物事の考え方
   中2 あえさみ(aesami)  2025年6月4日

   「科学における発想と論理」という話になると、いつも昔やったハバチの研究のことを思い出す。もう三十年ほど前のことだが、マツノキハバチ(松の黄葉蜂)というハバチに興味をもった。日本にも同じ種とされているマツノキハバチが、高山のハイマツ帯にいるという。ふと思いついた発想には一言も触れず、データに基づいた「論理的」推理を展開する形をとることによって、この研究も私自身も、「科学的」な体面を保つことになった。今大切なのは、科学も技術も、普通思われているのとは異なって、ずっと人間的なものなのだということを、深刻に意識することである。



 たしかに、理屈に縛られない直感は、ときに驚くような力を発揮する。直観はひらめきの出発点になったり、感性や想像力が生きる。私は中学校の美術の時間、何も考えずに手を動かして描いた抽象画が、先生から「感情が伝わってくる」と高く評価された経験がある。そのとき私は、色や形に理屈を持ち込まず、ただ「この色を塗りたい」「この線を引きたい」という直感に従っただけだった。理論や手順を意識しすぎると、かえって表現が固くなることがある。知識や経験が直感を支えることもあるが、最終的に人の心を動かすのは、理屈を超えた力だと思う。直感は運動をする時や日常生活でも大切な時がある。創造的な場面では、理屈だけに頼らず、自分の感覚を信じることも大切にしたい。



 一方、論理的な思考は、物事を深く理解し、的確に判断するために欠かせない力だ。自分の考えに根拠が持つことが出来たり、人と分かり合うための道具になる。たとえば近年、災害への備えが注目されているが、避難計画や建築基準などはすべて、過去のデータと理論的な検証に基づいて設計されている。直感に頼って避難経路を決めたり、安全性を判断したりするのでは、命にかかわる危険がある。論理的な思考は感情や印象に流されず、冷静に状況を分析できる点で非常に有効だ。私自身も、学校のディベートで感情に任せて発言したときはうまく伝わらなかったが、根拠を示して論を展開したときは説得力が増し、相手の意見にも冷静に反応できた。創造や発想の場面では直感も大切だが、それを現実に活かすには、理論で支える土台が必要だ。論理的思考は筋道を立てる力や問題解決能力が上がる。社会や個人の成長には、やはり論理的思考の力が不可欠である。



 たしかに直感にも論理的な思考にも良さがあるが一番大切なことは問いを持つことだと思う。直感も理論も、すべては「なぜ?」「どうして?」という問いから始まる。問いがあるから直感は働き、理論は展開される。正解をすぐ求めるのではなく、自分なりに問い続ける姿勢が最も重要だと感じる。これから問を持っていろいろなことに挑戦していきたいです。