新しいものと古いもの、どちらにもきちんと目を向けているあなたの視点がとても素晴らしいです!
<<え2016/663pみ>>
【総評】
この意見文は、新語やアナログレコードといった具体的な例を通して、新しいものと古いものの価値をバランスよく考察しています。冒頭の「ら抜き言葉」から始まり、言葉の変化をきっかけに現代社会の変化に話を広げている構成も秀逸です。特に「新しさが生む課題」や「古いものの再評価」など、多面的な視点からの意見の展開は説得力があり、大人顔負けの思考力が感じられました。
【段落ごとの講評】
第1段落:「言葉の変化」という身近な話題を導入に使い、読者の関心を引く工夫ができています。現代の社会状況と個人の課題をうまく結びつけた問題提起も明確です。
第2段落:「タイパ」を例に挙げて、新語の広がりとその利便性、同時に生じる問題点まで丁寧に分析しています。新しい価値観がもたらす功罪を客観的にとらえる姿勢が評価できます。
第3段落:アナログレコードという古い文化の再評価を通じて、古いものの良さをわかりやすく伝えています。実例を挙げることで主張に深みを与えており、「良いものはたとえ古くても残る」という考察も力強いです。
第4段落:スティーブ・ジョブズの名言を引用し、全体を見事に総合化しています。「どちらが良いか」ではなく「どう使いこなすか」という主題のまとめ方が鮮やかで、深い思考の跡がうかがえます。
【特に優れていた点】
・具体的な新語や製品を例にして意見を補強している
・相反する二つの価値観を比較しながら意見を展開している
・名言を効果的に引用し、主題の総合化ができている
【考えを深めるための質問】
あなたは、これから先も変化し続ける社会の中で、どんな「価値」を大切にしていきたいと思いますか?
内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1290字/800字
思考点:77点
知識点:81点
表現点:83点
経験点:88点
総合点:88点
均衡点:6点
■思考語彙 20種 23個 (種類率87%) 77点
n確か,。しかし,。たとえば,。つまり,ある場合,いくべき,かかわらざる,が考える,しよう,すれば,それによって,なければ,に思う,のに対して,も考える,や確か,世代によって,向けるべき,噛み合わざる,見出すと,
■知識語彙 63種 87個 (種類率72%) 81点
一方,一時,一部,世代,主流,会話,体験,価値,共有,具体,内容,分野,効率,動画,原点,反面,各自,品質,問題,変化,大切,年配,影響,必要,情報,意味,成果,手間,新語,時代,時間,最近,有効,本物,本質,柔軟,注目,流行,状況,現代,理解,生活,登場,目的,社会,結果,自然,若者,行動,要点,言葉,記事,証明,評価,誕生,課題,議論,責任,近年,道具,重視,音楽,魅力,
■表現語彙 122種 191個 (種類率64%) 83点
n確か,あまり,ある場合,がち,こと,これ,さ,すれ違い,それ,それら,たち,どこ,もの,や確か,よう,アナログ,コミュニケーション,ジャケット,ジョブズ,スティーブ,スマート,タイ,タイム,デザイン,デジタル,パ,パフォーマンス,フォン,レコード,一つ,一方,一時,一部,世代,中,主流,人,人々,今,会話,体験,何,例,価値,倍,共有,具体,内容,分野,前,効率,動画,千,原点,反面,各自,品質,問題,変化,大切,年配,形,影響,心,必要,情報,意味,成果,手,手間,新た,新語,時代,時間,曲,最近,有効,本物,本質,柔軟,注目,流れ,流行,温かみ,状況,現代,理解,生活,略,登場,的,目,目的,社会,私,結果,考え方,耳,自然,若者,行動,要点,観,言葉,記事,証明,評価,誕生,課題,議論,責任,近年,速,道具,重視,針,鏡,間,音,音楽,魅力,.,
■経験語彙 46種 61個 (種類率75%) 88点
おる,かかわる,かける,が考える,しまう,に思う,まとめる,も考える,れる,伴う,使いこなせる,使う,保つ,出る,受け入れる,向かう,向ける,含める,噛み合う,変わる,広がる,引き起こす,得る,応じる,急ぐ,戸惑う,戻る,映す,残す,残る,消える,生まれる,示す,続ける,聞く,聴ける,落とす,表す,見出す,見直す,見落とす,起きる,超える,重ねる,集める,響く,
■総合点 88点
■均衡点 6点
古いものと新しいもの
中2 あえさし(aesasi)
2025年8月1日
「食べられる」か「食べれる」か。今ら抜き言葉に関心が集まっている。言葉というものは変化していくもの、流れにまかせれば自然に淘汰されるだろう。時代の変わり目で私たちの言葉をどうしていくか、各自が考えていく必要があるということだ。その原点に戻って幅広い分野で議論を重ねることにしよう。
新しいものが出てくるのは当然だ。時代は常に変化し、それに応じて人々の考え方や生活も変わっていく。その変化をよく表しているのが「新語」である。たとえば最近よく耳にする「タイパ」という言葉がある。これは「タイムパフォーマンス」の略で、短い時間で効率よく成果を得ることを意味している。動画を1.5倍速で見たり、要点だけをまとめた記事で情報を得たりする行動がその具体例だ。こうした考え方は特に若者の間で広がっており、今では生活の一部となっている。しかし、新語の誕生は新しい価値観を示す一方で、新たな問題も引き起こしている。「タイパ」を重視するあまり、内容を深く理解する前に結果を急ぎ、本質を見落としてしまうことがあるのだ。また、新語が世代によって共有されないことで、コミュニケーションのすれ違いが起きることもある。年配の人が「タイパって何?」と聞いても、若者が当然のように使っていると会話が噛み合わず、互いに戸惑ってしまう。このように、新しい言葉の誕生は社会の変化を映す鏡であり、新しいものが生まれるのは自然な流れである。しかし同時に、新しいものが生まれるということは、新しい問題も生まれるということでもある。私たちは新語を受け入れる柔軟さだけでなく、それによって生まれる影響や課題にも目を向ける必要がある。新しいものに価値を見出すと同時に、変化に伴う責任も考えなければならない。
しかし、その反面古いものも大切だ。たとえば、近年アナログレコードが再び注目を集めている。デジタル音楽が主流となり、スマートフォン一つで何千曲も聴ける時代になったにもかかわらず、若者の間でもレコードの音の温かみや、ジャケットのデザイン、針を落とすという手間を含めた「体験」が価値あるものとして見直されているのだ。新しいものが登場すれば古いものが消えていくように思われがちだが、実際にはそうではない。新しさが一時的な流行である場合もあるのに対して、古いものには長い時間をかけて評価されてきた本物の良さがある。その良さは時代が変わっても残り続け、人々の心に響き続ける。アナログレコードの再評価は、まさにその証明である。つまり、新しいものが次々と登場する現代においても、古いものの中には時代を超えて価値を保ち続けるものがあるのだ。新しさだけに目を向けるのではなく、古いものの中にある深い魅力や確かな品質にも目を向けるべきである。良いものはたとえ古くても、必ず何らかの形で残されていくのだ。
確かに新しいものも古いものにも大切にしていくべきだ。しかし「どんな道具を手にしても、大切なのはどこへ向かっているかだ」とスティーブし・ジョブズが言ったようにそれらを目的や状況に応じていかに有効に使いこなせるかと言うことだ。