ポトリポトリ
小5 あきひろ(asiguru)
2025年7月4日
手作りの虫かごの中で、アオムシがキャベツの葉をすさまじい勢いで食べながら、緑色の丸い大きな糞をポトリポトリと落としていく様子を、ぼくは感心しながらながめていた。ほとんどの鳥は葉を食べない。ハクチョウのような大型の鳥をのぞいて、草食性の鳥は果実や穀物を食べることが多い。葉を食べるということは、栄養価の低いものを大量に摂取しなければならないことを意味している。それでは胃袋ばかり重くなり、空を飛ぶには不都合なのだ。昆虫は「変態」によって小さな体の短所をうまく解消してきた。昆虫の生き方は、そのサイズと密接に関わっているのだと思った。
小学3年生の頃、理科の授業でカイコを飼うという活動があった。ぼくには姉がいて、カイコの飼い方を教えてもらっていたので、カイコのことを自然とかわいく感じられた。理科の先生は、20年以上教えてきたベテランで、カイコについてとても詳しかった。先生は最初に教室に入ってくると、
「みんな大好きカイコを持ってきました〜!」
と、にこにこしながら言った。ですが嫌いな生徒もいて
「キャー」
と悲鳴を上げていた。ぼくは心の中でどうしてみんな大好きと言う必要があったのだろうとぎもんがあった。
悲鳴が止んだ時1テンポ間をあけて学者のような真剣な表情でこう続けた。
「カイコといえば『桑』。桑の葉は栄養価が低いけれど、おなかにたまらずたくさん食べることができる。だから、結果的に栄養が体にいきわたり、元気になるんだよ。」
そのとき、カイコたちはまるでウサイン・ボルトのような勢いで桑の葉を食べていた。思わずぼくは、
「おまえ、おなかすいてたんだろ〜」
と話しかけてしまった。
「かわいい子には旅をさせよ」という言葉がある。カイコの世話をする体験は、命の重みや生きものの成長について考えるきっかけになった。だからこそ、この言葉の意味が少しわかった気がした。
子どもはピーマンを嫌うことが多い。それは、母の話によると「子どもにとってピーマンの苦味は毒のように感じるから」だそうだ。実際にチャットGPTで調べてみると、理由は7つあるという。1つ目は、子どもは大人よりも味覚が敏感で、特に「苦味」や「酸味」に強く反応するということ。これは本能的な防衛反応でもあるらしい。
2つ目は、絵本やテレビで「ピーマン=まずいもの」として描かれることが多いこと。さらに、周りの大人や友達が「ピーマンが嫌い」と言っているのを聞いて、自分も嫌いだと思い込んでしまう場合もある。そして、初めて食べたときに苦いと感じた経験が、「苦手」という印象として残り、その後も避けがちになることがあるのだ。
この話を通して、ぼくは「食べたことがないものは、食べられるようにならない」と思い、いろいろな食べ物に挑戦してみたいと感じた。
アオムシがキャベツの葉を夢中で食べていたように、ぼくもさまざまな味を知って、大人になると言うことが分かった。