遠くへ旅する鳥を読んで
   小3 あけいと(akeito)  2025年6月3日

 この話を読んで僕が一番面白いと感じたところは、旅に出る鳥と出ない鳥がいることだ。以前、「アザラシのアニュー」という絵本を読んだ時、タテゴトアザラシは出産のために冬の終わりに北極海から2500キロメートルも長い距離を泳ぎ、カナダのマドレーヌ諸島やニューファンドランド島などにやって来て、赤ちゃんを2週間ほど育てるということを知った。そして、母親は出産から2週間後、先に北極海に戻り、子供もその2週間後には北極海に向けて旅立つという事を知り、アザラシは旅をする動物なのだという事を知った。また、夕食で鮭を食べている時、母が「鮭は川で生まれて海で育ち、また出産のために川に戻ってくる魚だ」ということを教えてくれたことがあり、魚も旅をする生き物だという事を知っていたので、鳥も旅する生き物だと知り、面白いと感じた。

 僕は旅をする生き物に魅力を感じる。なぜなら、色々な場所に行けて楽しそうだからだ。実は僕も今まで色々な場所で暮らしてきた。栃木で生まれ、6ヶ月後には三重に引っ越した。そして3年後には茨城に行き、そこから半年で栃木に戻り、そのまた1年後には神奈川にようやく自分の家が出来、ずっとここで暮らしていくと思っていたのに、なぜか僕は今フィリピンにいる。僕はたくさん引っ越しをして気付いたことがある。それはどんな場所にも良いところも悪いところもあって、楽しいところもつまらないところもあるということである。僕は小さい頃は電車が好きだったのだが、三重では観光列車の「しまかぜ」や「ひのとり」を毎日見れたし、栃木では東北新幹線が見れた。神奈川ではロマンスカーを見に父と自転車に乗って踏切まで通った。その場所その場所にある電車は違ったけれど、僕にはそれが新鮮で面白かった。そして、それと同時に、日本には様々な場所があり、その場所その場所によって見れる景色も違うということを知った。だから僕は旅をする鳥に魅力を感じるのかもしれない。

 家のプールにはよくツバメが飛んでくる。そのツバメを見て、

「でも、ツバメがフィリピンから日本まで飛んでいるなんて凄いよね。フィリピンに来る時、飛行機に4時間乗っているだけでも大変だったし長いって感じたのに、ツバメは自分で飛ばなきゃならないんだから大変だよね。来る時は何日くらいかかるのかな?ずっと休まず飛び続けてくるのかな?それとも休み休みくるのかな?」

と母が言った。僕は母と以前、飛行機以外にも船でも外国に行ける話をしたのを思い出して、

「もしかしたら船に乗って来るんじゃない?そしたら楽だし。」

と返した。母は僕の言葉に笑いながら、

「それ、すごいね。ツバメが船に乗って移動してたら面白いね。」

と言った。僕は母と一緒に船に乗って移動しているツバメの姿を想像し、笑いが止まらなくなった。

 僕は今フィリピンにいる。後4年はここで暮らす予定だ。でも、年に一回家族で日本に帰る。そして来月、フィリピンに来てから初めての一時帰国をする。日本はどうなっているかな?変わっているかな?変わらないかな?今からワクワクして、毎日帰国日をカウントダウンしている。ツバメもこんな気持ちで日本にやってくるのかな?僕はツバメと同じように限られた日本で過ごせる日々を思いっきり楽しみたいと思う。