物が持つ価値
   中3 あおらは(aoraha)  2025年7月3日

 何といっても、現代技術を特徴づけるのは豊富な工業製品の氾濫であろう。少なくとも、先進工業国においては、高い生産性に裏付けられた安価で高品質の工業製品を容易に入手することができる。しかし、最近工業製品を使用するのは潜在する機能を享受することがほんとの目的であり、製品を所有することはそのための単なる手段に過ぎないという考え方がある。日常生活の中で製品を買って所有するか、レンタルで機能を買うかの選択は何気なく行うことが多いであろう。しかし、このことは現代技術が持つ問題に本質的に影響を与えていく重要な視点である。私は、レンタルを行うよりも所有することで物を大切に長く使うことができる大人になりたい。

 第一の方法として、物を買うときは本当に自分にとって必要なのかをよく考えて買うことだ。私は小さいころから、欲しいものが多く、常に欲しい欲しいと言っていたそうだ。しかし、多くではなく、少ないものをしっかり大切にしてほしいという親の考えで、小学二年生の頃にはぬいぐるみなどの人形をを買うのは今年で最後、と言われてしまった。なので私も最後を飾るぬいぐるみを慎重に選んでいたのだが、その年に家族で行ったテーマパークで最後のぬいぐるみと出会った。見た瞬間にほとんど一目ぼれのような状態だった。欲しいと言い出した私に両親は本当にこれでいいのかと念を押してきたが私の決意は揺るぐことがなかった。そのぬいぐるみは8年たった今でも大切なものである。このような経験から私は最近は必要なものをよく考えてから買うようになった。一時の気持ちの高まりで購入してもそれはいずれ飽きて使わなくなってしまうからだ。なので、これからは欲しいと思ったときにすぐに買ってしまう衝動買いを避け、何週間、何か月と間をおいてそれでも自分に必要かを確認して買いたいと思う。

 第二の方法としては物を大切にすることの大切さをもっと行うことである。戦前の日本の教育に「修身教育」という教育法がある。修身教育とは国民道徳を教え、国家への忠誠心や公共心を育てる教育で、物を大切にする、無駄にしない、物を粗末にしないという教えがある。この教えは大量買いや大量廃棄が行われている現代だからこそ行われるべきだと私は思う。最近、インターネットなどを見ていると、好きなアーティストのアルバムを大量に買い、いらなくなったらすべて捨てたり、新作のコスメを全色買い、使いきれずに消費期限が来てしまった、などの動画をよく見る。アーティストのアルバムの中には種類の違う特典や、握手会の参加チケットなども入っている場合があったり、新作のコスメも使用して実際の使用感をレビューするためにも必要だろう。しかし、その裏で大量廃棄されているのならば自分が使いきれる、責任を持てる量だけ買うべきではないのだろうか。なので、修身教育を早い段階、小学校、中学校などで行い、物の大切さをもっと教えるべきだと思う。

 確かに、必要な時だけ利用できたり、環境への負荷も減らせるレンタルはとても良いと思う。しかし、「一輪咲いても花は花」という名言があるように、持っていることではなく、そのものの価値自体を大切にし、長く物を使いたいと思う。