逆境が育む創造の力
   中3 あえとく(aetoku)  2025年7月2日

 生きることは学ぶことであり、学ぶことには喜びがある。さらに創造することには、学び以上の大きな喜びがある。このことは誰にでも当てはまるが、特に学問の世界では重要である。学問とは知識の受け売りではなく、考えることを通して発見や創造をすることであり、そこに本来の意義と喜びがある。知識や読書は考えるための材料にすぎず、覚えようとするよりも考えることが大切である。学問は本来それほど難しいものではなく、考えることが好きな人であれば誰でも楽しめるものである。では、創造の力はどこから来るのか。ポアンカレの言葉「創造とはマッシュルームのようなもの」にあるように、創造も松茸のように、地中で発達した根に妨害条件が加わることで現れる。つまり、人が学びによって蓄積した「因」だけでなく、それを表出させる「縁」が必要であり、とくに逆境などの「逆縁」が創造に関わってくる。成功する人は、逆境をプラスに変える力を持っており、創造とはそのような条件の中で生まれるものである。



そのための方法としては第一に、失敗を恐れずに積極的に物事に挑戦していくことである。たとえば、僕はバスケ部に所属している。僕が始めたばかりの頃失敗するのが怖くて消極的に部活をしていた。しかし逆に消極的の方がたくさんミスをしてみんなに迷惑をかけていた。今僕は部活に一生懸命取り組んでいるミスを怖がることなく自分で考えて行動することで失敗も減り、みんなにも迷惑がかかることがなくなった。この経験は、まさに「挑戦すること自体に価値がある」と実感した瞬間だった。何も挑戦せずに終わるよりも失敗してでもいいからまずは挑戦してみることが大事だと思った。



また第二の方法としては、敗者に対しても考慮されるような社会体制を作ることである。たとえばスポーツの世界では、勝者だけでなく、負けたチームや選手にも拍手を送る文化がある。これは「勝てなかったこと=価値がないこと」ではないという姿勢を表している。また、社会制度においても、セーフティーネットの整備は重要である。例えば日本の生活保護制度や職業訓練制度などは、何らかの理由で一度つまずいた人が再起できるチャンスを与える仕組みであり、「一度の失敗で終わらせない社会」の象徴と言える。



確かに、逆境より順境にいた方が心に余裕が持てる。しかし、『脱皮できない蛇は滅びる』というニーチェの名言があるように、人間もまた変化と挑戦なくして成長はあり得ない。たとえば、かつて世界的大不況の中でスティーブ・ジョブズがiPodやiPhoneを世に送り出したように、困難な時代だからこそ新しいアイデアが生まれ、社会に大きな変革がもたらされることもある。私も、将来どのような困難に直面したとしても、それを乗り越えることで新たな価値を創造できる人間でありたい。失敗を恐れず、時に傷つきながらも前へ進み、逆境を糧にして成長するような生き方を貫きたい。