ペットの責任
小5 あえたし(aetasi)
2025年7月1日
カランカラン、ぼくはペットショップのドアを開けた。
今年の誕生日のことだ。お父さんは、
「こんかいの誕生日は、もう四年生だから、おもちゃばかりじゃなくて、ペットを飼うのはどうだ。」
と提案した。ぼくは、ペットを飼うことを考えるとワクワクして、早速何を買うか考えた。まず犬や猫を飼いたいと思った。犬や猫は、甘えてきてかわいいからだ。でも、もし犬や猫を家の中で飼うなら、トイレの使い方をしつけなければならない。それに犬はイスをかんだり、猫は壁をひっかいたり、家をぼろぼろに壊すかもしれない。だから、犬や猫を飼うことはできないと思った。
そのあと、たまたま近所のペットショップの前を通りかかったとき、外から白い綿毛のようなものがモゾモゾしているのが見えた。ペットショップに入ってみると、それは白いウサギだった。まるで、妖精のようにかわいくて、モコモコしていた。ぼくは「ぼくのペットはこれだ」とさけんだ。しかし店員さんが、ウサギは病気になりやすく、すぐに死んでしまう可能性もあるから気をつけてと教えてくれた。
ぼくは、やはりウサギは飼うことはできないと考えた。
最後に、お店のすみっこの水槽の中に、小さなカメがいるのを見つけた。カメはゆっくりとキャベツを食べてから、のっそりと水に入っていった。カメの食べる姿はとてもかわいいし、動きもゆっくりだから、脱走することもない。ぼくはペットにするなら、カメがぴったりだと思った。
するとお母さんが「このカメを飼うのはいいけれど、このカメの命はあなたの責任ですよ。大丈夫ですか。」と、ぼくにたずねた。
ぼくは一度家に帰って、カメの飼育の仕方を調べた。カメを飼うには大きな水槽が必要で、水辺と陸の両方を作らなければならない。さらに毎日フンを取り除き、植物などのエサを与え、また三日に一回は水を変えなければいけない。
ぼくは、カメは本当にかわいいけれど、今はまだ自分は小さいからカメの世話を一人ですることは難しいと考え、カメを飼うことはあきらめた。
おばあちゃんに、ペットの話を聞いた。おばあちゃんは小さいころ、タロウという秋田犬の子犬を飼っていた。
タロウはとても賢くて、おなかがすくと、人の前に座って、首をかしげるのだ。そのかわいい仕草に、おばあちゃんのお母さん(ひいおばあちゃん)は思わずエサをあげてしまう。くいしんぼうのタロウは、エサを食べおわると、また首をかしげて、おねだりするのだ。本当にかわいい。
そんなある日、シロは突然泡をふいて、倒れてしまった。
近所ではまだめずらしかった獣医さんにあわてて連れていったけれど、すでに手遅れ。まだ一歳とちょっとなのに、たろうは死んでしまった。
タロウが死んだあと、家のお庭のお池のそばに穴をほって、タロウのお墓をつくってあげた。
おばあちゃんのお父さんお母さんは、ペットが死ぬのはかわいそうだからと、おばあちゃんは今度いっさい、ペットを飼ってもらえなかった。
もしぼくの家にペットがいて、死んでしまったら、きっとショックで悲しくて、もうペットを飼わなくなってしまうと想像した。
ぼくは、ペットは人間の大切なパートナーで、もしペットがいなくなると、心に穴があいてしまうような大切な存在だと考えた。
だからこそ、ペットは人間のおもちゃではなく、一つのちゃんとした命で、自分でしっかり責任をとらなければならないものだと分かった。
ワンワン、タロウの鳴き声はまだおばあちゃんの心に残っている。