知識と体験、そして考察がしっかりと結びついていて、とても読み応えのある意見文でした。
<<え2015/924pみ>>
【総評】
子育てに対する2つの立場を取り上げ、それぞれの利点を体験や具体例とともに丁寧に論じていて、非常に論理的かつ説得力のある構成でした。言語学的な視点や教育思想にも触れながら、自分自身の体験を交えて論を展開している点がとても優れています。結論部分では、アインシュタインの言葉を引用しながら、全体の論点を的確にまとめています。
【段落ごとの講評】
第1段落:言語に関する知見をベースにした考察から入り、論の導入として深みがあります。「赤ちゃんことば」と「母親語」の違いを明確にしながら、文化的な背景にも触れていて、読み手の関心を引きつける力があります。
第2段落:自身の体験をもとに、「子供の目線に立つ子育て」の良さを感情豊かに描いています。母とのエピソードが非常に温かく、説得力をもたせています。
第3段落:モンテッソーリ教育という具体例を取り上げて、「子供を小さな大人として扱う教育」のメリットを客観的に説明しています。構成の工夫もあり、視野の広がりが感じられます。
第4段落:両者の視点を統合しながら、「個性の理解」に重きを置く主張でしめくくることで、全体に一本筋が通っています。アインシュタインの名言を引用し、主張に深みと重みを加えています。
【特に優れていた点】
・体験と知識を組み合わせた説得力ある構成
・教育思想(モンテッソーリ)の具体例を活用した論理展開
・引用を効果的に用いた結び
・論のバランスがよく、視野が広い
【考えを深めるための質問】
あなた自身が将来誰かを育てる立場になったとき、子供の個性をどう理解し、大切にしていきたいと考えますか? そのために、どんな工夫ができると思いますか?
内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1402字/800字
思考点:72点
知識点:81点
表現点:79点
経験点:89点
総合点:84点
均衡点:4点
■思考語彙 18種 25個 (種類率72%) 72点
。しかし,。だからこそ,。むしろ,からこそ,が一方,しよう,たから,だから,だろう,で考える,と思う,によって,は思う,れるべき,問わざる,生きるため,自分らしい,見れば,
■知識語彙 63種 118個 (種類率53%) 81点
一生懸命,世界,中学生,主流,人生,企業,作品,信頼,個性,先生,判断,利点,努力,周囲,大人,大切,姿勢,子供,学校,安心,尊重,工作,工夫,左右,年上,年下,年齢,愛情,成長,才能,援助,教室,教育,文化,日本,日本人,時代,普遍,最後,最近,本人,正直,母親,活動,活躍,独自,理解,環境,目線,科学,経営,経験,自主,自信,自分,自然,自身,行動,表現,言葉,説明,責任,集中,
■表現語彙 112種 210個 (種類率53%) 79点
いびつ,うえ,こと,さ,それ,それぞれ,たち,とき,よう,アイデンティティ,アインシュタイン,アルバート,ペース,一,一生懸命,世界,中,中学生,主流,人,人生,今,企業,作品,信頼,個性,先生,判断,利点,力,努力,周囲,大人,大切,姿,姿勢,子,子供,子育て,学校,安心,家,尊重,工作,工夫,左右,年上,年下,年齢,形,彼ら,心,思い,性,愛情,感,感じ,成長,手助け,才能,援助,教室,教育,文化,方,日本,日本人,昔,時代,普遍,最後,最近,本人,正直,母,母親,気持ち,活動,活躍,独自,理解,環境,生きるため,的,目,目線,私,科学,経営,経験,考え,考え方,者,自主,自信,自分,自然,自身,行動,表現,親,言葉,話,語,説明,責任,身,道,違い,集中,雑,静か,
■経験語彙 47種 71個 (種類率66%) 89点
くれる,せる,つく,つながる,できる,で考える,と思う,は思う,ほめる,やる,られる,れる,作る,信じる,切り開ける,助ける,受ける,合わせる,問う,変わる,学ぶ,寄り添う,導く,広まる,感じる,扱う,持ち帰る,持つ,接する,支える,教える,歩む,求める,生きる,異なる,立つ,聞く,育つ,育てる,表れる,見つける,認める,語る,輝く,選ぶ,重ねる,関わる,
■総合点 84点
■均衡点 4点
見えない気持ちの理解
中2 あえさみ(aesami)
2025年7月2日
ただ、ひとつ留意しなくてはならない点がある。母親語ときわめた心でいながら非なるものとして、「赤ちゃんことば」という現象が広く流布しているからなのだ。おとなの使う赤ちゃんことばは明らかに赤ちゃんとの語りかけに際して特異的に用いられ、赤ちゃんの言語使用の次元におとなが同調することで、双方の間の交流を促そうとする努力の現われであるとみなすことができるだろう。単純に結論づけると、赤ちゃんことばの現象は文化によって左右され、母親語は文化の違いを問わず普遍的である。
日本人の子育てでよいと思う。子供の目線に立って接する姿勢で接するということだ。子供の感じ方や考えを尊重しようとする姿勢は、子供の心を育てるうえでとても大切だと私は思う。私は昔、学校の工作で一生懸命作った作品を家に持ち帰った。正直、大人から見れば雑で、形もいびつだったと思う。でも、母は「すごくおもしろい形だね。どうやって作ったの?」と目を輝かせて聞いてくれた。そして、私の話を最後まで聞いて、「よく工夫したね」とほめてくれた。母が私の気持ちに寄り添ってくれたことで、自分の努力が認められたと感じ、自信を持つことができた。子供はまだ言葉でうまく説明できなかったり、自分の気持ちを表現できなかったりする。でも、その心の中にはしっかりとした思いや考えがある。大人がそれを理解しようと努力することが、子供の安心や信頼につながるのではないか。子供だからこそ一人の人として接する。そのような子育てが、子供の心を大きく育てるのだと思う。
子供を小さな大人として扱う子育てにも良さがある。子供の自主性や責任感を育てるという大きな利点がある。最近では日本でも広まりつつあるモンテッソーリ教育に、その考え方がよく表れている。モンテッソーリ教育では、大人が一方的に教えるのではなく、子供自身がやりたいことを選び、自分のペースで学ぶことを大切にしている。教室には年齢の異なる子供たちがいて、自分で選んだ活動に集中し、時には年上の子が年下の子を自然に助ける姿も見られる。大人は「先生」ではなく「援助者」として、子供の成長を静かに支える。このような環境で育った子供たちは、自分で考え、判断し、行動する力が自然と身につく。実際に、モンテッソーリ教育を受けた人の中には、企業の経営者や科学者など、世界で活躍する人も多い。彼らは、子供時代に自分で考える経験を重ねてきたからこそ、独自の道を切り開けたのだろう。私も中学生になり親との関わり方が変わった。子供を小さな大人として尊重することは、決して厳しく接することではないと感じている。むしろ、子供の力を信じ、自分の人生を自分で歩めるように導く、愛情深い子育てなのだと私は思う。
子供の目線に合わせた子育てにも、子供を小さな大人として扱う子育てにも、それぞれ良さがある。しかし、いちばん大切なのは、子供の個性や気持ちを深く理解することだと思う。子供が自分らしく生きるため親の理解は大切だ。教育とは、「子供が自分の才能を見つける手助けをすることだ」と、アルバート・アインシュタインは語っている。今の時代、個性は尊重されるべきだという考えが主流になってきている。だからこそ、子供に接するときには、その子自身のアイデンティティを、周囲も本人も大切にしていく姿勢が求められるのではないか。