物知りなお父さん
   小4 はるまき(akoruka)  2025年7月2日

 「記念に何か買ってあげようか?」

「いや、お金持ってるし大丈夫!」

私のお父さんは、博物館などに行ったときに、いつも記念に何かプレゼントしようとしてくれる。その気持ちはありがたいのだが、毎回買ってもらうのも申し訳ないし、何かほしい物があったらしっかり考えてから購入したいから、いつも断っている。

 「クイズです。この新聞に、日比って書いてあるでしょ?日米だったらアメリカだけど、比はなんのことでしょう?」

私のお父さんは、毎日たくさんのクイズを出してくれる。

「さんまは漢字でどう書くでしょう?」

というクイズだったらすぐわかったのだが、国際的なことはあまりよくわからない。

「え〜っ、わかんない!」

「はは、そうか。正解は、フィリピンだよ。」

確かに、京都にある漢字ミュージアムで、そんなことが展示されていた気がする。やっぱり、お父さんは物知りだなぁ。

「ねぇ、行ったことがない場所で行ってみたいところってある?」

私は、若い頃に記者として働いていたのでたくさんの国に行ったお父さんにそう聞いてみた。

「うぅん⋯やっぱり、イスラエルとかは行ってみたいなぁ⋯」

「なんでイスラエル?」

少し意外だ。サグラダファミリアとかピラミッドの中とか、有名な建造物を見てみたいと言うと予想していた。

「イスラエルには、戦争の発火地、エルサレムがあるんだよ。エルサレムは、キリスト教、イスラム教など、仏教以外のたくさんの宗教の聖地となっているんだ。だから、色々な宗教の人たちが、エルサレムをとりあって戦争を始めるんだよ。」

確かに、たくさんの事件を知らせる記者にとっては行ってみたいかもしれない。でも、テレビ関係の仕事をしているからって、よくこんなにたくさんの知識をクイズ王の伊沢拓司さんみたいに脳に詰め込むことができるなぁ⋯といつも感心する。

 「そろそろカープ見に行きたいなぁ⋯」

私のお父さんは、野球が大好きだ。広島県出身なので、広島カープが大好き。小さい頃も野球少年だったそうだ。私とお母さんはあまり野球に興味がないが、広島カープ対巨人の観戦によく誘われる。今までに二回観戦したことがあるが、いつも試合は全く見ずにただお菓子をむさぼっているだけという非常にもったいない状況になる。野球に興味がないのですぐ帰ってしまう私とお母さんをお父さんはとても残念がり、

「次こそは全部見てほしいなぁ⋯」

といつも嘆いている姿が少しかわいそうに感じられる。その姿を見たときは、次はもう少し見てもいいかもなぁ⋯と思う。

 私は、お父さんがいるからこそたくさんの学びがある。たくさんの学びをくれるお父さんに、もっと感謝したいなと心の中で思った。