,積み重ね,精確,素人,経験,考え方,者,耳,自分,自由,自身,興味,見方,見解,視点,観,言論,話,談,貢献,身,辞書,追求,通俗,過去,重要,門,関心,際,高齢,

■経験語彙 46種 71個 (種類率65%) 88点
いける,くれる,す,せる,つける,つながる,できる,とどまる,とらわれる,と思う,に思う,は考える,もつ,られる,れる,伴う,使える,傾ける,出会う,勧める,取る,向ける,変わる,孕む,学ぶ,広げる,得る,応じる,感じる,拠る,持つ,挙げる,次ぐ,気づく,求める,活かる,異なる,聞く,蓄える,行う,触れる,詰め込む,語る,読む,論じる,選ぶ,

■総合点 97点

■均衡点 7点
 

幅広い教育
   中3 あえとく(aetoku)  2025年6月3日

 現代は専門家たちの時代であり、学術や企業活動の場で専門化が進んでいない。しかし同時に、「専門バカ」たちの時代となる危険性も孕んでいる。専門家は塀の中のことは詳しくても、塀の外のことには無知であり、外の世界に目を向ける余裕もない。一方で、自分の専門外の事柄についても理解し、思慮分別ある言論を展開できる人たちがいる。そのような言論の基盤は、専門的な知識や技術ではなく、常識や一般的教養にある。常識とは「エンドクサ」、すなわち人々に共通な見解であり、非専門家が論じる際の拠りどころだ。また、専門家が大衆を相手に語る際にも、常識を通じてでなければ理解されない。常識は時代や社会によって異なり、必ずしも精確ではないが、通俗化された専門知識によって形成される常識は、知識に次ぐ確かさをもつ。そして、より知恵を伴う言論の基盤となるのが教養であり、それは専門家になるためではなく、一個の素人としての自由人にふさわしいものとして学ばれるのである。

そのための方法としては第一に、得意な分野、好きな分野以外のことや、一見無駄に思われるようなことにも目を向けることである。たとえば、普段は関心のないジャンルの本を読んでみることが挙げられる。私は以前、理系科目ばかり勉強していたが、友達に勧められて歴史小説を読んでみたところ、過去の出来事と現代社会のつながりに興味を持つようになり、世界の見方が大きく変わった。また、異なる価値観を持つ人の話に耳を傾けることも大切である。たとえば、ボランティア活動で出会った高齢者の方々の体験談を聞く中で、世代や時代によって考え方が大きく異なることに気づかされ、自分の意見に固執せず、多様な視点を持つことの重要性を感じた。そうした経験の積み重ねが、柔軟な発想力や多角的なものの見方につながっていくのだと思う。

また、第二の方法としては、学校などでも知識をただ一方的に詰め込むだけの教育ではなく、生徒自身が「なぜ学ぶのか」「どう活かせるのか」といった問いを持ちながら、主体的に学んでいけるような教育を行うことである。そのためには、理系・文系といった枠にとらわれず、多様な分野に触れ、幅広い教養を身につけることが求められる。

確かに、一つのことに専念し、深く追求していくことも大切である。それによって得られる専門性は、社会の中で自分の強みとなり、貢献できる場を広げてくれるだろう。しかし、『辞書のような人間になることではなく、辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である』という名言があるように、知識をただ蓄えることが目的ではない。必要な知識を状況に応じて選び取り、活用できる力こそが本当の「教養」なのだと私は考える。だからこそ私は、今後も自分の専門だけにとどまらず、様々な分野に興味を持ち、自分の世界を少しずつ広げていきたい。そして、幅広い教養を身につけることで、多様な人々や価値観とつながり、より深く世界を理解できるような人間になりたいと思っている。