<<え2012/76み>>
 専門バカと幅広い(はばひろい)教養という対比を具体的に考えたね。

 理系と文系の違い(ちがい)もいい話。
「教養とは、知識の量ではなく、ものごとの本質を見抜き(みぬき)、他者と共によりよく生きていくための力なのだ」は、いい名言を自分で作ったね。

かののんさん、作文の提出ありがとうございます。
この作文では、自分の専門分野だけでなく、他分野にも興味を持ち、幅広い(はばひろい)教養を身につけることの重要性について、非常に説得力のある論じ方がされています。特に、自身のバレエ経験を通じて学んだ教訓を具体的なエピソードとして紹介(しょうかい)することで、説得力が増しています。体験実例がよく書けています。

また、森博嗣(ひろつぐ)の例を挙げることで、理系と文系の(わく)超え(こえ)た学びの有効性を具体的に示している点も見事です。方法がよく書けています。スティーブ・ジョブズの名言を引用し、自己実現と教養の関連を考察する部分も、非常に印象的でした。名言がよく書けています。

全体を通じて、自分の生き方を教養と結びつける視点が明確に表現されており、読み手にとって非常に理解しやすい内容となっています。生き方の主題がよく書けています。教養を深めることの大切さを、自分の体験や他者の事例を通じて、効果的に伝えることができていると感じます。

これからも、多角的な視点を持ち続け、多様な学びを積極的に取り入れることで、さらに豊かな表現力が身につくでしょう。引き続き、幅広い(はばひろい)知見を追求していく姿勢が期待されます。

内容★ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1181字/800字
思考点:79点
知識点:98点
表現点:90点
経験点:88点
総合点:91点
均衡(きんこう)点:3点

 


■思考語彙 21種 25個 (種類率84%) 79点
 確か, 第,、考える,。しかし,。たとえば,。だから,。もちろん,いくため,からこそ,すぎざる,そのため,たから,だから,だろう,と思う,なるため,にこそ,に思う,に考える,は第,持たざる,

■知識語彙 87種 131個 (種類率66%) 98点
一般,一見,世界,両方,事柄,人生,人間,他人,他者,以外,企業,作品,作家,出身,分別,分野,勉強,協力,博嗣,危険,名言,哲学,土台,基盤,変化,多面,大切,大学,存在,学校,学術,実感,専門,小説,展開,工学,工学部,常識,得意,思慮,思考,成長,技術,振付,授業,教授,教科,教育,教養,整理,文系,方法,時代,時期,時間,暗記,本質,正解,歴史,活動,無駄,物事,現代,理系,理解,知識,研究,社会,素人,結果,習慣,背景,自分,自由,興味,舞台,視点,言語,言論,論理,資質,追求,過程,重要,長年,関係,集中,

■表現語彙 138種 220個 (種類率63%) 90点
 確か,あなた,いくため,きっかけ,こと,ごと,さ,さん,そう,そのため,その道,それ,たち,なるため,もの,よう,カリキュラム,ジョブズ,スティーブ,バカ,バレエ,一,一つ,一般,一見,世界,両方,事柄,二,人,人生,人間,他人,他者,以外,企業,作品,作家,例,個,出身,分別,分野,力,勉強,協力,博嗣,危険,名言,哲学,土台,基盤,場,塾,変化,外,多面,大切,大学,好き,存在,学び,学校,学術,実感,家,専門,小説,展開,工学,工学部,常識,役,彼,得意,思慮,思考,性,成長,手,技術,振付,授業,教授,教科,教育,教養,整理,文系,方法,時代,時期,時間,暗記,書,本質,枠,森,正解,歴史,母,活動,深み,無駄,物事,現代,理系,理解,的,目,知識,研究,社会,私,素人,結果,習慣,者,背景,自分,自由,興味,舞台,視点,言語,言論,論理,資質,踊り,身,追求,過程,道,重要,量,長年,関係,集中,

■経験語彙 46種 62個 (種類率74%) 88点
、考える,いける,すぎる,つく,できる,とらわれる,と思う,に思う,に考える,はらむ,られる,れる,わかる,伴う,伸ばす,信じる,働く,兼ね備える,出る,向ける,学ぶ,広げる,得る,感じる,持つ,支える,書く,深める,生きる,異なる,知る,組む,続ける,習う,育つ,見つめる,見抜く,覚える,詰め込む,調べる,超える,踊る,追い求める,進む,限る,養う,

■総合点 91点

■均衡点 3点
 

一つの視点だけでは見えないもの
   中3 かののん(kanonon)  2025年6月3日

 学術研究の場においてだけでなく、企業活動の場においてもまた専門家が進んでいる現代は「専門バカ」たちの時代となる危険性も大いにはらんでいるのです。自分の専門外の事柄について思慮分別を伴った言語を展開できる人たちの言論の基盤は、専門的な知識や技術ではなく、常識や一般的教養だ。教養というのは、その道の専門家になるための技術として学ばれるのではなく、一個の素人としての自由人にふさわしいものだとして学ばれるのだ。

 そのための方法としては第一に、得意な分野以外のことや、一見無駄に思われるようなことにも目を向けることである。私はバレエを長年習っているが、ある時期まで、バレエ以外のことにあまり興味を持たず、学校の勉強でも好きな教科ばかりに集中していた。しかし、ある舞台で、振付家から「踊りだけでなく、役の背景や時代についても調べて、自分なりに考えてから踊ってほしい」と言われたことで、初めて歴史書や哲学書に手を伸ばし、考える習慣が身についた。もちろん母の協力もあったが、結果として、踊りに深みが出ただけでなく、学校の授業でも物事を多面的に考える力が育ったと感じている。一見関係なさそうな分野にこそ、自分を広げるきっかけがあるのだ。

 第二の方法としては、学校や塾などでもただ知識を詰め込んだり暗記するだけの教育をするのではなく、幅広い教養が身につくようにカリキュラムを組むことだ。たとえば、作家であり研究者でもある森博嗣さんは、もともと工学部出身で大学教授として働いていたが、小説を書くことで自分の思考を整理し、工学とは異なる視点から社会や人間を見つめる力を得たという。理系と文系の枠を超えて学び続けたからこそ、彼の作品には深い教養と論理性が感じられる。こうした例からもわかるように、ただ覚えるだけの教育では教養は育たないと実感できる。思考力を養うような学びの場が、教養を支える土台になるのだと思う。

 確かに、自分の好きな分野を深く追求していくことも大切である。しかし、スティーブ・ジョブズの「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きて無駄にしてはいけない。」という名言があるように、自分の信じる道を追い求めることは、同時に自分という存在を広く深く知ることでもある。その過程で、専門性と教養の両方を兼ね備えた人間へと成長していくのではないだろうか。

 現代のように変化が激しく、正解が一つではない時代だからこそ、自分の専門分野だけでなく、他分野への理解や常識、教養といった「自由人」としての資質がますます重要になってくる。教養とは、知識の量ではなく、ものごとの本質を見抜き、他者と共によりよく生きていくための力なのだ。私はこれからも、自分の専門を深めながら、それにとらわれすぎず、常に外の世界に目を向けて学び続けていきたいと思う。