逆境をチャンスに
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 生きることは学ぶことであり、学ぶことには喜びがある。生きることは、また何かを創造していくことであり、その創造には、学びの段階では味わえない、大きな喜びがある。「想像とはマッシュルームのようなものだ。」という言葉がある。キノコが好条件であり続けると根だけが成長して、ついには枯れてしまう。そのときにキノコは自らをあえて逆境に置き成長を阻害する。それがこの言葉の意味だ。

 私は、逆境を逆手にとれる様な人間になりたい。そのためには二つの方法が考えられる。

 第一に、なぜ自分が逆境に立たされているのかを客観的にみて把握することによって、早期に解決策を編み出すことだ。私は中学校の頃、ある定期テストで思うような結果が出せず、非常に落ち込んだ経験がある。しかし、なぜ失敗したのかを改めて分析してみると、苦手分野の復習が不十分であったこと、また時間配分を誤ったことなど、いくつかの原因が明確になった。そこから私は、苦手な単元を重点的に学び直し、次のテストでは納得のいく結果を出すことができた。この経験を通して、逆境の中にこそ学びがあり、それを糧に変えることで成長できるのだということを知った。

 第二に、逆境を成長の機会としてとらえられるような社会を築いていくことも重要である。現代社会では、時として「絶対に失敗は許されない」という空気が支配的になる。しかし、そのような環境では、人は失敗を恐れ、逆境に直面した際に冷静さを失ってしまう。だからこそ、「ピンチはチャンス」と捉えられるような価値観を、社会全体に根づかせていく必要がある。

 確かに、物事が順調に進んでゆくことはよいことだ。しかし、何事もしないものだけが失敗もしない。という名言があるように、何かを成し遂げる時には失敗は必ずと言ってよいほどついてくる。そんなときに、すべてが順調に進んでいたならば、対処に困り果ててしまうだろう。そこで、何度か逆境を経験しておけば、私たちはその経験を糧に、新たな一歩を踏み出せるようになるだろう。だから、私は逆境をチャンスと捉えられる様な人間になりたい。