考える喜び
   中3 あかるの(akaruno)  2025年7月2日

 学問の世界においては学ぶこと、創造することの喜びはとりもなおさず、考えることの喜びだと思う。どんな分野の学問でもなにか新しいものを発見し、創っていくことに本来の意義がある。発見と創造にこそ、意味がある。創造を生み出す力は逆境を自分の人生にプラスに取り込んでいく能力をそなえている。学問はそんなに難しいことではなく、考えることの好きな人間なら誰でもすることができ、その喜びを味わうことができる。戦時下で、学ぶことよりも働くことが優先される状況だった中で、学問の意欲や知識を追い求める人々は多くいた。しかし、最近は学習意欲の低下が著しく、このままでは学問の喜びを味わえる人が減ってしまうのではないかと思う。私は、どんな状況でも学ぶことの楽しさや考えることの喜びを感じられる人になりたい。



 

 そんな人になるための方法の一つは、目の前のことをただ暗記するのではなく、「なぜだろう」と疑問を持つことだと思う。私は中学校の理科で、光の屈折について学んだとき、ただ公式を覚えるだけでは面白くなかった。しかし、先生が「水中メガネをかけているときに物が大きく見える理由を考えてみて」と言ったことで、私は授業が終わった後も気になって調べてみた。すると、光の屈折によって実際よりも大きく見えることや、目に届く角度が変わることなどがわかり、「そういうことだったのか」と強く納得した。そして、それを家族に話したとき、「そんなこと考えるなんて面白いね」と言われ、嬉しくなった。この経験から、ただ覚えるよりも「なぜ?」と考えることで学ぶ楽しさが増すのだと気づいた。学問は知識を詰め込むことではなく、考えて理解することに意味があると思う。

 

 また、そんな人になるための方法の二つ目は、逆境を学びに変える力を持つことだと思う。戦時中、物理学者の湯川秀樹は、戦争で研究が制限される中でもあきらめず、中間子理論を発表し、日本人初のノーベル賞を受賞した。爆撃で家を失ったり、研究室がなくなったりする中でも、彼は周りにある紙切れや木の板を使って数式を書き続け、考え続けたという。普通なら絶望してしまいそうな状況でも、「どうすればできるか」を考えた結果、世界で初めての発見につながった。彼のように、逆境の中でもあきらめず、むしろそれをバネにして学びを深めていける人こそ、真の学問の喜びを味わえる人だと思う。

 



 これから私は、どんなことでも「なぜ?」と考え、逆境を学びに変えられる人になりたい。わからないことや失敗したことも、「どうしてうまくいかなかったのか」と考えることで、次への成長につながると思う。そして、学ぶことが義務ではなく、自分を成長させる楽しいことだと感じられるようになりたい。将来どんな道に進んでも、「考えることの喜び」を忘れず、学び続ける人でありたい。