自由から生まれるもの
   高1 あかぬり(akanuri)  2025年7月2日

 いじめに対する対策として、子供の中に世代間関係を育てることは試みられてよいと思う。年長者が、年少者を保護したり指導したりするというタイプの経験が、今の子どもにはなさすぎる。具体的な役割の決まった行動が不足しているので、子どもはいじめる人、いじめられる人という役割をつくり出してしまう。また、子どもに競争に勝つことによる優越感を経験させるほうがいじめ減らしになる。自由競争の禁止ではなくて、自由競争の条件の公平を保証することが倫理的な条件だ。現在の教育者の多くは競争をさせないことがいじめ対策だと誤解している。基本は「他者危害の原則」である。

 平等ではなく、自由を大切にすることで、競争の大切さを理解するべきだ。

 第一の方法は、まわりに合わせず一人一人が本気を出して、ものごとに取り組むことだ。僕の小中学校では、同学年に負けず嫌いな友達が多かった。だからその分運動会がとても盛り上がった。特に中三の頃の紅白リレーでは、ある二人はもうアウトだろというぐらい、体をぶつけあって走っていた。タックルレベルだ。ときにはこのような危険なこともあるが、みんなが本気で勝ちにいこうとする姿勢はとても良いと思う。楽しみながらも勝とうとする。これがベストだ。こんな感じで、僕は小中九年間こんな熱戦な運動会だったから、弟の代の運動会を見に行ったときは本当に驚いた。六年生の競技の百m走で、手をつないで走っているグループが数個あったのだ!(これには後々弟も怒っていた)こけた人を助けて最後一緒にゴールするというシチュエーションの動画を最近よく見るが、僕は何か違和感を感じる。こけても、こけて友達がいても、最後まで本気で走り切り、ゴールし、その後励まし合うのが本当の運動会なのではないかと僕は思う。それでこそ濃い思い出になるはずだ。

 第二の方法は、自分の強みを見つけて、それを磨いていくことだ。漫画「ワンピース」に、イゾウというキャラクターがいる。このキャラクターは、ワノ国という国で登場するキャラで、その名の通り「和」、つまり日本をモチーフにしている。時代は江戸時代で鎖国中であることも合わせている。このイゾウは武士なのだが、作中で刀は一回も使っていない。ずっと銃を使っている。当時の日本でもそうだが、ワノ国でも武士は刀を使うのが当たり前で、銃を使っているというのはまわりから見ると異様だと思う。しかし、あえて刀を選ばずに自分にあった銃を選んで、自分の強みをのばしているところがイゾウのかっこいい点だ。読書もそれに魅かれているのだと思う。

 確かに、皆に平等に接する心は必要だ。しかし、成長とは平等の中ではなく、自由の中から生まれるものだ。だから、平等に接するだけでなく、自由も大切にすることで、競争の大切さを理解して、自分の強みを高めていくべきだ。