直感と科学
   中2 あえかわ(aekawa)  2025年6月4日

  「科学」と言われると、すべての研究結果や考えは順序を追ってしっかりと段階を踏んでいると思いがちだが、どんな物事にも思いつきで生まれた発見がある。科学の結果はデータに基づいて世間に現れる事が多いが、実際にはその過程では多くの思いつきがある。科学も、技術も、世間に思われているような機械的なものではなく、偶然の思いつきで生まれたりすることもある、意外に人間的なものなのだ。



 理由に縛られない直感は素晴らしい。普段私達が生活する中でも、偶然の思いつきで生まれることもある上、理由のない行動など山程しているはずだ。全てに理由をつけて段階を踏み、何でも理論的に説明しなければならないとなったら、柔軟な発想という概念はなくなってしまうと思う。実際、偉人や歴史上の人物の偉大な発見や発明にも、「偶然の思いつき」はたくさんある。その一例としてあげられるのが、Apple社の創立者・スティーブ・ジョブズだ。彼はノートパソコンの原型となるMacintoshや、スマートフォンを作ったことで有名だ。彼は、書道(カリグラフィー)に出会ったことで、Macintoshのデザインを思いついた。普通、起業家が、アートを学ぶことはないだろう。だが、彼は自身の直感と、響く方向へ思うがままに向かったからこそ、大成功を収めたのだ。更に、今も日本で一番利用者が多いiPhoneも、当時流通していた携帯電話があまりにもセンスがないと感じたジョブズが開発したものだ。つまり、大成功を収めたジョブズのような偉人でも、直感を大切に、自分のセンスに頼って生きていたのだ。



 だが、論理的な思考も大切だ。直感だけに頼って生きていると、正しい選択をできないことがあるからだ。私は、テストの選択問題などでわからない問題があったとき、鉛筆に番号などを書いて、鉛筆を転がして答えを決めていたことがある。もしそれで正解していたとしても、正しい選択とは言えないだろう。正しい選択をするには、論理的思考が必要になってくる。例えば、直感や自分の独断だけで選択をすると、どうしても自分の偏見が入ってきてしまったり、科学的な根拠や数字的なデータがなかったりする。これは間違った考えうや、根拠のない薄っぺらい意見になる原因となってしまう。また、冷静な判断をすることによりそのもののメリット、デメリットともに考えることができるため、浪費や詐欺に遭う確率が少なくなるとも言える。つまり、論理的な思考を持つことによって根拠のある意見を持ったり、自分を守り他人を傷つけない選択をすることができるのだ。



 確かに、理屈に縛られない直感も、論理的で冷静な考えも生きていくうえでは欠かせない。しかし、「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も」という武田信玄の言葉のように、思考の回路の関係なく、何事にも全力で向き合い、挑戦することである。思考以前に、何事も挑戦から始まるものなのだ。自分なりの考えを持って、当たって砕ける覚悟を持ち自信を持って挑戦することが、何事も成功につながっている。