折れない心を持つ
   中3 あささえ(asasae)  2025年7月2日

 学問の世界における喜びは想像と発見によって作られる。そしてそのための材料集めとも言ってよいものが勉強や読書などの知識の蓄積である。そして、その学びのための原動力はポアンカレが語っているようにキノコのように育つ。キノコの根は周りの環境の条件が良いとすくすく育つが、それが続くとキノコは作られず根だけが発達してしまい、そのうち老化して死んでしまう。死なずにキノコを作るには、都合の良い環境を断ち切る逆境が必要不可欠なのだ。人間の原動力も同じように作られていると言える。私も、逆境を避けるのではなく乗り越える力を身につけたいと思う。

 そのための方法として第一に、ポジティブな考え方を身につけることがある。私は中学一年生のときにクラスメイトから嫌がらせを受けていた時期があった。嫌がらせをした本人たちには憎たらしい気持ちがあったが、心配してくれる仲間もいた。私は前向きに考え、ひどい人たちのことは深く気にせずに、素敵な人だっているからその人たちを大切にしようという思いで過ごすことにした。徐々にメンタルが回復し、私があまり悲しむ様子を見せなくなったので嫌がらせもなくなった。前向きな考え方は逆境を乗り越えるときに自分の心を後押しする効果があることを実感した。

 第二の方法は、最善を尽くそうとすることだ。昔話「12月の贈り物」では主人公が意地悪な姉から季節外れであるにも関わらず森に行ってイチゴをとってくるよう頼まれる。当然あるはずがないが、主人公はなんとか見つけようと精一杯イチゴを探す。その様子を見た12月の精霊が季節を春に変え、主人公がイチゴをつけるように手助けをし、彼女は無事に家に帰ることができた。これは一見運が良いだけにも見えるが、獲れるはずもないイチゴをなんとか見つけようと精一杯頑張ったから、それを見ていた人たちに助けてもらえたのだ。無理なこともどうにかしようという姿勢は逆境を乗り越える力になる。

 もちろん無理をすることを強要しているわけではない。ただ、ある程度の難しい挑戦は必要だと思う。エジソンは「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」という言葉を残した。エジソン本人も天才かのように扱われたが失敗も多かったと言われている。失敗を乗り越えるための努力が文章中にもあるように創造の原動力になり、エジソンはそれを体現してみせたのだ。なるべく簡単なものを選ぼうとするのではなく、あえて難易度の高いものに挑戦し、逆境に立ち向かう勇気を持ちたい。