自分の意思で
   中2 あえさし(aesasi)  2025年7月2日

 母親語ときわめて似ていながら非なるものとして、「赤ちゃんことば」という現象が広く流布している。文化人類学者の川田順造氏によるとフランス語文化では、赤ちゃんことばはほとんど聞かれないのだろう。た赤ちゃんことばを採用した日本式のしつけ方は、当然、日本文化で育つ子供の性格形成に大きな役割を果たしているに違いない。

 日本人のように、子供の目線に合わせた子育ての仕方はよい。 「日本人のように子どもの目線に合わせた子育てはよい」という考え方には、大人と子どもでは物事の感じ方が違うという理解があると思う。大人にとってはなんでもない出来事でも、子どもにとっては大きな衝撃となることがある。その気持ちをくみとり、寄り添ってくれることが、子どもの心の支えになるのだと思う。私が小さいころ、家族で秋田の竿燈まつりに行ったことがある。たくさんの人が集まり、太鼓や笛の音が響き、私にとってはとても楽しくて、つい興奮して大きな声ではしゃいでしまった。すると、そばにいた知らない大人に「うるさいガキだな」と冷たく言われた。だから私は驚きと悲しさで、思わず泣いてしまった。そのとき、母がすぐに私のところに来て、「びっくりしたね。でもあなたは悪くないよ。楽しかっただけなんだよね」と、優しく抱きしめてくれた。その言葉と温かさに私は安心し、涙が止まった。あのとき母は、私を叱るのではなく、私の気持ちに寄り添ってくれた。私の感じたことを否定せず、「楽しかっただけ」と受けとめてくれたことが、今でも忘れられない。この経験は、子どもの目線に立つ子育ての大切さを教えてくれた。私も、誰かの気持ちを理解し、寄り添える人になりたいと思う。

しかし、フランセのように子供を小さな大人として扱う子育てにも良さがある。それは、子供の意見や感情を一人の人として尊重し、頭ごなしに叱るのではなく、言葉でしっかり説明するという関わり方だ。たとえば、フランスの家庭では、子供がレストランで静かに食事をしている光景をよく見かける。それは、子供に「なぜ静かにするべきか」を納得いくまで説明し、子供もまた理解されていると感じているからだという。日本では「静かにしなさい」と命令することが多い。しかし、フランスでは「どうして静かにするのが大事か」を丁寧に伝える。もちろん、すぐに言うことを聞かないこともあるが、そういう時こそ少し待ってみて、子供自身が考えて行動するのを促すのだ。このように、子供を一人の人間として接することで、自分の意見を持ち、他人と対話できる力が育っていく。子供だからと軽く扱わず、尊重することは、やがて社会の中で自立して生きる力へとつながる。フランスの例は、子育てにおける思いやりと信頼の形を私たちに教えてくれているように思う。

確かに子供の目線に合わせた子育ても、子供を大人として扱う育て方もそれぞれの良さがある。しかし一番大切なのは「全てに効くという薬は、何にも、たいして効かない」という名言のように、どんな育て方でもそれが良いかは別として子供の意思がはっきりしていることが大切だ。