<<え2014/246pみ>>
バレエの衣装の話は具体的。
そして、オーダーメイドのティアラもいい実例だったね。
フランクリンの図書館の話は、よく調べた。
これはいい社会実例。
アリストテレスの引用もぴったり。
全体に、とてもよくまとまっている作文。
かののんさんの作文は、現代技術と物の所有に関して深い洞察を示しています。
特に、物を所有することの意味を問い直し、レンタルや共有といった概念を通じて新しい生き方を提案している点が印象的です。
自身のバレエでの経験を引き合いに出し、衣装を所有することとレンタルすることの違いを具体的に説明している部分は、体験実例がよく書けています。
また、ベンジャミン・フランクリンのエピソードを引用することで、社会的な変化を促す方法としてのレンタルの重要性を説明しており、歴史的事例が上手く用いられていると感じます。
さらに、アリストテレスの名言を引用しながら、所有ではなく活動に価値を見出すという哲学的な考察を加えることで、名言がよく書けています。
これにより、文中で提案されている生き方がより説得力を持ち、読者に深く考えさせる内容になっています。
全体を通じて、かののんさんが提案する生き方の主題がよく書けており、持ち物ではなく生き方や体験に価値を見出すというメッセージが明確に伝わってきます。
項目評価:
-方法がよく書けています。
-生き方の主題がよく書けています。
-名言がよく書けています。
-体験実例がよく書けています。
-昔話の実例がよく書けています。
内容★ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎
字数/基準字数:1404字/800字
思考点:74点
知識点:77点
表現点:83点
経験点:71点
総合点:82点
均衡点:6点
■思考語彙 19種 22個 (種類率86%) 74点
確か,。しかし,。一方,いくと,いるから,こだわらざる,するため,だと,だろう,できれば,と思う,なれば,のため,の可能,はもちろん,は思う,は第,また第,自分にとって,
■知識語彙 57種 90個 (種類率63%) 77点
不便,人物,以外,体験,価値,信頼,全体,公共,共通,出場,利用,十分,名言,図書館,多方面,大切,大量,家電,専用,年代,幸福,必要,意味,所有,挑戦,政治,教室,整備,方法,時代,本当,格差,機会,機能,毎回,活動,活用,活躍,消費,演目,無理,特別,発表,目的,知識,社会,科学,自分,自由,自転車,舞台,衣装,表現,誕生,選択肢,関係,高価,
■表現語彙 121種 211個 (種類率57%) 83点
確か,こと,これ,さ,さまざま,すべて,するため,そう,そのもの,それ,とき,のため,の可能,ひと,みんな,もの,よう,アクセス,アメリカ,オーダー,コンクール,シェアリング,バレエ,プレゼント,メイド,レンタル,一,不便,中,二,人,人々,人物,今,仕組み,以外,会,体験,何,使い方,価値,信頼,全体,公共,共通,出場,分,初,利用,十,十分,名言,図書館,場,多く,多方面,大切,大量,家,家電,専用,年代,幸福,度,当たり前,必要,思い出,性,意味,所有,持ち物,挑戦,政治,教室,整備,方,方法,日,時,時代,暮らし,服,本,本当,格差,機会,機能,歳,母,毎回,活動,活用,活躍,消費,演目,無理,物,特別,生き方,発表,目的,知識,社会,私,科学,者,自分,自由,自転車,舞台,衣装,表現,誕生,豊か,質,踊り,違い,選択肢,重き,関係,高価,
■経験語彙 35種 52個 (種類率67%) 71点
くれる,こだわる,つくる,つながる,できる,と思う,はかる,は思う,られる,れる,作る,使いこなす,使う,借りる,出る,取り巻く,合う,学ぶ,広がる,感じる,持つ,活かす,生まれる,異なる,直す,立つ,終わる,続ける,置く,見つめる,詰まる,読む,読める,買える,踊る,
■総合点 82点
■均衡点 6点
所有に頼らない
中3 かののん(kanonon)
2025年7月3日
何といっても、現代技術を特徴付けるのは豊富な工業製品の氾濫であろう。自然資源を有用な人工物に変換することによって豊かさを達成するという、あたかも自明と考えてきた命題は、多くの矛盾をはらむようになってきたと言わざるを得ない。結局は充填率の限界などの現代技術が持つ問題に本質的に影響を与えていく重要な視点である。私は、物の所有にとらわれず、機能を上手に活用する考え方で生きていきたい。
そのための方法としては第一に、ものを持つことだけに価値を置かないことだ。私は2歳からバレエを続けていて、これまでに何度もコンクールや発表会の舞台に立ってきた。コンクールでは、自分専用の衣装を持って何度も同じ演目で出場する人もいるが、私は毎回異なる踊りに挑戦するため、衣装はすべてレンタルを利用している。発表会においても、ほとんどの衣装は教室が所有しているものか、全体で共通のレンタル衣装を使ってきた。それでも不便に感じたことはほとんどない。自分の衣装でなくても、舞台での表現や踊りの質に違いは出ないと感じているからだ。一方で、母が私の誕生日にオーダーメイドのティアラをプレゼントしてくれたことがある。これは私のためだけに作られたもので、特別な思い出が詰まっている。今でも大切にしているし、持ち物としての価値も感じている。ただ、そうした特別な意味を持つもの以外は、無理に自分で所有する必要はないと思う。舞台に立つという目的に合ったものを、その時その場でうまく活用できれば十分だ。所有しているかどうかよりも、それをどう使いこなすかの方が大切なのではないだろうか。そして何より、舞台で踊るという「体験」そのものに価値があるのだと、私は感じている。
また第二の方法としては、レンタルのしやすい社会の仕組みを整備していくことだ。1700年代のアメリカで、ベンジャミン・フランクリンという政治家や科学者など、多方面で活躍した人物がいた。そのひとは、みんなが本を自由に読めるようにと、アメリカ初の公共図書館の仕組みをつくったそうだ。それまでは、読みたい本があっても高価で買えなかった人が多く、本を持っているかどうかで学ぶ機会に格差が生まれた。しかし、図書館ができたことで、本を借りて読むという新しい選択肢が生まれ、より多くの人が知識にアクセスできるようになったという。このように、必要なものを必要なときに借りられる仕組みがあることで、社会全体の可能性が広がるのだと思う。今の時代でも、図書館はもちろん、自転車や家電、服など、さまざまなものがシェアリングできるようになってきている。こうした仕組みがもっと当たり前になれば、持ち物の多さで豊かさをはかるのではなく、使い方や体験に重きを置く暮らしがしやすくなるのではないだろうか。
確かに、自分を取り巻く人々との関係、信頼といったものまでレンタルすることはできない。しかし、アリストテレスの『幸福とは、所有ではなく活動の中にある』という名言もあるように、私は物の所有にのみにこだわらず、自分に必要なものを機能としてレンタルして必要十分という生き方をしていきたい。大量消費の時代が終わりつつある今、自分にとっての本当の豊かさとは何かを見つめ直し、ものの「持ち方」ではなく「活かし方」を大切にすることが、これからの暮らし方につながっていくと私は思う。