あたたかなまなざしとまっすぐな気持ちが、文章を通してしっかり伝わってきました。とても心に残る意見文でした。

<<え2020/4pみ>>

【総評】
 障害のある人との関わりを通して、自らの思いや考えが深まっていく過程が丁寧(ていねい)描か(えがか)れており、非常に感動的な内容です。実体験と社会的な視点、そしてスポーツの実例を効果的に結びつけ、「支援(しえん)とは何か」というテーマに対して深く迫る(せまる)ことができています。特に、「一方的に助けるのではなく、相手の意志を尊重する支援(しえん)」という視点が一貫(いっかん)しており、意見としての(じく)がしっかりしています。

【段落ごとの講評】
第1段落:障害と社会の関係性を短い言葉で鋭く(するどく)表現しており、冒頭(ぼうとう)から読者に考えさせる力があります。「ユージーンの風」という象徴(しょうちょう)的な表現が印象に残ります。

第2段落:地域のボランティアイベントでの体験が非常に具体的に描か(えがか)れており、読み手にもその場面が浮かぶ(うかぶ)ようです。実際の感情の変化や気づきを丁寧(ていねい)描写(びょうしゃ)しており、主張に説得力があります。

第3段落:パラリンピックという社会的な実例を取り上げ、障害のある人の努力や挑戦(ちょうせん)への敬意が真摯(しんし)に語られています。特に国枝慎吾(しんご)選手のエピソードを通して、「尊重する支援(しえん)」のあり方を深く考察できています。

第4段落:冒頭(ぼうとう)比喩(ひゆ)「寒さに震え(ふるえ)たものほど、太陽の暖かさを感じる」がとても印象的で、結びとして内容をうまくまとめています。自分自身と照らし合わせた一文で締め(しめ)ている点も良いです。

【特に優れていた点】
・具体的な体験と社会的実例(パラリンピック)をバランスよく用いている
・「支援(しえん)とは何か」に対する明確な主張が一貫(いっかん)している
・心の動きや思考の変化が丁寧(ていねい)描写(びょうしゃ)されている
比喩(ひゆ)や引用を効果的に用いた表現力

【考えを深めるための質問】
もしあなたが今後、(だれ)かに自然に手を差し伸べる(さしのべる)としたら、どんな場面で、どんな言葉をかけたいですか?

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1420字/800字
思考点:79点
知識点:83点
表現点:85点
経験点:101点
総合点:89点
均衡(きんこう)点:2点

 


■思考語彙 21種 24個 (種類率88%) 79点
n確か,。しかし,。むしろ,あるから,あるはず,いこう,くれざる,ことに対して,しよう,と思う,と考える,の可能,は一方,やり遂げよう,られるはず,わからざる,姿勢こそ,止めざる,病気によって,関わらざる,関係こそ,

■知識語彙 66種 96個 (種類率69%) 83点
一緒,不自由,世界一,人達,人間,以上,会話,体験,個性,努力,周囲,国枝,場面,大切,太陽,姿勢,存在,安易,実感,将来,尊重,小学生,当事者,当日,必要,意味,意志,意思,感動,感情,慎吾,成長,挑戦,支援,施設,有無,本人,本当,東京,活躍,特別,理解,生活,病気,相手,瞬間,社会,空気,笑顔,第一歩,精神,素直,結果,自分,自然,自身,行為,表情,表現,言葉,記憶,身体,達成,選手,関係,障害,

■表現語彙 126種 208個 (種類率61%) 85点
n確か,あるはず,うち,お菓子,かわいそう,こと,ころ,さ,それぞれ,ただ,たち,とき,の可能,はじめ,もの,よう,られるはず,イベント,ゲーム,タッチ,テニス,ハイ,パラリンピック,一,一緒,不自由,世界一,中,事,人,人々,人達,人間,今,以上,会話,体,体験,何,個性,前向き,力,努力,周囲,国枝,場面,多く,大切,太陽,姿,姿勢,存在,安易,実感,将来,尊重,小学生,当事者,当日,役,彼,心,必要,性,意味,意志,意思,感,感動,感情,慎吾,成長,手,手助け,挑戦,支援,施設,有無,本人,本当,東京,枠,気持ち,活躍,特別,理解,生き方,生まれつき,生活,男の子,病気,的,皆,目,相手,真,瞬間,社会,私,空気,笑顔,第一歩,精神,素直,結果,考え,考え方,者,自ら,自分,自然,自身,行為,表情,表現,言葉,記憶,誰,身体,車いす,輪投げ,達成,選手,釣り,関係,障害,

■経験語彙 55種 71個 (種類率77%) 101点
あげる,くれる,しまう,すすめる,せる,つながる,できる,と思う,と考える,やり遂げる,やる,やれる,ゆる,られる,れる,わかる,与える,使う,信じる,出会う,助ける,動かす,勝つ,合わせる,向き合う,問いかける,変わる,学ぶ,崩れる,差し伸べる,差し出す,感じる,戦う,持つ,接す,支える,止める,残る,求める,流れる,生きる,申し込む,目指す,立てる,終わる,見守る,見落とす,認める,通う,違う,重ねる,鍛え上げる,関わる,震える,頼る,

■総合点 89点

■均衡点 2点
 

やれることは何か
   中2 あえさし(aesasi)  2025年7月3日

 友人は町の中に障害者がいることで、人の流れが変わらない街だった。まる、そして、障害者と自然に向き合う街だった。障害がこの自由をどれだけはばむかは、その時代のその社会が、障害者をどう位置づけ、そのなかねま人と人との関係をどう作っているかで決まる。ユージーンの風は、そのことを私に教えた。

私たちは障害を持つ人に手を差し伸べて行くべきだ。地域の福祉施設で行われたボランティアイベントに参加したことがある。最初は気が進まなかったが、先生にすすめられてしぶしぶ申し込んだ。イベント当日、施設で出会ったのは、車いすを使う小学生の男の子だった。はじめは目も合わせてくれず、会話もほとんどなかった。どう接していいかわからず、気まずい空気が流れていた。だが、一緒に輪投げやお菓子釣りをしているうちに、少しずつ表情がやわらかくなっていった。ゲームで勝ったときには「やったー!」と笑顔でハイタッチを求めてきた。その瞬間、彼の中の「障害者」という枠が、自分の中で崩れていった。彼は、ただ身体が不自由なだけで、気持ちも考え方も自分と変わらない一人の人間だった。むしろ、自分以上に前向きで、素直な感情を表現していた。イベントが終わるころ、彼が「また来てね」と言ってくれた。その言葉が心に残り、自分も少しでも役に立てたのだと実感した。この体験を通して、助けるというのは一方的な行為ではなく、相手と心を通わせることだと学んだ。障害があるから特別にするのではなく、相手の個性を認めながら自然に手を差し伸べる。そんな関係こそが本当の意味での支援なのだと思う。

しかし、障害を持つ人達が自らの力でやり遂げようとする意思を尊重することも大切だ。皆は、パラリンピックで大きく活躍する人々を見た事があるはずだ。手助けが必要な場面もあるが、本人が挑戦しようとしているときには、その気持ちを支える姿勢こそが本当の意味での「支援」だと思う。そのことを強く感じたのが、パラリンピックの選手たちの姿だった。特に記憶に残っているのは、東京2020パラリンピックの車いすテニスで活躍した国枝慎吾選手だ。彼は生まれつきの障害ではなく、病気によって車いす生活となったが、それでも自分自身の力で世界一を目指し、努力を重ねた。誰かに頼るのではなく、自らの可能性を信じ、鍛え上げた体と精神力で戦う姿には、多くの人が心を動かされた。周囲の人間ができるのは、彼のような挑戦を止めず、見守り、必要なときだけそっと手を差し出すことだ。安易に「かわいそう」「助けてあげたい」と思ってしまうのは、本人の意志や努力を見落としてしまうことにつながる。障害の有無に関わらず、人は誰でも自分でやり遂げたいという気持ちを持っている。その気持ちを大切にすることが、真の理解であり、共に生きる社会への第一歩だ。パラリンピックの選手たちは、ただの感動を与える存在ではなく、「支えることとは何か」を私たちに問いかけているのだと思う。

確かに障害を持つ人に手を差し伸べることも、自らの意思を尊重していくことも大切だ。しかし、「寒さに震えたものほど、太陽の暖かさを感じる」というように、難しいことであっても当事者の障害者が生き方や自分のやりたいことに対して挑戦心を持つことだ。その結果、達成感や成長が見られるはずだ。挑戦心やゆりたいことは人それぞれ違っている。私は今やれることは何か考え将来と向き合っていこうと考えた。