ともともさん、今回の作文は非常(ひじょう)興味深く(きょうみぶかく)読ませていただきました。

まず、日本の「義理(ぎり)人情(にんじょう)」に関する考察と具体的な体験を組み合わせて、理解(りかい)を深める試みがうまく行われています。
作文の構成(こうせい)として、最初に日本文化の特徴(とくちょう)を説明し、次に自身の経験(けいけん)を通じてその文化を体現(たいげん)した部分が見て取れます。
特に、ドイツのスーパーでのお菓子(おかし)選びのエピソードは、文化の違い(ちがい)と家族内でのコミュニケーションをリアルに描写(びょうしゃ)しており、読者に感情(かんじょう)移入(いにゅう)しやすいです。

また、母親の受験の話も、過去(かこ)の話を効果(こうか)的に用いており、前の話聞いた話がよく書けています。
このように複数(ふくすう)視点(してん)からテーマを掘り下げる(ほりさげる)ことで、作文が立体的に仕上がっています。

結びの部分で、日本人が外国人からどう見られているかという視点(してん)を取り入れ、自己(じこ)の考えを述べる(のべる)ことで、読者にさらに深く考えさせる問いかけをしている点も素晴らしい(すばらしい)です。

全体を通して、日本とドイツの文化の違い(ちがい)、それに対する個人(こじん)的な感想や体験が織り(おり)交ぜられており、非常(ひじょう)読み応え(よみごたえ)のある作文になっています。

項目(こうもく)評価(ひょうか):
前の話聞いた話がよく書けています。
 

森リン評価 オッケーを含む日本人 ni 07月4週 ともとも
字数/基準字数:
1186字/700字
思考点:69点
知識点:61点
表現点:69点
経験点:77点
総合点:73点
均衡点:4点
●語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
1200字換算
 
思考点:70点
知識点:62点
表現点:70点
経験点:78点
総合点:70点
均衡点:4点
●換算語彙学年表
 小1小2小3小4小5小6中1中2中3高1高2高3  
思考点
知識点
表現点
経験点
総合点
●語彙の説明
語彙種類個数種類率点数説明
思考語彙17種22個77%69点考える言葉です。
理由、方法、原因などの説明の語彙。
多すぎると、説明の多い硬い文章になる可能性があります。
知識語彙35種62個56%61点難しい言葉です。
社会的な例や調べた例の語彙。
多すぎると、難しい言葉の多い重い文章になる可能性があります。
表現語彙90種162個56%69点豊かな言葉です。
話題の幅が広い語彙。
多すぎると、散漫な文章になる可能性があります。
経験語彙39種59個66%77点詳しい言葉です。
身近な例や経験した例の語彙。
多すぎると、身近な話の多い狭い文章になる可能性があります。
種類率は、60%以上が目標。70%以上の場合は多様な語彙が使われています。
1186字
 69点
 61点
 69点
 77点
字数 思考語彙 知識語彙 表現語彙 経験語彙

 


■思考語彙 17種 22個 (種類率77%) 69点
。しかし,。もしも,。例えば,すぎるから,たらしい,できるので,と思う,と言える,ないので,なので,ません,みると,思うので,替えると,比べると,見ると,買うため,

■知識語彙 35種 62個 (種類率56%) 61点
予算,今月,以内,会場,保留,値段,先生,前提,十分,受験,場所,外国,大切,大学,安心,年生,必死,文章,方法,日本,日本人,日本円,時間,松竹,無事,絶望,自分,試験,試験管,輸入,途中,電話,電車,食材,高校,

■表現語彙 90種 162個 (種類率56%) 69点
あいまい,いつ,うち,お互い,お菓子,お願い,こと,ご飯,そう,そこ,それ,だめ,ひやひや,ほう,もの,やつ,スーパー,ソーダ,デュッセルドルフ,ドイツ,ノー,ペン,マーカー,メモ,ユーロ,中,予算,人,今,今月,以内,会場,保留,値段,僕,先生,円,分,初め,前,前提,十分,受験,場所,夕,外,外国,大切,大学,天,好き,妹,安心,家,年生,心,必死,手,抜け穴,文,文章,方法,日,日本,日本人,日本円,時,時間,月,松竹,枚,母,無事,父,目,真っ暗,票,絶望,自分,試験,試験管,買うため,輸入,近く,途中,電話,電車,食材,高校,FAX,

■経験語彙 39種 59個 (種類率66%) 77点
あげる,あわてる,かかる,くれる,しまう,すぎる,せる,できる,と思う,と言える,もらえる,られる,れる,上げる,作る,出る,助かる,受ける,向かう,売る,忘れる,戻る,持つ,振り返る,断る,昇る,書く,替える,比べる,気が付く,終わる,聞く,話し合う,読む,買う,送る,遅れる,頼む,食べる,

■総合点 73点

■均衡点 4点
 

オッケーを含む日本人
   小5 ともとも(tomotomo)  2025年7月4日

 日本人は義理人情に絡まれてどんな明白な拒絶の理由があろうと、相手に熱心に頼まれたらそれをむげに断るのは、何か気がひけるように思ってしまう。「そこをなんとか」という表現の中には、すべては完全ではないことや、お互いにいくばくかの部分が必ず保留されているということが前提にある。日本の芸術も余白があり、作者と鑑賞者が双方の「せめぎあい」にかかっている。

 僕が7月にドイツのデュッセルドルフにきて、初めて家の近くの日本の食材やおやつを売っている松竹というスーパーに行った。そこで父が、「3ユーロ以内で自分が好きなお菓子を買っていいよ。」と言った。3ユーロは日本円に替えると516円で、日本だと十分に自分の好きな美味しいお菓子が買うことができるので、天に昇るぐらい嬉しかった。しかし、ドイツのスーパーにある日本のお菓子は、輸入したものなので日本で売っている値段と比べるととても高い。例えば僕の好きな「ぷっちょMEGAソーダ」というお菓子は、2ユーロで日本円に替えると344円もする。目の前が真っ暗になるぐらい妹と僕は絶望した。妹と僕は、父に「予算を5ユーロまで上げて欲しい。」と頼んだ。初めはだめだと断られたが、「日本のおやつが高すぎるから『そこをなんとか!』」とお願いした。すると父は、「それじゃあ、今月、自分の好きなおやつを買うために、5ユーロあげるよ。」と言った。この文章を読んで、今振り返ってみると、まさにお互いにいくばくかの分が保留されていることを前提に話し合うことができたなと思う。

 母が高校3年生の時、大学受験の日に大切な受験票2枚のうち、1枚を持っていくのを忘れたことがあったらしい。家から2時間かかる大学で、途中の電車の中で忘れたことに気が付いたけれど、家に戻ると試験の時間に遅れてしまって受けられないので、そのままひやひやしながら大学の受験会場は向かった。そこで試験管の先生に「受験票を家に忘れてしまったのですが、それでも受験させてもらえる方法はありませんか?」と先生にどうにかならないか必死でお願いしたそうだ。先生は「受験票が家にあって、試験が終わったらすぐにFAXで送ってくれるなら、受験できますよ。」と言われたらしい。母はそして無事その大学の試験を受けることができたそうだ。それなのに母は受験できたことに安心して、のんびり夕ご飯を外で食べていた、先生から電話で「いつになったら受験票をFAXしてくれますか?」と聞かれ、あわてたらしい。もしも僕だったら手やメモ、いつもみる場所になどにマーカーペンで書いてから受験会場を出る。

 僕はこの文を読んで、抜け穴があって助かることのあるけれど、日本人は外国人から見ると、あいまいだなとみられることがありそうだなと思うので、僕は日本人もノーと言える心も作ったほうがいいと思った。