<<え2015/274pみ>>
 書き出しの工夫をしたんだね。
 会話もいいけど、更に(さらに)情景的な書き出しができるとハイレベルに(笑)。

 身近な実例から始めているのでわかりやすい。

 子供のコミュニケーション力というのは、家庭の文化とも言えるのだろうね。

 結びの段落も、七五三の例を入れてうまくまとめた。
 引用リンクもつけたんだね。

すみひなさん、作文についての評価をさせていただきます。

まず、日本とフランスの子どもの言葉への接し方を比較(ひかく)した点が非常に興味深く読ませていただきました。異文化間の比較(ひかく)によって、読者にとって新たな視点を提供している点は評価できます。また、それぞれの文化が子どもの言語発達にどのように影響(えいきょう)与える(あたえる)かを考察しており、説得力が感じられました。自分の体験を取り入れた記述も見られ、その部分では自身の観察が反映されていて具体性があります。

さらに、複数の意見がバランスよく書かれており、それぞれの育て方の利点を理解しやすく説明しています。最後に、日本の「七五三」の例を挙げることで、文化的背景が子どもへの接し方にどのように影響(えいきょう)しているかを示しており、総合化の主題がうまく書けています。

総じて、文化比較(ひかく)による深い洞察(どうさつ)と、それに基づいた論評が行われており、読み応えのある作文になっています。次回もこのような視点からさらに深く掘り下げ(ほりさげ)てみると良いでしょう。素晴らしい作文をありがとうございました。

項目(こうもく)評価:
-複数の意見がよく書けています。
-総合化の主題がよく書けています。
-体験実例がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1261字/800字
思考点:79点
知識点:75点
表現点:80点
経験点:82点
総合点:86点
均衡(きんこう)点:7点

 


■思考語彙 21種 24個 (種類率88%) 79点
 しかし, 確か,。しかし,。つまり,。単に,あるから,いると,いるらしい,からこそ,せよう,たらしい,だろう,できざる,と思う,と考える,ないらしい,なる可能,よると,フランス同様,合わせよう,赤ちゃんに対して,

■知識語彙 54種 77個 (種類率70%) 75点
一員,一生懸命,一番,一緒,人生,人間,他人,傾向,先生,努力,友人,友達,基盤,大人,大切,子供,存在,学生,安心,家庭,家族,将来,小学生,影響,得意,性格,意見,意識,教育,日常,日本,時代,最初,欧米,段階,環境,生活,由来,目線,相手,研究,社会,習得,自分,自己,行動,表現,裕福,言葉,言語,記憶,重要,関係,領域,

■表現語彙 116種 198個 (種類率59%) 80点
 確か,あらわれ,うえ,うち,お母さん,お祝い,お隣,こと,ことば,ころ,さ,その後,それぞれ,たち,とき,なる可能,もの,よう,アメリカ,エレベーター,クラス,コミュニケーション,コントロール,データ,ドイツ,フランス,フランス同様,マナー,ルール,レベル,一,一員,一生懸命,一番,一緒,七,三,五,人,人生,人間,今,他,他人,何,傾向,先生,力,努力,友人,友達,国々,基盤,大人,大切,子,子ども,子供,存在,学生,安心,家庭,家族,将来,小学生,影響,得意,思いやり,性,性格,意見,意識,教育,方,日常,日本,昔,時,時代,最初,欧米,歳,段階,気持ち,点,環境,生活,由来,的,目線,相手,研究,社会,神,私,習得,考え方,耳,自分,自己,行動,表現,裕福,言い回し,言葉,言語,記憶,豊か,赤ちゃん,身,重要,関係,隣,領域,風,%,

■経験語彙 42種 68個 (種類率62%) 82点
あげる,あふれる,せる,つける,できる,とれる,と思う,と考える,なだめる,よる,られる,れる,わかる,乗る,会う,伝える,使う,傾ける,助ける,取り組む,合わせる,困る,学ぶ,寄り添う,属す,感じる,接す,接する,欠く,泣く,異なる,知る,示す,築く,育つ,育てる,行う,覚える,話しかける,語りかける,進む,頼る,

■総合点 86点

■均衡点 7点
 

子どもの記憶
   中2 すみひな(sumihina)  2025年7月2日

 「えーんえーん」

赤ちゃんの泣き声がとなりの部屋から聞こえてくる。日本では、「マンマ」「ブーブー」「ワンワン」などの赤ちゃんことばが日常的に使われている傾向があるが、フランスではほとんど使われていないらしい。単にかわいらしい言い回しではなく、大人が子どもの言語レベルに合わせようとするコミュニケーションの努力のあらわれであることがわかる。隣の家族の方とご一緒にエレベーターに乗るとき、お母さんが泣いている赤ちゃんを一生懸命「ほら、トントントントン」といってなだめていた記憶がある。こうした語りかけがあるからこそ、子どもたちは安心して言葉を覚え、自分の気持ちを表現する力を少しずつ身につけていくのだと思う。

 子どもの目線に合わせた語りかけや育て方は、子どもが自分の存在を大切にされていると感じるうえでとても重要だと思う。私が小学生だったころ、クラスに裕福な家庭で育っているらしい子がいた。その子は、とても明るく、自己表現が得意だった。そのうえ、他の人が困っている時には自分から進んで助けてあげるなど、思いやりにあふれていた。しかし、自分一人で何かに一生懸命に取り組むことができず、先生や友達に頼ってばかりいた。そのような友人と接していると、やはり、子ども時代にどのようなコミュニケーションをしてきたかが、今の性格や人間関係に大きく影響していることがわかる。つまり、子どもに寄り添う育て方は、豊かな学生生活やその後の人生の基盤を築くうえで欠かせないのだ。

 しかし、フランスのように子どもを小さな一人の大人として育てることにもよさがある。ドイツも、フランス同様、赤ちゃんに対しても大人に接するように話しかける傾向がある。このような環境で育った子どもたちは、早い段階から社会の一員としての意識やマナーを身につける傾向があると言われている。アメリカで行われた研究によると、3歳のときに「他人とコミュニケーションがとれる子供」ほど、将来、自分の気持ちや行動をうまくコントロールできるようになる可能性が11%高くなるというデータがある。社会のルールを子どものうちから習得することで自分の意見をより早く相手に伝えることができるのだ。

 確かに、子どもの目線に合わせて育てる日本風の育て方にも、子どもを小さな大人として育てるフランス風の育て方にも、それぞれ良さがある。しかし、一番大切なことは子どもの意見に耳を傾けながら寄り添って育てていくことだ。「七五三のお祝い」の由来を知っているだろうか。日本では昔から「七歳までは神のうち」とされ、小さな子どもは社会の一員ではなく、まだ神の領域に属しているものと考えられていたらしい。七歳になってからは人間社会の一員として、教育されていくことを示している。この点では、最初から社会のマナーを学ばせようとする欧米の国々とは考え方が異なっている。お隣の赤ちゃんは大きくなったら赤ちゃんことばのことを覚えているだろうか。次に会う時が待ち遠しい。